2018プレナスなでしこリーグカップ1部Aグループ第9節 日テレ・ベレーザ戦=コメント
《石原孝尚監督》
しっかりとマークを取ってプレッシャーをかけながら、当然4−4−2でやると相手とのミスマッチが起こるが、スペースと人のところを意識しながら、守備を重ねた。トレーニングでは出来ていたので、そこはあまり心配していなかったというか、1回、2回はピンチがあるかなと思ったが、そこは本当に粘りながら、こちらもチャンスは作れると思っていたので、どちらかが決めるゲームになるかなと見守っていた感じだった。
ヘディングに強い選手もいるし、良いボールが入ればと思っていた。長船は久しぶりだが、しっかりと当てることができた。逆にコーナーキックは向こうもいろいろとやってくるチームだったので危ないシーンもあったが、しっかりと粘っていけたのは良かった。
(前後半の守備について)高い位置で奪いたいとか、ゲームをコントロールしたいとか、そういう想いが選手たちにあったので、本当に高畑が後ろでしっかりとコントロールしていた。時間帯やプレーの状況によってラインの高さをしっかりとコントロールできていたので、良い守備から良い攻撃へつながったのかなと思う。今週も意識してやってきたこと。(猶本)光がいるとそこでしっかりと声も出せるし、安藤を1つ下げたことで、前の選手はコントロールできるなと思っていたので、その点で安藤は守備も攻撃も頑張ってくれた。
サイドバックの選手たちも1対1がなかなか難しい状況の中で、しっかりと消しながら粘れていたのかなと思う。
(相手のシュート数を見たときの手応えは?)ベレーザもストレスを感じていたのと、ベレーザが行きたいところをしっかりと消すことができていたので、選手たちがやり切れたのかなと思う。ベレーザなので、きょうはボールを持たれることを覚悟していたというか、危ないところは吸収して消そうという話をしていたし、相手の田中美南、植木理子もしっかりと抑えられたと思う。もう少し早く何かしてくるかなと思ったが、そこは選手たちがよく頑張ってくれたと思う。
(相手の左サイドバックへの対応について)栗島朱里が本当にうまく対応していた。あとは前に柴田華絵がいるので、2対1の作り方で今まで何試合か一発で取ってやられたシーンがあるので、その行くところと吸収するところの判断は木崎あおいも含めてとても良かった。長船加奈と高畑志帆の我慢の仕方と、田中美南を抑えるところでしっかりと勝てていたところ、そのカバーのところに早く入れていた。それは前の選手たちのカバーが早かったこともあるが、とてもスムーズだった。
(攻撃は)前半から菅澤優衣香や白木星が抜け出ていたところを、マイナスだったり、前向きな選手を使うところでバタバタしてしまった。カウンター狙いではないが、ボールを奪ったら大胆にゴールを目指そうという話はしていた。今まで作りの部分、ビルドアップに時間がかかるところがあったが、自分たちはボールを奪ったら積極的にゴールを目指せていた。
こういう試合、とにかく(猶本)光のこともあるし、ベレーザには負けたくないと選手は思っているだろう。ただ、彼女が良い形でチャレンジできるというのは選手たちも喜んでいたと思う。(抜けた穴は)逆に1枠新しい選手が入ってこられるので、心配していない。ただ、彼女だからできる仕事というのもある。システムやメンバーの組み合わせは新しいことをチャレンジしていきたい。若くて元気な選手がいるので、より良くなるくらい、そういうチームにしたい。
《柴田華絵》
試合の入りはどんどんと前から行こうと話をしていたが、相手はやはり上手いので、たぶん途中ですぐに(前から)行けなくなる。そうなったら、しっかりとブロックを作ってと話していた。焦れずに(ボールを)回されているのではなく、回させているという気持ちの持ち方でしっかりと戦えば大丈夫だよという話をしていた。それが良かったのかな。
先制した時も、やり方を変えずにしっかりとブロックを作ってやろうと話をしていた。2点目はタカ(高橋はな)が1人で行ってくれたもので、ラッキーな部分はあったが、2点目が入ったことでもっとやりやすくなったというか、うまくゲームを運べた。失点しなければゲームの中でチャンスがあると言っていたので、焦れずに90分間できたということが、このゲームの収穫かなと思う。
CKやちょっとしたカウンターとか、絶対にチャンスはある。そこを決めるか、決めないかもあるが、今日は失点をゼロで抑えたことが大事だった。円陣のところでは、(猶本)光に一言言ってもらった。「じゃあ光どうぞ」と。光がいなくなるが、その分また違うレッズレディースというチームのいろいろな面が出ると思うので、そういうところを生かしながら後半戦に向けてやっていきたい。
(高橋はなのゴールは)良いゴールだった。きれいだった。やっぱりああいうタイプは速いし、強く行けるので、そういうところを生かしていきたい。紅白戦はバチバチするので、お互いに点が入ったり、全然どちらが勝つとかもないので、それが良いのかもしれない。
≪猶本光≫
セレモニーでのコメント
この試合を最後に、ドイツのFCフライブルクに移籍することになりました。移籍の理由についてのコメントはたくさん出しているので、みなさんに直接どうしても伝えたいことを話したい。アンダー20女子ワールドカップでわたしを知って、そこから応援してくださった方も多いと思いますが、当時はあまり実力もないのに取り上げられたりして、もうやめてくれ〜と思ったこともありました。ここまでブレずに来たのは皆さんが私のプレーを見に来て、応援してくれたからです。
実は試合後のファンサービスでみなさんと会って、話をする時間はとても楽しみでした。声をかけて応援してくださった方、仕事を休んで遠くから応援してくれる方、孫のように応援してくれる方、いつもサボテンをくれるサボテンおじさん。サインをしたらすごく喜んでいる少年少女たち。そして、見るたびに成長するちびっこたち。勝ったときは一緒に喜んで、負けたときは一緒に悔しがってくれて、背中を押してくれて、ガンバレ!と背中を押してくれてありがとうございました。
これからまた新たなチャレンジが始まります。6年前には、いまの自分になれるのは予想できなかった。これからまた、いまの自分では想像できないような自分になれるように、毎日サッカーに集中してもっと成長していきたいです。これからも温かく見守ってください。行ってきます。
囲み取材でのコメント
今シーズンはベレーザには勝てていないので、どうしても勝ちたいという、いつも通り(の気持ちだった)。いつも通りやれたらな良いなと思って(試合に入った)。
CKはフネちゃん(長船加奈)がうまく合わせてくれたが、あちら側のCKは得意ではなく、練習していたので良かった。今日はみんなで無失点、ワンチャン作戦を考えていたので、うまくいって良かった。
(ベレーザ相手の完封は)最高だった。(相手のシュート数を見ると)うまくいっていた。ボールを回されているというよりも、回させているという風に、みんなで共通意識を持ってやろうとしていたので、(ボールを)持たれても大丈夫という声がピッチで出ていた。
(最後の時間の使い方も、誰かがリーダーシップをとるというよりも)いろいろな選手が言っていたし、ベレーザ相手に2試合の教訓を生かしてというか、みんなでこうやろうと言って出来たので良かった。
(勝って、旅立ちは)実際に厳しいゲームになるかなと思っていたが、みんなで同じ絵を描いてプレーできれば、サッカーってこんなにパワーが出るというか、それがチームスポーツなので、そういうのも感じたし、そういう意味で最高だった。
(スピーチにもあったが)ファンサで1人1人話をするのがとても楽しくて、自分はそこで元気をもらっていたなと思う。
(ドイツは)展開が早そうだなと思う。先にポジションをとらないと追いつけないというか、テンポに合わなくなるかなと。チームのテンポを感じながら、ポジションを先に取れるようにしたい。
上の選手にはレディースをどんどんと引っ張っていってもらいたいし、若手には伸び伸びと自分を伸ばしていって欲しい。きょうもタカ(高橋はな)が決めたように、ああいうプレーをどんどんとして、チームの中心になっていくような若手が増えたらいいなと思う。1年後は全然分からない。毎日成長したい。
≪木崎あおい≫
前半も裏の警戒をしていたが、後半も足の速い選手が投入されて、フォーメーションも変わった。なので、集中を切らさないように、絶対にやらせないようにした。久しぶりの完封。ベレーザに勝てたのは久しぶりで本当に嬉しい。
(猶本選手について)光さんは自分がユースの頃から知っていて、当時からレッズの中心選手というイメージ。一緒にやってみていろんなことを教えてくれて、一緒にボランチを組んだときも声をかけて頂いた。ときに厳しい言葉もあったが、普段はムードメイカー。大きな存在だった。
≪栗島朱里≫
本当に無失点は嬉しい。ベレーザはサイドバックの裏を狙ってくるチーム。1対1で対応していても、フネさん(長船)、ハナさん(柴田)も戻って対応してくれたので、守りやすかった。
(逆転負けした前回対戦との違いは?)守備では前からかけようとしたが、チャンスが来たのに決めきれなかった。今回は行くときは行く、行かないときは行かないと見極めた。ボールを奪われても粘り強くやろうとした。
(猶本について)光さんは人一倍向上心があって、サッカーが大好きで本当に尊敬できる。光さんは大好きなので、いなくなるのは寂しいですが、ドイツでの活躍を願っています。
≪安藤梢≫
(猶本は)これからなので、楽しみの部分が強いと感じた。自分は試合前、一緒にここでボールを蹴るのは最後だなと思い、アップしていた。自分は試合を楽しんで、光自身も楽しんでやっていたと思うので良かった。
(海外で活躍する秘訣は)まずは向こうのサッカーを知って、自分をアピールするか、考えてやること。たくさんありますが、食事もコミュニケーションも全部。光のことを誰も知らないところから勝ち取らなければならない。味方やサポーターから信頼されるプレーをしなければならない。120%を出してほしい。試合に出るにはまずは練習から。頑張って走る、戦う、身体を張ってスライディングをして戦うとか、ゴールを決める、アシストをするとかが必要になってくる。心身ともに強くなって欲しい。
≪長船加奈≫
(ゴールシーンは)どちらかというと、猶本選手のボールに合わせたような感じだった。
守備で90分間を通して集中できた。今シーズンは2試合日テレ・ベレーザとやって、1試合目は前から行けずに相手に思うように回されて、引かざるを得なかった。その点を修正して挑んだ2試合目。前からどんどん行ったが途中で体力的にキツくなって、できなくてなって押し込まれた。1試合目、2試合目の課題をうまく取り入れられた今日の3試合目。前から行く部分は強く行って、かわされたらうまく引いて戻って、自分たちが主導して試合を進められた。みんなでコミュニケーションを取りながらできたのが大きい。だれと組んでも声をかけあって、お互いの良さを守備で出し合っている。
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