昨年の忘れ物を取りに行く!
2年連続皇后杯決勝に進んだ浦和レッズレディース。
あさって29日(火)京都府亀岡市にあるサンガスタジアム by kyoceraで行われるファイナルを前にきょう27日(日)、森栄次監督をはじめ、DF南萌華、GK池田咲紀子、MF塩越柚歩がオンライン会見に出席した。
相手は皇后杯3連覇を狙う日テレ・東京ヴェルディベレーザ(以下・ベレーザ)。ベレーザとは今季リーグで1勝1敗の五分(3節1−0・14節2−3)の戦績だった。
決着をつけるには持ってこいの舞台となった。また奇しくも昨年と同じ12月29日に行われるのだから運命的だ。
試合を前に森栄次監督は「どういう形で戦うか模索中」とし「勝ちにこだわりながら、もしかしたらいままでのスタイルを変更しなければならないことを視野にいれている」「相手の良さを消す時間帯もある」とベレーザ対策を練りに練っている様子。試合のテーマを「個を封じること」とした。具体的な名を挙げてFW小林里歌子、そして準決勝でハットトリックを達成したFW遠藤純とともに、球出しや一歩の速さ、それに裏への飛び出しが特徴である中盤の支配者MF長谷川唯をもっとも警戒した。
ここまで来たら、「今季見せてきたサッカーを見せれば良いのでは?」と思うが、そうもいかない事情がある。
それはコンディション面。
準々決勝を振り返るとベレーザが19日にカンセキスタジアム栃木で行われた一方、浦和は20日、雪の降りしきるユアテックスタジアム仙台で戦った。
準決勝までの日数や天候、移動距離で違いがある。
さらに準決勝はベレーザが90分内で勝ったが浦和は120分で決着つかずPK戦までもつれ込んだ。
森監督は「準決勝をフルタイム出場した選手は足にきている」と様子を話すなど疲労の蓄積と回復具合が心配だ。
そのため、決勝までの2日間は戦術確認とともにコンディションの回復に充てられそうだ。
ただ泣いても笑ってもあと1試合。
さらに相手はベレーザとなれば、リベンジの思いは強い。
「ユースのときからメニーナ(ベレーザの下部組織)と対戦するときは決勝戦のつもりで戦えと言われてきた。毎回、決勝で敗れるようでは浦和の名として恥ずかしい。勝利することに意味がある」と今大会でゲームキャプテンを務めるDF南が言えば、GK池田は「今年、このメンバーで優勝したい気持ちは強い。決勝戦の相手としてはやりがいのあるチーム」と話すとともに前回の対戦を振り返り「早い時間(前半7分)に失点したので、試合の入り方がポイント。ベレーザには素晴らしい選手がいるので、一瞬でもスキを与えるとやられてしまう。試合の入り15分に気を付けたい。同じ相手にはやられたくない」と強く語った。
コンディションの問題はある。ただ、ここまで積み上げたものは浦和にはある。
ことしを振り返れば、大量得点での試合は少なく、1点差ゲームを制した、粘り強さだ。
苦しい状況だが、だからこそ見えるものがある。
「ひとつの山を越えたら、本物になれる」(森監督)
頂(いただき)のむこうには新・女王時代の到来が待っている。
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