(佐藤亮太)
浦和レッズレディースは本当に強いチームになりえたのか?
その答えは皇后杯決勝、しかも相手は近づけたようで近づけない、越えるに越えられなかった、いわば「ガラスの天井」のような存在である日テレ・東京ヴェルディベレーザに勝ち、今季2冠目を手にすることで証明される。
昨季、そして今季と森栄次監督のもと、ポゼッションで相手を圧倒するサッカーをチームは貫いたが、これまでベレーザに跳ね返され続けた悔しさを受けてか、森監督は「勝ちにこだわりながら、もしかしたらいままでのスタイルを変更しなければならないことを視野にいれている」と述べている。きれいに勝つなんて毛頭なく、すべてをかなぐり捨てて勝ちにいく覚悟が感じられる。
この一戦に関しては負けて得るものなし。勝ってこそ得るものがあるといったところだろう。
一方、ベレーザは主力の移籍やケガで不振のシーズンとなったが、MF長谷川唯を中心にうまさと怖さのあるチームに変わりはない。
大事なのは相手より先に1点取ること。そしてできるだけ早い時間帯で取ること。
当たり前なことをわざわざ記すのは、同じカードとなった前大会の皇后杯決勝で7分、ベレーザに先制され、これが決勝点となったからだ。
首尾よく点を取り、良い守備で試合の主導権を握ったほうが優勝に近づける。
かつての教え子たちがいるベレーザを山にたとえ「ひとつの山を越えると本物になれる」と森監督。
さぁ、あともうひとつだ。
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