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REDSニュース|原口元気がゴール、2-1でサウジアラビア代表に勝利|レッズプレス!!

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原口元気がゴール、2-1でサウジアラビア代表に勝利

11月15日(火)、SAMURAI BLUE(日本代表)はホーム・埼玉スタジアム2002で、ロシアW杯アジア最終予選・サウジアラビア代表戦に臨んだ。サウジアラビアはグループ首位。同3位の日本代表にとって絶対に落とすことができない一戦は、19時35分にキックオフの笛が鳴った。

ヴァイッド ハリルホジッチ監督は攻撃陣の顔ぶれを大幅に変更。国際親善試合で活躍を見せたMF清武弘嗣、FW大迫勇也が先発出場。さらに、右サイドにFW久保裕也を配置し、左サイドに最終予選で3試合連続得点中のFW原口元気を起用した。

フレッシュな組み合わせとなった攻撃陣は縦に速い攻撃を仕掛けるも、コンビネーションがかみ合わず。原口は時折、天を仰ぐしぐさを見せた。25分過ぎからは、たびたびサウジアラビアに押し込まれる。26分、中央とサイドを繰り返し使われ、最後は後方から飛び出した選手がフリーになり、クロスボールを上げられたが、ことなきを得る。その後は、攻撃陣の攻守の素早い切り替えが奏功し、再び日本の時間帯となる。ボールを取られた後は、原口を筆頭にすかさずボール保持者に身体を寄せて相手の攻撃を遅らせるなど、攻守の切り替えの早さを見せた。

39分、大迫のシュートは枠外。42分、原口が大迫と入れ替わるようにボールをキープして、得意のドリブル開始。そのまま中央から右足でシュートに持ち込むも、枠を捉えられず。日本のリズムを戻しつつもあるも、1点は遠く感じられた。だが43分、清武が中央でボールをキープ。タメを作って右へパス。折り返しを再び清武が受け、中央からシュート。これがサウジアラビアのハンドを誘い、PKを獲得する。この判定にサウジアラビアは抗議の姿勢を示し、両者もみ合い状態となるも、45分、キッカーを務めた清武は冷静にPKを左すみに決め、日本に待望の先制点をもたらした。

1-0で迎えたハーフタイム、ハリルホジッチ監督は久保を下げ、MF本田圭佑を投入する。47分、大迫が下がったスペースに本田が走り込むも、オフサイドの判定となった。49分には左ペナルティエリア横からFKの好機を得ると、キッカー清武からのボールに中央で本田が合わせる。しかし混戦の中、ゴールに押し込めなかった。64分、清武を下げ、MF香川真司がピッチに入る。日本は72分、73分とセットプレーを含めて立て続けに相手ゴールへ迫ったが、ネットを揺らせない。78分、本田のシュートはGKによって阻まれた。

試合が動いたのは80分。GK西川周作が大きく前線の大迫へキック。大迫が落としたところを中央で本田が受け、原口との連係で左に展開。左サイドでは、サイドバックの長友佑都と細かくパスをつなぎつつ、長友の上がるタイミングを計った。そして裏に抜け出した長友の折り返しから好機が生まれる。こぼれ球に反応したのは原口。「日本のホームであり、(浦和レッズOBとして、かつてのホーム・埼スタは)ゴールのイメージがしやすい」と常々話していたが、この日も日本を勝利へ大きく導く値千金の得点を決め、2-0とリードを広げた。

試合は残り10分となり、リードを生かしたゲームメイクを行い、いかに勝点3を獲得するか。ベンチからの指示、ピッチ内の判断、全員の意識統一など、多くのことが求められる時間帯に突入するが、日本は攻めの姿勢は崩さない。そうした中、90分に失点を喫する。ナシル アルシャムラニのシュートを西川がセーブ。そのこぼれ球に反応したオマル イブラヒム オスマンのシュートは、ラインを割る前にクリアしたかに見えたが、ゴールと判定された。その後は身体を張ってゴールを守り、日本が2-1で勝利。グループ首位のサウジアラビアに黒星を付けた。得失点差がプラス1にとどまり、サウジアラビアとの順位を逆転できなかったが、予想通りに苦戦を強いられた中で、勝点3を得た意義は大きい。

《日本代表メンバー》
GK:西川周作
DF:酒井宏樹・吉田麻也・森重真人・長友佑都
MF:山口蛍・長谷部誠・久保裕也(HT→本田圭佑) 清武弘嗣(64分→香川真司)
FW:原口元気・大迫勇也(90+3分→岡崎慎司)

《得点》
45分 清武弘嗣[PK]
80分 原口元気

《原口元気》
ゴールは本当におまけみたいなもの。日本が勝つことが最大の目的だったので、そのために戦ったし、結果的に僕が点を取ったが、正直、それはおまけみたいなもの。良かったけれど、それ以外に大切なものはたくさんあるので、そこにばかりフューチャーせずにチームとしてやっていたこととか、すごくポジティブなものがたくさん見えたと思うので、そちらの方が大切だ。

(最終予選で4試合連続ゴールを達成したが?)気持ちはない。取りあえず勝ててホッとしている。そちらの方が大きい。ボールを取られた後の切り替えだったり、デュエルのところだったり、ボールを取った後のスピードアップにも良いところが出ていた。相手が余裕を持つ前に1つ1つ潰(つぶ)せていた。そこが一番うまく行ったポイント。切り替えた後に相手を見るのではなく、1歩詰めてボールを取りに行くことができていたし、監督が言っていたデュエルが発揮できた試合。ヘルタでやっている良さが出たと思う。

(ドイツのクラブに移籍したことで)守備力は上がっている。でも、きょうは自分だけではなく、守備が得意ではないキヨくん(清武弘嗣)も頑張っていたし、全員がやったからボールを取ることができた。チーム全員が頑張って、良いプレーがしていた。(大迫の)ボールの収まり方がすごいので、前を向いて仕掛けられるシーンがたくさんあった。もう1回うまく使えれば良かったが、日本にとって重要な役割をしてくれた。

自分の手応えはまだまだ。自分のクオリティーが高ければ、簡単に2点、3点入ったようなシーンもあった。ヘルタに戻り、ハードだが、そういうところにもっと磨きをかけたい。自分の役割とやりたいことがバランスよくやれている。身体も頭もフレッシュになれた。監督もしっかりと考えてくれた。ヘルタでのラスト2試合のパフォーマンスが良くなかったので、それを見てくれて(国際親善試合を)休ませてくれたのは大きい。

《西川周作》
年内最後の試合で勝って締めることができたのが大きい。前半は前から行こうと高い位置を取り、縦を狙う速いサッカーができていた。後半は少し相手にボールを持たせて、我慢強くスライドしながら相手のミスを誘ってからのショートカウンターをうまくやれていた。チームとして予選で手応えを感じられた試合だった。

失点は僕のところから見れば、ボール1個分は入っていないのではないかな、と思うが。(原口)元気の1点が大きかった。チームが勝ち、スタートラインに立てたことが良かった。5試合を経て最低限の勝点は取れたのではないか。(原口元気は)チームでも試合には出ているが、常に危機感を持っている。そのことは彼自身がよく話をするし、出るだけではなく、プレーの質にこだわり続けている選手であり、負けず嫌いなところは昔からある。その気持ち、常に高い気持ちで練習や試合をやっている分、レッズの時よりも間違いなく成長しているし、彼の守備力に後ろは助けられている。

(前線を狙うGKキックは)ターゲットがはっきりとしていたので、狙いどころも(本田)圭佑が入ったら行くよとか、うまく前が収めてくれていた。(本田投入は)想定内。彼は収めてくれる。サコ(大迫勇也)も前半から収めてくれる。後ろとしては助かる。今まで自分が外から感じていたことと、中で感じることは違うものがある。その経験ができていることは非常にポジティブ。所属チームでの決勝戦が待っている。キャンプもあるし、1つレベルを上げて帰ってきたい。

(有賀久子)



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