2018プレナスなでしこリーグ第11節・マイナビベガルタ仙台レディース戦=試合展開、コメント
仙台に1−0で完封勝利!次節は首位ベレーザ戦
9月16日(日)、浦和レッズレディースは7月8日(日)以来のホーム・さいたま市浦和駒場スタジアムでの公式戦に臨んだ。2018プレナスなでしこリーグ1部・第11節の対戦相手は、マイナビベガルタ仙台レディース。
今季、仙台は前節までに勝ち点9にとどまり、10チーム中8位と勝星に恵まれていない。だが、底力はある。浦和は、仙台の前に早くロングボールを多用する特長を警戒しながら、相手に合わせず、しっかりと繋ぐ意識を持ってキックオフを迎えた。
現浦和はリーグ再開試合となった前節のジェフユナイテッド市原・千葉レディース戦から[4−1−4−1]の布陣で臨み、堅い守りと中盤に人数をかけた攻撃を狙いとしている。前節は相手が前に出てこず、スペースが少なく攻撃で苦戦。守備陣が危険な時間帯をしっかりと締めてスコアレスドローで終えることができたが、勝ち切りたい1戦だった。9月22日(土)には首位の日テレ・ベレーザとの直接対決を控え、続いてINAC神戸戦となる。それだけに今日の仙台戦、ホーム浦和駒場スタジアムでの勝ち点3は絶対だった。
前半の入りは良かった。[4−1−4−1]の布陣は、アンカー柴田華絵と佐々木繭の位置どりの関係で、まだ[4−2−3−1]に見える時間帯が多いが、前節よりもパスや連携面で、1トップの菅澤優衣香へのフォローは増えたように感じられる。きょうは前節からの準備期間でケガなどのアクシデントがあり、先発の顔ぶれは変わっている。
4バックのCBにはU−20日本女子代表の南萌華と高橋はなが入り、2列目の右には攻撃面でのアクセントを期待されて安藤梢が先発出場。彼女たちはそれぞれの役割を十二分にこなし、効果的な働きを見せた。南は冷静かつ身体を張った守備を、高橋は運動量を生かして何度もボールを持ち運んで攻撃陣と絡み、9分には先制点につながる守備の裏を突く良質なパスを菅澤に送った。
9分、その高橋のパスを受けた菅澤は相手DFよりも先に身体を入れてペナルティエリアへ進入。相手は思わず倒してPKを得た。これを菅澤が冷静に決め、1−0と先制に成功した。
その後は[4−1−4−1]が[4−2−3−1]になってしまう弊害か、後方に重たくなり、攻撃にかけられる人数が限られ単調に。相手に怖さを与えることができないまま後半へ。後半になると、仙台が先にチームを整え、浦和は防戦一方の状況が長く続いた。守備陣は何度も何度もクリアし、ゴールから遠ざけるも仙台ペースに。最後まで集中力高く、よく守りきったと称えたいほどだ。いつやられてもおかしくはないが、無失点にこだわりを持って全員が身体を張ったからこそ、10分の先制点が結果的に決勝点となり、浦和は1−0で完封勝利を果たした。
内容は改善点が多いが、残りの試合を考えれば、内容よりもまずは結果重視。弾みをつけて、次節、アウェイでの日テレ・ベレーザ戦を迎えられる。
《石原孝尚監督》
立ち上がりから良い形で試合に入ることができて、先制点を良い形で取れたが、後半に入り、少し相手のパワーが増した時に自分たちが押しこまれる時間帯はあった。ただ、リーグ戦が再開し、しっかりと守備をやりながら勝ちきるという意味では、最後まで選手たちも強気に粘っていけた。それは良かった。
前半はチャンスを作りながら、ゴール前でも脚を振れている状態だったので、あとは決めきればという状態だった。後半は少し向こうが修正した中でうまくいかないというか、らしくない時間があった。そこは落ち着いて、今週にトレーニングして、ベレーザ戦に向かっていきたい。
(U−20日本女子代表世代の先発について)南と高橋がああいう風に試合に入って、彼女たちの良いエネルギーというか、明るさだったり、そういうところは良い影響を与えてくれている。プレー面もそう。きょうのゲームは2人とも安定したプレーもしてくれたので、とても良かった。
(次節に向けて)ベレーザがこのあと勝っていれば、負けたら終わりみたいな状況。選手たちも、それは分かっている。そんなに気負わず、しっかりと全員で勝ちきって優勝に向けてやっていきたい。
《佐々木繭》
勝ちきれたことは良かったが、得点もPKという形だったし、もっとゴール前のシーンを増やしていかないとこれから厳しい。([4−1−4−1]で)1トップなので、相手のDFの裏に2列目から抜けるところは意識してやっているが、運動量が後半になると落ちてしまう。そこは自分の課題かなと思う。(中盤で身体を張ることは)自分の持ち味なので、もっと出していきたい。
(次節の日テレ・ベレーザ戦にむけて)また違う戦いになると思うが、カップ戦で1度勝った時のように、チームの集中力が一番大事になってくる。声を掛け合い、また勝ちたい。後半は押し込まれたが、その中でもしっかりと対応して、コーナーキックやセットプレーとか、ボールがきれる度に声を掛け合ってプレーできたので良かった。
《高橋はな》
無失点で勝てたことは大きいことだと思うが、チームとして、もっとできたことがあったと思うので、そういう課題は次につなげていきたい。前半に点を取ることができたのは本当に良かったと思うが、後半は結構攻められる時間帯も多かったし、こちらにもチャンスはあったので、決めきる力というのをもっとつけられれば良かったなと思う。
サイドバックでの出場だったので、スペースはたくさんあった。そこでの攻撃でも守備でも、左サイドを支配するくらいに走ろうと思っていた。でも攻撃で仕掛けて、もっといけた部分があったので、そういうところは今後につなげていきたい。
(次節にむけて)なでしこジャパンの選手もたくさんいるし、レベルが高いチーム。でも、そこに勝っていかないと優勝というのはないと思うので、しっかりと勝てるようにチームで準備していきたい。
《栗島朱里》
前半の入りは良かった。でもやはり、後半に押し込まれていたシーンが長く、そこは課題。後半、自分たちは前半同様にパワーを持っていかなければいけないし、流れの中から点を決めていないので、次は決めたい。
(次節に向けて)粘り強く戦うこと。ディフェンスラインの自分たちが無失点に抑えなければ。(CKは)今週に結構練習して蹴ってきていた。やはり、CKとかで点を取りたい。点に繋げたい。
《菅澤優衣香》
90分を通して、しっかりと無失点に抑えられたということと、しっかりと勝ちきれたところは良かったと思う。(得点シーンは)高橋はな選手から、何回か中を見てもらって蹴ってもらうというプレーがあり、そのシーンもうまく蹴ってもらい、相手よりも先に身体を入れて、倒されればファールだし、倒されなくてもシュートを打つことができたチャンスだったので、そこでしっかりとPKをもらえたというのは良かった。そのPKもしっかりと落ち着いて決めることができたのは良かった。
(PKは得意?)嫌いではない。
(追加点について)何回かゴールに向かうチャンスはあったが、そこを決め切ることができるか、できないかで、試合の流れは変わると思う。決めていれば、もう少し楽な試合展開になったと思うので、自分を含めて、チーム全員で修正をしていかなければいけないところなのかなと思う。
(ハーフタイムの監督からの指示について)守備面は前半のままでと言われ、攻撃の部分で自分たちが焦りがあったので、そこは落ち着いていこうという話はあった。FWなので、しっかりと点を決めて、チームに勢いをつけられるように頑張りたい。
(有賀久子)
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