慌てず騒がず、大和の奇襲を一蹴
2−0での完封勝利。森栄次監督が言うように得点は2点しか入ってないが、内容などを見ても浦和が1枚も2枚も上。順当な勝ち上がりだと言える。
今回の試合になったのはすべて、1点目が入る18分間のチームの振る舞いにある。
序盤、いっちょ食ってやろうと功名心むきだしの大和。ボールを奪ったら前線にボールをすぐさま供給し、勢いよく浦和陣内に進入。守備陣が整いきる前にゴールを決める、そんな狙いだったろう。
一方、浦和は少々面食らったのかやや攻め急いだ感はあるが、12分頃、GK池田の「焦らなくても大丈夫」の声に押され、慌てず騒がず、大和の奇襲を一蹴。
首尾よく、しかも早い時間たちで1点目をあげた。その落ち着きぶり。そして試合を読む力たるや。伊達にリーグ優勝していない。それもリーグ戦、圧倒した試合ばかりでなく、1点差をモノにしたからこその芸当だ。
昨年のあたま。あるいはおととしのチームなら、結果勝つには勝ったとしても追いかける展開になっていたかもしれない。そう考えると本当にこのチームは強くなった。
得点シーンもそうだ。大和はペナルティーエリア付近で人数を固め、必死の守備にまい進したが、1点目にしろ、2点目にしろ、組織と個人技が相まったゴール。特に2点目はストライカー・安藤梢を思い起こされる見事な左足ボレー。本人はチームのおかげと謙遜するが、年齢なんてなんのその。安藤はまだまだ見せてくれる。
さて準々決勝の相手は難敵・千葉。途中出場したFW菅澤やMF柴田も回復傾向にあり、陣容は揃いそうだ。
「皇后杯は負けたら終わりの大会。それだけに難しいゲームだが逆にプレッシャーを感じず、いつもどおりのサッカーができている。リーグ優勝の自信でより一層、軸となるサッカーを体現できている」
柴田の代わりにキャプテンマークをつけたDF南の言葉を追い風に杜の都・仙台に乗り込む。
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