伝えることの大切さ、再認識。ブラインドサッカー体験会
「練習レポート」は、大原サッカー場の模様を、ほぼ毎日更新するコーナーです。
浦和レッズは障がい者スポーツへの理解を深める一環として、さいたま市を拠点とするブラインドサッカーチーム「埼玉T.Wings」の協力のもと、ブラインドサッカー体験会が大原サッカー場で午後5時半から開催された。
浦和レッズREX CLUB会員、クラブスタッフを含め、60人が参加。浦和レッズからは発起人の平川忠亮をはじめ、梅崎司、武藤雄樹、大谷幸輝、阿部勇樹、岩舘直の6選手が一緒に汗をかいた。
この体験教室が開かれたのは、昨年、平川が練習中、顔面にボールを受け、約5時間、まったく目が見えなくなったのがキッカケ。無事に視力は戻った平川は日ごろ、いろんな人にサポートを受けていることをあらためて、感じるとともに、何か支援サポートができないかと、スタッフと相談。たどり着いたのがブラインドサッカーだった。
このブラインドサッカー、日本では視覚障がい者はもちろん、健常者でもアイマスクを着用すれば、参加できる5人制の競技。
ブラインドサッカー日本代表は、今回のリオデジャネイロ・パラリンピックに惜しくも出場できなかったが、4年後の2020年東京大会での活躍を目指している。
見ると実際にやるのでは違う。
「見えない怖さがあり、難しかった」と武藤が話すように、トップアスリートである選手でもアイマスクを着けると「怖い。怖い」と連呼。ボールの位置が分からず、あたふたしていた。
視覚からの得られる情報は全体の80%とされている。残り20%の情報でプレーしなければならない。そこで頼りになるのは声。
ただ、見える人が見えない人に方向や角度、距離や動作などの指示を伝えるのはそう簡単ではない。たとえば、スイカ割りの要領で「右、左」と言っても、自分側なのか、相手側なのか分からない。
また「あとちょっと」「もうちょっと」と言われても、それぞれ感じ方が違い、伝わりづらい。そのためアイマスクを着けた相手を不安がらせないように、手を叩いて、方向を教えたり、名前を呼ぶなど、より具体的に伝えることが大事。
つまり、相手の立場に立って伝えることが大切になる。
埼玉T.Wings所属、ブラインドサッカー日本代表の加藤健人さんは「言葉の大切さを感じて、普通の生活にも役立ててほしい」と語った。視覚障がい者も健常者も、コミュニケーションを取ることの大切さは何も変わらないのだ。
「今回の体験したことを家族や知人に広めてほしい。そして2020年、東京パラリンピックで盛り上がるように、ブラインドサッカーを伝えてほしい」と平川忠亮。
声の大切さ。相手の立場に立って伝える大切さをあらためて感じた、きょうのブラインドサッカー体験会だった。
(佐藤亮太)
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