今季限りでの退団が決まったMF宇賀神友弥のオンライン会見が行われた。
(写真提供:浦和レッズ)
トップチームで12年、アカデミー時代を合わせると18年となる。浦和一筋に戦い続けたバンディエラだ。
引退する阿部勇樹、退団する槙野智章はいずれも涙の会見となったが、宇賀神の気持ちは次にむかっていた。
「契約満了をきいたとき、浦和レッズで現役を終えたかった反面、出場機会が減るなか、プロとしてほかのチームに行くべきか、出場は減っても浦和で引退すべきかを考えた。悔しい結果だが、スッキリしている。次の道はどうなるのか。浦和レッズではない宇賀神はどうなるのか、ワクワクして楽しみな気持ち」と宇賀神らしい答えだった。
ここまでリーグ316試合・16ゴール。毎年他チームから同じポジションの選手が加入しても冷静な分析のもと、良さを盗みながら成長し、レギュラーを簡単には渡さなかった。それまでの経歴を含め、持前の反骨心で戦い続けた。
また2018年12月9日に行われたベガルタ仙台との天皇杯決勝では13分に決めたスーパーゴールが決勝点となり、翌年のACL出場権を得た。
思えば、宇賀神は常に浦和レッズの選手として、どうあるべきなのか。どういった振る舞いをすべきかを常に考え、問い続けた12年間でもあった。
「クラブは浦和を背負う責任と掲げているが、僕自身、意識したことは浦和レッズといえばサポーターがすごいよと言われるが、そのサポーターの熱に選手が絶対に負けてはいけないと強く感じていた。
そのサポーターの思いより、もっと強い思いを持っていることをピッチで表現しなければならないと意識していた。
それだけすごいサポーターの思いを背負っていることを選手ひとりひとりが意識して、自覚して責任をもってプレーしなければならないことを、これから(浦和に)加入する選手、残る選手には意識してほしい。
言葉ではなかなか伝わらないし、意識できないかもしれない。
でもあの埼スタのピッチに立った時の心の高ぶりは常にエンブレムを背負って戦うときには意識してプレーしてほしい。
その気持ちで12年間、プレーできてよかった」
そうした思いを表現したのが、ピッチに立つ前、ユニフォームにあるクラブエンブレムをギュッとつかむルーティーンだ。
「チームのために走ると言い聞かせてピッチに入っている。クラブへの愛情は誰にも負けないと思っている。そうした意味を込めている」とした。
宇賀神といえば、背番号3。
ドイツに移籍する細貝萌(現:ザスパクサツ群馬)から引き継いだのがプロ2年目の2011年。当初は「重い番号」と話していたことを思い出す。
「いまもトークショーをして、3番を見つけるとHOSOGAI(細貝)と書いてあることがあるので(笑)。3番つけて11年。3番といえば宇賀神と言ってもらえるようなプレーは見せることができたと思う。3番への思いは強い」と愛着を語るともに「これから、ある選手に3番を引き継いでくれないかという話をしようとしている」と後継者指名を示唆した。いったい誰になるのか注目だ。
受け継いで欲しいのは背番号だけではない。
さきほど示されたサポーター以上の思いをもって戦うという気持ち。
「ヒラさん(平川忠亮コーチ)、(鈴木)啓太さん、(田中)達也さん、ツボさん(坪井慶介)たちのプレーや背中で感じたものをきのうの横浜FM戦で関根が見せてくれた。そうした気持ちをひとりでも感じてくれる選手がいたこと。それがこのクラブに自分が残せたこと。見ている人が熱くなるプレーをきのうの関根は見せてくれた」と同じアカデミー出身の関根貴大への大きな期待を寄せた。
シーズンは残りわずか。赤いユニフォームを着る機会はいよいよ限られてきた。
「浦和レッズの宇賀神として全身全霊を傾けたい」と約束した宇賀神。
今週、涙の会見が多かっただけに、宇賀神もか?と思われたが、「涙は来週(次節・清水戦)にとっておきたい。セレモニーもあるようなので、そのときかな」と語った。
「浦和レッズはサッカー人生そのもの」
この言葉に集約された約1時間の会見となった。
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