(有賀久子)



フレキシブルさが足りず 浮き彫りになった課題

開始37秒で松本泰志がファーストシュートを放った場面は、とてもシンプルなサイド攻撃によるもので、今節も開幕戦同様、相手陣内でのプレーが増えるかと思われたが、開始5分までに攻撃機会が多かったのは京都であり、浦和は単発に終わっていた。

マチェイ スコルシ?ャ監督は試合後、この立ち上がりについて「少しナーバスになって、相手の背後に空いていたスペースを良い形で使うことができず、我々のゾーン1、ゾーン2でボールを失うことが多かった」と振り返っている。

たしかに、神戸戦から比べると連動性に欠け、特にセカンドボールを保持する頻度を見ても、京都がゲームを作っている印象だった。この勢いをしのいだ後、浦和がどんな展開を見せるのかに注目したわけだが、そこでプラン変更を余儀なくされたのは痛かった。

6分、裏抜けという、この試合での戦術の鍵を握っていた渡邊凌磨が接触プレーから右足首を負傷。一時ピッチに戻るも、プレーを続けることは出来なかった。緊急出動の準備が出来たのは、15分。マチェイ監督は、ビルドアップの改善の必要性を優先し、凌磨とはタイプの異なるボランチ、サミュエル ク?スタフソンの投入を決め、テコ入れを図った。

しかしながら、前線の3枚を軸に勢いをもった京都に対して、サミュエルに簡単にボールを預けることも難しい展開だった。センターバックの間に立ったサミュエルが、3枚まわしの中でフリーでボールを受け、長いボールを1本、右の金子拓郎に展開したのは、38分のこと。交代によるプラスの効果は生み出しにくい前半だった。

正直なところ、ピッチ内に新加入選手が多い難しさが出てしまったと感じている。

途中出場の原口元気は「相手は前から来ていて、そこで繋ぐというのは簡単ではないけれど、しっかりと繋ぐか、ボールを蹴ってセカンドボールを拾うか、というところでの(選択肢は)2つしかなかった。前半に関しては、両方、中途半端だった。後半、少し割りきって蹴り始めたら、ある程度、チャンスは出来たが」と前半を分析していた。

では、どのようにピッチ内で舵取りをすべきだったか。マチェイ監督は「フレキシブル」という言葉を使った。羽生直行通訳は「柔軟性」とし、「相手が強いプレスをかけてきて、そこを突破できないのであれば、ビルドアップの形を変えるべきだと思います。その柔軟性というところは1つの改善点です」とマチェイ監督の言葉を訳した。

トレーニングキャンプ中、この柔軟性という面では、凌磨が、声で、プレーでチームの方向性を担っていた部分であり、彼がピッチに居ない場合、あるいはピッチに居たとしても強いマークにあっていた場合など、誰が舵取りするかは、昨シーズンから続く課題として浮き彫りになった。
何も出来なかったわけではない。チアゴの状態の良さを感じさせる、冷静な同点弾もあり、さらに元気をはじめ、長倉幹樹、松尾佑介が加わった浦和の攻撃陣は、逆転劇も可能だったと思わせる展開を見せた。

次は、中3日で湘南ベルマーレ戦を迎える。喋って喋って、頭の中を整理し、勝ち点3にむけて、準備してもらいたい。

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試合レポート|J1第2節・京都戦=ポイント|レッズプレス!!

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J1第2節・京都戦=ポイント

(有賀久子)



フレキシブルさが足りず 浮き彫りになった課題

開始37秒で松本泰志がファーストシュートを放った場面は、とてもシンプルなサイド攻撃によるもので、今節も開幕戦同様、相手陣内でのプレーが増えるかと思われたが、開始5分までに攻撃機会が多かったのは京都であり、浦和は単発に終わっていた。

マチェイ スコルシ?ャ監督は試合後、この立ち上がりについて「少しナーバスになって、相手の背後に空いていたスペースを良い形で使うことができず、我々のゾーン1、ゾーン2でボールを失うことが多かった」と振り返っている。

たしかに、神戸戦から比べると連動性に欠け、特にセカンドボールを保持する頻度を見ても、京都がゲームを作っている印象だった。この勢いをしのいだ後、浦和がどんな展開を見せるのかに注目したわけだが、そこでプラン変更を余儀なくされたのは痛かった。

6分、裏抜けという、この試合での戦術の鍵を握っていた渡邊凌磨が接触プレーから右足首を負傷。一時ピッチに戻るも、プレーを続けることは出来なかった。緊急出動の準備が出来たのは、15分。マチェイ監督は、ビルドアップの改善の必要性を優先し、凌磨とはタイプの異なるボランチ、サミュエル ク?スタフソンの投入を決め、テコ入れを図った。

しかしながら、前線の3枚を軸に勢いをもった京都に対して、サミュエルに簡単にボールを預けることも難しい展開だった。センターバックの間に立ったサミュエルが、3枚まわしの中でフリーでボールを受け、長いボールを1本、右の金子拓郎に展開したのは、38分のこと。交代によるプラスの効果は生み出しにくい前半だった。

正直なところ、ピッチ内に新加入選手が多い難しさが出てしまったと感じている。

途中出場の原口元気は「相手は前から来ていて、そこで繋ぐというのは簡単ではないけれど、しっかりと繋ぐか、ボールを蹴ってセカンドボールを拾うか、というところでの(選択肢は)2つしかなかった。前半に関しては、両方、中途半端だった。後半、少し割りきって蹴り始めたら、ある程度、チャンスは出来たが」と前半を分析していた。

では、どのようにピッチ内で舵取りをすべきだったか。マチェイ監督は「フレキシブル」という言葉を使った。羽生直行通訳は「柔軟性」とし、「相手が強いプレスをかけてきて、そこを突破できないのであれば、ビルドアップの形を変えるべきだと思います。その柔軟性というところは1つの改善点です」とマチェイ監督の言葉を訳した。

トレーニングキャンプ中、この柔軟性という面では、凌磨が、声で、プレーでチームの方向性を担っていた部分であり、彼がピッチに居ない場合、あるいはピッチに居たとしても強いマークにあっていた場合など、誰が舵取りするかは、昨シーズンから続く課題として浮き彫りになった。
何も出来なかったわけではない。チアゴの状態の良さを感じさせる、冷静な同点弾もあり、さらに元気をはじめ、長倉幹樹、松尾佑介が加わった浦和の攻撃陣は、逆転劇も可能だったと思わせる展開を見せた。

次は、中3日で湘南ベルマーレ戦を迎える。喋って喋って、頭の中を整理し、勝ち点3にむけて、準備してもらいたい。

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