back

REDSニュース|“臥薪嘗胆”の遠藤航 “三度目の正直”の槙野智章|レッズプレス!!

top
“臥薪嘗胆”の遠藤航 “三度目の正直”の槙野智章




ロシアW杯を戦う日本代表に、浦和レッズから遠藤航と槙野智章が選出されたことを受けて、午後6時半から埼玉スタジアムで会見が行われた。約50分間の会見では、両選手からこの4年間への思いが語られた。

「目の前のことを消化しながらここまでやってきた」と振り返った遠藤航にとって、浦和に加入してからの2年半は臥薪嘗胆の日々だった。

湘南ベルマーレの主力選手だった遠藤は、16年に浦和レッズに移籍。リオ五輪では1次リーグ敗退の悔しさを味わい、世界との差を肌で感じた。この実感が遠藤の糧になった。

「リオ五輪組がA代表に入るために、個人能力をいかに上げるかにフォーカスを当てた。クラブでしっかり良さを出しながらアピールすることに加え、国際舞台での悔しい経験をずっとイメージしてきた」と悔しさをプラスのエネルギーへ変えてきた。

そして、その力をACLで燃焼させた。「日本人ではないほかの国籍の選手と対戦すること自体は間違いなくプラス。ヨーロッパの第一線で戦った選手が中国などに移籍してきて、個の能力を高めることができた」。

日々の練習や試合で培った場数で、遠藤はロシア行きの切符を手にした。

遠藤が“臥薪嘗胆”なら、31歳で初めてワールドカップの舞台に立つ槙野智章にとっては、“三度目の正直”だ。

サンフレッチェ広島時代、槙野は得点を取れるDF=“DFW”と自らを呼び、Jリーグを席巻。注目を浴び、代表に選ばれるまでになった。しかし、10年の南アフリカ大会、続く14年のブラジル大会と最終選考まで残りながら、いずれも本大会のメンバーに名前はなかった。

「なぜだ!?」と自分を責め、周囲に勝つにはどうすれば良いのか、何をすればいいのか。この8年、自分と向き合い、答えを探し続けた。

そして出た答えが、スペシャリストとなること。

「“DFW”と言っていたが、監督からすれば、いったいどこで起用すれば良いのか分からない。代表チームでいえば、ひとつのポジションの強みでいえば、二番手、三番手となってしまう」落選の理由を冷静に見極めた槙野は、ひとつのポジションに特化し、新しいDF像を構築した。

ペトロヴィッチ監督、そしてハリルホジッチ前代表監督の下、ボールを奪いに行く前に出る守備、自らアクションを起こすプレーを意識した。“意識は行動を変える”の言葉通り、専門家の下で走り方を修正。目指すべき姿、プレーをカスタマイズした。日々の練習や試合、そしてプライベートと、ピッチ内外で感じる刺激が槙野を大きく成長させた。

そして、辛口のハリルホジッチ監督から「ボールを奪いに行けるDFはなかなか日本ではいない」とお墨付きをもらうまでになった。

今回のロシア大会では3バックの左CBを担う模様だ。“左サイドは地獄”と表現したように、世界の強豪が襲い掛かるのは必至。しかし、槙野は「楽しみで仕方がない」と苦難上等の構えだ。

今回招集された23人のうち、海外組は15人。国内組は8人。今シーズン、J1・J2・J3の登録選手数は1586人(今年2月20日時点のデータ)の中から、8人しか選ばれない狭き門。つまり槙野にしろ、遠藤にしろ、浦和レッズの代表として、Jリーグを代表して戦うことになる。

「Jリーグで試合に出て、成長させてもらったからこそいまがある。これだけやれるんだというところを見せたい」(遠藤)

「Jリーガーが活躍することで、観客動員数、リーグへの注目は大きく変わる。イニエスタが来たことは喜ばしいことである半面、僕たちも見て欲しいという気持ちもある。自国でプレーする自分たちが外に向け、誇らしいリーグだと発信できるためには、国内組が活躍するのが一番」(槙野)

様々な人たちの思いを背負って戦うのが日本代表の宿命。いよいよ6月2日、日本を発つ。

(佐藤亮太)




(c)REDS PRESS