《ミハイロ・ペトロヴィッチ監督》
われわれ浦和レッズにとっては正直なところ、明治安田生命J1リーグ戦が終わって、すぐに明治安田生命Jリーグチャンピオンシップ(CS)のファイナルを戦えるに越したことはなかった。ただ与えられた日程の中で戦っていくしかない。公式戦からかなり時間が空いてしまっている状況の中でチームの集中力、あるいは緊張感を維持することは非常に難しかった。ただ、ここ1週間は選手たちがしっかりと集中し、緊張感を持って練習試合や練習に取り組んでくれたと思っている。

鹿島アントラーズはCS準決勝で川崎フロンターレを破ったように、非常に手ごわい相手だと思う。そしてこれまでの鹿島との対戦はどちらに勝敗が転んでもおかしくないような、非常に際どく拮抗(きっこう)したゲームが常である。今回のゲームも特にファイナルという舞台であるから、決して簡単なゲームにはならないと思うし、チャンスはフィフティ・フィフティだと思っている。ただ私(監督)、クラブ、そして選手、スタッフと全員が集中をし、緊張感を持って良い準備をしてこの試合に臨めると思っている。とにかくチーム一丸となって良い試合、良い結果を残すために戦いたい。

(特にポイントになりそうなことは?)カギになることが全部分かっていれば、私はここではなくレアル・マドリーの監督だろう(笑)。私自身は常に相手がどうではない。やはり自分たちがどうするか。私は常にそれを思っている。われわれが今季を通して戦ってきた戦い方で年間王者やカップ戦の優勝をつかみ取ってきた。われわれはとにかく相手ではなく自分たちがどうするか。それがわれわれにとってのカギだ。本来であるならば、われわれがJリーグチャンピオンであっておかしくない状況だが、与えられたルールの中ではわれわれはまだJリーグのチャンピオンとしてのタイトルをつかめていない。ただ、われわれは与えられたルールの中でもとにかく自分たちの戦い方でそれをつかみ取りたいと思っている。

きょうの「エルゴラッソ」の記事の中に岡田(武史)さんのインタビューが出ていたが、岡田さんが非常に詳しい分析をされていたので、あすのゲームはわれわれにとって非常に難しくなるかもしれない。非常に興味深い内容の記事だったが、一度、岡田さんと対戦してみたいという気持ちが生まれたのと、彼が準備していたものと戦うことによって私自身も学び、成長できると思う。

(昨季の準決勝は延長戦で負けた。今季はレギュレーションが変わって2試合とも0-0でも優勝が決まるということで、戦い方は変わってくるか?)このルールが昨季あったながら、われわれが決勝に進んでいただろう。ただレギュレーションとして昨季のルールはおかしいのではないか、というディスカッションの下にルールが改正されたと思うが、言うなればわれわれは被害者のような一面があるのかもしれない。準決勝に関してはそのルールの改正が2位であったチーム、今季であれば川崎Fはアドバンテージがあったと思う。昨季も引き分けで勝ち上がれればわれわれにとってアドバンテージだっただろう。

ただ2試合の合計で争われる戦いの中では、それほどの大きなアドバンテージではないと思っている。なぜなら同じスコアが2試合続くのは5パーセントぐらいだと思っているからだ。だからわれわれにアドバンテージがあるとすれば5パーセントのアドバンテージだ。ということは、われわれにはアドバンテージはほぼないに等しいのではないかと思う。その5パーセントのアドバンテージを持って戦うという意識よりも、われわれは2試合とも勝ちに行くという気持ちで戦うことが望ましいと思う。

昨季の出来事があって今季はルールが変わったが、もし来季もこのようなレギュレーションで戦うのであれば、もしかしたらファイナルのレギュレーションは来季も変わったかもしれない。そういう意味ではわれわれの出来事があって初めて次のシーズンに生かされる。われわれはなかなか恵まれない状況にあるのも確かかもしれない。私の立場でそういうことを言うのはなかなか心苦しいところはあるが、ルールを改定したことによって大きなアドバンテージがあったのは準決勝を戦った2位の川崎Fだったと思う。ファイナルに関しては2試合の合計なので1位のチームのアドバンテージになるとは思わない。

Jリーグは内輪の中でディスカッションする中で日程やレギュレーションを決めているのが多いのかなと思うが、もう少し専門分野に長(た)けた方々を多く入れて公の場で話し合えばもう少し良いルールや日程が作れるのかなと思う。われわれ浦和は昨季から再び始まったCSの戦いに関しては、われわれは常に年間を通したリーグ戦の戦いを意見として言ってきたチームだが、クラブ側の意見をオーガナイズする側の方々には聞き入れてもらえないのは残念だ。12月3日の試合は6万人の大観衆がわれわれの試合を楽しみに見に来ると思うが、われわれは最も観客動員数が多いクラブとして、浦和の見解、意見にルールや日程を決める側の方々は耳を傾けてもいいのかなという思いがあるのは確かだ。

来季はまた1シーズン制に戻るということだが、Jリーグのレギュレーションを変えた方々がいると思うが、2年の時を経てまた変えるということは、何かしらの理由があると思うが、変えた方々で誰か責任を取られるのかどうか。おそらく誰も辞めさせられはしないだろう。われわれの監督という仕事は結果が出なければ解任される。責任ある立場の人たちが責任ある仕事をするというのが必要であると思う。サッカーは、あるいはJリーグは誰の物なのか。誰のために行うのか。それはもう一度考えるべきことだと思う。上の方々が決めたものに従っていくのはわれわれクラブだが、こちらの立場の人間にとってどうなのかをもう少し考えた方がいいと思う。

私は外国人だが、日本のサッカーをもっと良くしていくために考えている人間の1人だ。ただ、そういうコメントをすれば良く思われないのは分かっている。ただ誰かが言わなければいけないという思いがあるのも確かだ。私自身、46年間プロの世界で生きているが、私の意見はその経験から裏打ちされるものだ。

(浦和のサッカーを貫くという話だったが、そのために大事になることは?)走ることだ。走って、走って、走ることだ。そして規律を守り、戦うことだ。それができればわれわれが日々トレーニングしている自分たちが狙いとするサッカーは出せると思っている。われわれのサッカーは走ることが大前提だと思うし、走らなければこのサッカーは成り立たない。そしてしっかりと集中力を持って、規律を持って戦うことが非常に大事だ。われわれが常に相手より多く走れていれば、この5年間で問題を抱えた試合はない。ただ選手も人間なので、常に相手より多く走れるわけではないが、走ることがあすのゲームでは非常に大事だ。

今季を通して走るということ、アグレッシブに戦うことというのはコンスタントに見せられたと思うし、最もテンポの速いサッカーをしたのはわれわれ浦和だと思う。だからこそ得られた年間勝点1位だったと思う。攻守の切り替えの速さ、攻撃、守備の切り替えは走ることなしにそのテンポを維持できないだろう。

(石田達也)
試合レポート
2016年11月29日(火)チャンピオンシップ決勝第1戦・鹿島アントラーズ戦
チャンピオンシップ決勝第1戦・鹿島アントラーズ戦=読者によるMIP投票結果、採点&寸評
チャンピオンシップ決勝第1戦・鹿島アントラーズ戦=番記者による採点&寸評
チャンピオンシップ決勝第1戦・鹿島アントラーズ戦=ポイント
チャンピオンシップ決勝第1戦・鹿島アントラーズ戦=選手コメントその2
チャンピオンシップ決勝第1戦・鹿島アントラーズ戦=選手コメント
チャンピオンシップ決勝第1戦・鹿島アントラーズ戦=監督コメント
チャンピオンシップ決勝第1戦・鹿島アントラーズ戦=試合詳細(スコア経過、出場選手など)
チャンピオンシップ決勝第1戦・鹿島アントラーズ戦=見どころ
チャンピオンシップ決勝第1戦・鹿島アントラーズ戦=前日会見
チャンピオンシップ決勝第1戦・鹿島アントラーズ戦=予想スタメン

練習レポート
2016年11月29日(火)チャンピオンシップ決勝第1戦・鹿島アントラーズ戦
あすCS決勝第1戦、活躍を誓う攻撃陣
遠藤航、好連係の予感
攻撃再確認とミシャの決断
駒井善成「連係すれば点は取れる」
李忠成「自分はカシマスタジアムと相性がいい」
武藤雄樹「勝たないと一番ではない」
柏木陽介「勝つためのサッカーをする」
柏木陽介の先発トップ下起用、その効果は?
明治大に5-3で勝利も課題を露呈
あす、明治大との練習試合
西川周作「シャーレを掲げる」
那須大亮「いい緊張感の中で」
高木俊幸、古巣・清水エスパルスへの思いを語る
岩舘直、5年前の天皇杯・川崎フロンターレ戦
先輩風を吹かせ(!?)武藤雄樹が2ゴール
宇賀神友弥、運動量で存在感を示す
3日間のオフ明け、川崎F戦の敗戦に厳しく言及

お知らせ
2016年11月待受カレンダー公開
2016年シーズン浦和レッズ試合情報まとめ
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チャンピオンシップ決勝第1戦・鹿島アントラーズ戦=前日会見

《ミハイロ・ペトロヴィッチ監督》
われわれ浦和レッズにとっては正直なところ、明治安田生命J1リーグ戦が終わって、すぐに明治安田生命Jリーグチャンピオンシップ(CS)のファイナルを戦えるに越したことはなかった。ただ与えられた日程の中で戦っていくしかない。公式戦からかなり時間が空いてしまっている状況の中でチームの集中力、あるいは緊張感を維持することは非常に難しかった。ただ、ここ1週間は選手たちがしっかりと集中し、緊張感を持って練習試合や練習に取り組んでくれたと思っている。

鹿島アントラーズはCS準決勝で川崎フロンターレを破ったように、非常に手ごわい相手だと思う。そしてこれまでの鹿島との対戦はどちらに勝敗が転んでもおかしくないような、非常に際どく拮抗(きっこう)したゲームが常である。今回のゲームも特にファイナルという舞台であるから、決して簡単なゲームにはならないと思うし、チャンスはフィフティ・フィフティだと思っている。ただ私(監督)、クラブ、そして選手、スタッフと全員が集中をし、緊張感を持って良い準備をしてこの試合に臨めると思っている。とにかくチーム一丸となって良い試合、良い結果を残すために戦いたい。

(特にポイントになりそうなことは?)カギになることが全部分かっていれば、私はここではなくレアル・マドリーの監督だろう(笑)。私自身は常に相手がどうではない。やはり自分たちがどうするか。私は常にそれを思っている。われわれが今季を通して戦ってきた戦い方で年間王者やカップ戦の優勝をつかみ取ってきた。われわれはとにかく相手ではなく自分たちがどうするか。それがわれわれにとってのカギだ。本来であるならば、われわれがJリーグチャンピオンであっておかしくない状況だが、与えられたルールの中ではわれわれはまだJリーグのチャンピオンとしてのタイトルをつかめていない。ただ、われわれは与えられたルールの中でもとにかく自分たちの戦い方でそれをつかみ取りたいと思っている。

きょうの「エルゴラッソ」の記事の中に岡田(武史)さんのインタビューが出ていたが、岡田さんが非常に詳しい分析をされていたので、あすのゲームはわれわれにとって非常に難しくなるかもしれない。非常に興味深い内容の記事だったが、一度、岡田さんと対戦してみたいという気持ちが生まれたのと、彼が準備していたものと戦うことによって私自身も学び、成長できると思う。

(昨季の準決勝は延長戦で負けた。今季はレギュレーションが変わって2試合とも0-0でも優勝が決まるということで、戦い方は変わってくるか?)このルールが昨季あったながら、われわれが決勝に進んでいただろう。ただレギュレーションとして昨季のルールはおかしいのではないか、というディスカッションの下にルールが改正されたと思うが、言うなればわれわれは被害者のような一面があるのかもしれない。準決勝に関してはそのルールの改正が2位であったチーム、今季であれば川崎Fはアドバンテージがあったと思う。昨季も引き分けで勝ち上がれればわれわれにとってアドバンテージだっただろう。

ただ2試合の合計で争われる戦いの中では、それほどの大きなアドバンテージではないと思っている。なぜなら同じスコアが2試合続くのは5パーセントぐらいだと思っているからだ。だからわれわれにアドバンテージがあるとすれば5パーセントのアドバンテージだ。ということは、われわれにはアドバンテージはほぼないに等しいのではないかと思う。その5パーセントのアドバンテージを持って戦うという意識よりも、われわれは2試合とも勝ちに行くという気持ちで戦うことが望ましいと思う。

昨季の出来事があって今季はルールが変わったが、もし来季もこのようなレギュレーションで戦うのであれば、もしかしたらファイナルのレギュレーションは来季も変わったかもしれない。そういう意味ではわれわれの出来事があって初めて次のシーズンに生かされる。われわれはなかなか恵まれない状況にあるのも確かかもしれない。私の立場でそういうことを言うのはなかなか心苦しいところはあるが、ルールを改定したことによって大きなアドバンテージがあったのは準決勝を戦った2位の川崎Fだったと思う。ファイナルに関しては2試合の合計なので1位のチームのアドバンテージになるとは思わない。

Jリーグは内輪の中でディスカッションする中で日程やレギュレーションを決めているのが多いのかなと思うが、もう少し専門分野に長(た)けた方々を多く入れて公の場で話し合えばもう少し良いルールや日程が作れるのかなと思う。われわれ浦和は昨季から再び始まったCSの戦いに関しては、われわれは常に年間を通したリーグ戦の戦いを意見として言ってきたチームだが、クラブ側の意見をオーガナイズする側の方々には聞き入れてもらえないのは残念だ。12月3日の試合は6万人の大観衆がわれわれの試合を楽しみに見に来ると思うが、われわれは最も観客動員数が多いクラブとして、浦和の見解、意見にルールや日程を決める側の方々は耳を傾けてもいいのかなという思いがあるのは確かだ。

来季はまた1シーズン制に戻るということだが、Jリーグのレギュレーションを変えた方々がいると思うが、2年の時を経てまた変えるということは、何かしらの理由があると思うが、変えた方々で誰か責任を取られるのかどうか。おそらく誰も辞めさせられはしないだろう。われわれの監督という仕事は結果が出なければ解任される。責任ある立場の人たちが責任ある仕事をするというのが必要であると思う。サッカーは、あるいはJリーグは誰の物なのか。誰のために行うのか。それはもう一度考えるべきことだと思う。上の方々が決めたものに従っていくのはわれわれクラブだが、こちらの立場の人間にとってどうなのかをもう少し考えた方がいいと思う。

私は外国人だが、日本のサッカーをもっと良くしていくために考えている人間の1人だ。ただ、そういうコメントをすれば良く思われないのは分かっている。ただ誰かが言わなければいけないという思いがあるのも確かだ。私自身、46年間プロの世界で生きているが、私の意見はその経験から裏打ちされるものだ。

(浦和のサッカーを貫くという話だったが、そのために大事になることは?)走ることだ。走って、走って、走ることだ。そして規律を守り、戦うことだ。それができればわれわれが日々トレーニングしている自分たちが狙いとするサッカーは出せると思っている。われわれのサッカーは走ることが大前提だと思うし、走らなければこのサッカーは成り立たない。そしてしっかりと集中力を持って、規律を持って戦うことが非常に大事だ。われわれが常に相手より多く走れていれば、この5年間で問題を抱えた試合はない。ただ選手も人間なので、常に相手より多く走れるわけではないが、走ることがあすのゲームでは非常に大事だ。

今季を通して走るということ、アグレッシブに戦うことというのはコンスタントに見せられたと思うし、最もテンポの速いサッカーをしたのはわれわれ浦和だと思う。だからこそ得られた年間勝点1位だったと思う。攻守の切り替えの速さ、攻撃、守備の切り替えは走ることなしにそのテンポを維持できないだろう。

(石田達也)


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チャンピオンシップ決勝第1戦・鹿島アントラーズ戦=監督コメント
チャンピオンシップ決勝第1戦・鹿島アントラーズ戦=試合詳細(スコア経過、出場選手など)
チャンピオンシップ決勝第1戦・鹿島アントラーズ戦=見どころ
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あすCS決勝第1戦、活躍を誓う攻撃陣
遠藤航、好連係の予感
攻撃再確認とミシャの決断
駒井善成「連係すれば点は取れる」
李忠成「自分はカシマスタジアムと相性がいい」
武藤雄樹「勝たないと一番ではない」
柏木陽介「勝つためのサッカーをする」
柏木陽介の先発トップ下起用、その効果は?
明治大に5-3で勝利も課題を露呈
あす、明治大との練習試合
西川周作「シャーレを掲げる」
那須大亮「いい緊張感の中で」
高木俊幸、古巣・清水エスパルスへの思いを語る
岩舘直、5年前の天皇杯・川崎フロンターレ戦
先輩風を吹かせ(!?)武藤雄樹が2ゴール
宇賀神友弥、運動量で存在感を示す
3日間のオフ明け、川崎F戦の敗戦に厳しく言及

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