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REDSPRESS EYES|敦樹、日本代表の舞台で再会だ|レッズプレス!!

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敦樹、日本代表の舞台で再会だ

(有賀久子)



敦樹、日本代表の舞台で再会だ

8月14日(水)20時、浦和レッズから、伊藤敦樹のベルギー1部のKAAヘントへの完全移籍が正式に発表された。きのうは大原サッカー場では公開練習が行われたが、改めて敦樹の離脱を感じる瞬間になった。

刻一刻と変わる移籍市場の中で、敦樹に白羽の矢が立った。酒井宏樹に続き、第2代キャプテンもシーズン途中の移籍となって、当然ながら“異例”の声が挙がったが、敦樹は以前より、海外移籍でスケールアップさせたいと考えていたのは周知の通りだ。

アカデミー出身で、大学を経て、浦和レッズに加入。「このエンブレムを背負って闘うことの責任を日々感じてきました」この言葉は真実だ。同時に、浦和レッズの一員になったからこそ経験したACLや、チームでの活躍が認められて選出された日本代表を通じて、海外クラブでのプレーが現実味を帯びた目標になったのも事実。

そして今シーズンは、マティアス監督がチームの軸に据え、全試合に出場。今夏の、酒井移籍に伴う新キャプテン選考の中で、西川周作から「若い選手を」と推薦された時、敦樹に決定したことに異論はなく、むしろ多くの選手が背中を押した。

酒井はオークランドFC移籍時、アカデミー出身の敦樹や関根貴大、松尾佑介らにむけて「(アカデミー出身の)敦樹やタカ、松尾もそう。彼らが引っ張っていくことが大事だと思っていて」と話して「(自分のシーズン途中の移籍で)ちょっと急がせ過ぎた感はあるけれど、こういう状況だからこそ、みんなが支えあってくれると思う」と信頼をもって託していた。

今シーズン限りで引退を発表している興梠慎三は「そろそろ若い人たちのチカラが必要となってくる。それを含めて、今、コンスタントに出ている敦樹がキャプテンをやることはとても良いこと」と話していた。育ってきた環境としても、レギュラー選手としても、キャプテンという、チームリーダーを担えるだけの強い気持ちを敦樹は持っている、と誰もが認めていた。

伊藤敦樹という選手は、このクラブを応援する者にとって、唯一無二の、特別な存在であった。敦樹にとっても特別だった。それでも、新天地を選んだ。どれだけの思いをもって戦っているかは、今後の、彼のプレーを見続けることで伝わってくるはずだ。

同じ1998年生まれで、湘南ベルマーレの下部組織で育ち、浦和への完全移籍を決断した石原広教は「もっと大きくなって、浦和サポを喜ばせる活躍をして、(この移籍を)悪く言っていた人たちを結果で黙らせる、というか。そういうところは、これから本人にかかっているのかな」と話し、「行ける時に行くという、チャンスをモノにするというのは大事だ」と気持ち良く送り出した。

そう。今はただ、再び、代表のユニフォームに袖を通してプレーすることを願うばかり。できれば、その会場が埼スタであれば、なお良しだが。とにかく、1日でも早く実現させてもらいたい。すると、山田暢久が代表に選ばれた時ぐらいの高揚感を、サポーターに与えてくれるのではないか。
今回、J1リーグ終了時の、冬のウインドーではなく、海外カレンダーのシーズン移行時、夏のウインドーで起こった移籍話となり、キャプテン就任のタイミングからここまでの唐突感は否めなかったが、心の動きは、敦樹自身がコメントで伝えてくれた。それで少し、気持ちが落ち着いた方もいるだろう。

あとは、クラブだ。まもなくウインドーは締まる。フットボール本部が、どんな意図をもって移籍市場に臨み、どんな結果になったか。クラブにはもう一度、サポーターが抱く不安や疑念に触れるようなアクション、つまり補強の中間報告を願いたい。
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