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REDSニュース|[代表]90+5分、山口蛍の劇的決勝弾で辛勝|レッズプレス!!

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[代表]90+5分、山口蛍の劇的決勝弾で辛勝

初戦のUAE(アラブ首長国連邦)代表戦で味わった敗戦という悪夢から1カ月。SAMURAI BLUE(日本代表)は、2018年に控えるFIFAワールドカップ出場権獲得に向け、10月6日(木)、ホーム・埼玉スタジアム2002に戻り、アジア最終予選第3戦・イラク代表戦に挑んだ。

2試合を終えて1勝1敗の日本。この試合の先発には、第2戦・タイ代表戦で得点を挙げたFW原口元気(ヘルタベルリン/元浦和レッズ)、故障で欠場したMF柏木陽介(浦和)が名を連ね、ゴールマウスは、MF柏木と同じく浦和から招集されているGK西川周作が守った。

開始3分で与えた左CKから、いきなり肝を冷やした。ニアサイドで競り合ったイラク代表FWサード アブドゥルアミールに頭で合わせられた。これが直接右ポストをたたき、日本は辛うじて救われた。日本は11分、中盤で柏木がマイボールにし、縦パス。そこから最後はMF清武弘嗣が力強いシュートを放つが、イラク代表GKモハメド ハミードの手ではじかれ、ノーゴール。

迎えた26分、試合が動いた。中盤でFW原口が守備でチームに貢献。ボールを受けたMF清武は一度、MF本田圭佑に預けると、MF本田の外側をスピードに乗って駆け上がると、返しをグラウンダーのパス。ニアサイドでFW原口が冷静にシュートを流し込み、待望の先制点が生まれた。前日の公式練習後の取材で「(会場の埼スタは)ゴールをイメージしやすい」と話していたFW原口による、地元で挙げた貴重な最終予選連続ゴールとなった。

前半のアディショナルタイムは3分。48分を指し示したところで、日本は左サイドを突破される。MF柏木が必死に追うも、クロスボールを許し、中央ではDF酒井宏樹が競るもシュートを許した。ここはGK西川が至近距離のシュートにしっかりと反応し、ゴールを割らせなかった。このあたりから、日本はセカンドボールが拾えなくなる。1-0でリードも、追加点を奪えずにいた日本に試練は訪れた。60分、日本はセットプレーから失点。何度もゴールに迫りながら、MF本田のシュートが左ポストをたたくなど、運に見放されていた中での失点に、重いムードが広がった。

MF柏木を下げ、FW岡崎を下げ、MF本田を下げ、ピッチにはMF山口蛍、FW浅野琢磨、MF小林悠が立った。スコアは1-1の同点のまま、アディショナルタイムは6分。手元の時計で5分を経過した時、日本は左CK付近でFKの絶好機を迎えた。キッカーは清武。清武が鋭くボールを入れると、ボールの跳ね返りを途中出場のMF山口が右足でとらえ、シュート。枠をとらえたシュートは、ゴールネットを揺らした。スタンドで取材中の日本代表OB勢も立ち上がって喜びを表したように、埼スタに集まった5万8000人近いサポーターの興奮が一気に高まり、最後まで歓声がやまなかった。

日本は内容の伴わない試合を展開したが、2-1とイラクに勝利を収め、最終予選2勝目を挙げた。中盤や最終ラインでのボールロストが多く、サイドバックの攻撃参加の少なさが目立った。試合後のミックスゾーン。見慣れた顔に、首をかしげて悔しそうな表情を見せたMF柏木。「久しぶりにサッカーをやっていて悔しいと思う試合だった。自分の良さを出し切れない試合展開だったが、自分のパスの質も悪かった」と猛省した。

《日本代表メンバー》
GK:西川周作
DF:酒井宏樹・吉田麻也・森重真人・酒井高徳
MF:柏木陽介(67分→山口蛍)・長谷部誠・本田圭佑(81分→小林悠)・清武弘嗣
FW:原口元気・岡崎慎司(75分→浅野拓磨)

《得点者》
26分 原口元気
60分 失点
90+5分 山口蛍

《西川周作》

良い試合の入りというか、先制点を取ったことで自分たちは優位に立てたところはあった。同点にされてからも、諦めることなく、こういう戦いがあると最終予選は本当に難しいなと感じるし、イラクとは1年くらい前に対戦しているが、その時とは違うチームだなと感じた。諦めない姿勢が、最後の蛍のゴールにつながったと思うし、あの瞬間のスタジアムの雰囲気は今まで味わったことのない迫力のある歓声だったので、みんなで勝ち取った勝点3かなと思う。少しセカンドボールが取れずに押し込まれてしまった。あるいは取られたボールに対して結構な回数でクロスボールを上げられたり、やられたり。そういう場面が多かったが、流れの悪い時に自分もそうだが、時間を作ってあげることを心掛けながら、早くプレーするところは早くする、めりはりを持ってやろうと思っていたので、うまい使い分けは何回かできたと思う。逆にもっとスピーディーにできた部分もあった。次に生かしていきたい。流れの中では危ない場面がない中で、最終予選の3失点は全てセットプレーからやられていることはチームとしては改善しなければいけない。考え方を変えれば、流れの中からはやられていないという点には自信を持ちながら、特に次はオーストラリア代表戦。高さもあり、パワーもある。セットプレーがまた1つのカギになると思うので、今、3失点はセットプレーだが、ポジティブに変えるチャンスなんじゃないかな。また、そういう相手をおさえることで自信になるし、こういう勝ち方をして強くなっていきたい。

《柏木陽介》
ボールが飛び越えることは多かったが、もう少し、何かできた。悔しいけれど、チームが勝ってくれて、それは非常に良かったと思うし、自分のプレーは納得行くものはなかった。前半は相手がきていなかった分、つなぐ部分では落ち着きをもたらしたり、何回か裏を狙うことによってチャンスを作れたりしたが、パスの質もあまり良くなかったし、久しぶりにサッカーをやっていて悔しいと思うような試合だった。全体的に裏を狙おうという意識はあったが、できれば、僕らボランチの位置から狙うのが理想だったけれど、相手も良いプレスをかけてきて、バランスも良かった。そこで後ろから狙うことを意識した。前回は裏へ狙わなすぎたので、意識してプレーした。自分の良さが出せない試合展開だったかなとは思うが、その中でもボールが来た時にはしっかりと自分のできるプレーはしないといけなかった中で、それができなかった。走りに関しては悪かったとは思わないが、セカンドボールとか、間を蹴ってきた時にボランチのところへ行けという指示で行って戻るところで、ハセさん(長谷部誠)を1人にさせすぎた。バランスがうまく行けず、セカンドボールを拾いきれなかったのが反省。

《原口元気》
きつかった。勝点3を取れて良かった。次も決められるように戦いたい。(得点場面のような)ああいう攻撃が形にならなかった。次はまた強い相手。きょうのようなプレーではやられてしまう。もっと良い準備をし、もっと良いプレーを1人ひとりがしなければ。

(有賀久子)



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