2−2引き分けも2位通過で決勝Tへ
2016プレナスなでしこリーグカップ1部 Bグループ最終節。8月7日（日）、浦和レッズレディースは決勝トーナメント進出をかけて、得失点差で3位のAC長野パルセイロ・レディースとの直接対決に臨んだ。浦和は他会場の結果も絡むが、引き分け以上で準決勝進出へ大きく前進する。90分間のゲームの進め方が重要だった。
17時キックオフも、ホームの鴻巣市立陸上競技場（埼玉県）は照りつける太陽と高温の厳しい状況での戦いが強いられた。序盤、浦和はAC長野のFW横山久美、元浦和のFW泊志穂、さらに同じく元浦和のMF齊藤あかねの圧力に苦戦した。その中でボールの動きが停滞し、ベンチの吉田靖監督からは「慌てるな」、「ボールを動かせ」と声がかかった。
試合は15分にAC長野の先制点で動いた。右サイドからAC長野のMF児玉桂子が入れたクロスボールに遠いサイドでFW泊が頭で合わせ、浦和から1点を奪った。この時点でAC長野が2位浮上。劣勢に立った浦和。だが、きょうは慌てなかった。次第にサイドチェンジを行えるようになると、スペースがある右サイドを中心に攻撃を展開し続けることができた。
特に右サイドバックのDF栗島朱里は前節のベガルタ仙台レディース戦の反省を生かし、高い位置取りを意識的に行った。栗島が駆け上がることで、前めのMF柴田華絵との距離も近くなり、互いに個を生かして果敢に攻め上がった。28分、MF柴田の縦パスにFW白木星が関わり、最後は主将のFW後藤三知が合わせ、シュート。ゴールネットを揺らす大きな仕事を果たし、同点とした。
続く34分には、セットプレーをモノにした。ゴール中央左からのFK。「得意の位置」とキッカーをボランチのMF筏井りさが務めた。筏井のシュートはバーを直撃。そのはね返りのバウンドを、FW白木が頭で押し込み、2−1と逆転に成功した。FW白木は得点以外にも運動量を上げて前線からプレスをかけ、途中交代までの間、チームを助けた。
後半、試合を決める次の1点を狙う浦和だったが、ゴールに迫るも得点奪えず。反対に62分、AC長野のFW横山に体を張ったプレーから点を奪われ、試合は振り出しに戻ってしまう。ここで他会場では1位のベガルタ仙台レディースがアルビレックス新潟レディース相手にリード。浦和は2−2の引き分けでも得失点差でBグループ2位となり、決勝トーナメント進出を確定させることができる。
ベンチは動き、65分、脚をつった右のDF栗島を下げ、DF塩越柚歩。まずはそのまま右に位置する。73分には逆サイドの北川ひかるも脚を攣り、DF遠藤優を投入。DF遠藤が右に位置し、DF塩越が左に移動した。76分にはFW後藤を下げ、DF高畑志帆を投入し、5バックへ。「もう1点も相手に与えない」という監督からの指示は、この交代で明確になった。
81分にはFW白木を下げ、FW山守杏奈を起用。アディショナルタイム5分のラストには、MF加藤千佳を下げ、MF木崎あおいを起用した。こうしてフルに交代枠を使った。勝たなければグループリーグ敗退が決まるAC長野は最後まで粘り強さを見せ、セカンドボールをほぼ拾い、浦和陣内でプレーした。浦和はGK平尾知佳をはじめ、体を張って失点を阻止。
試合終了。浦和はBグループ最終節を2−2の引き分けで終えるも、得失点差でAC長野を上回り、2位通過を決めた。8月27日（土）、千葉県立柏の葉公園総合競技場にて19時からAグループ1位通過の日テレ・ベレーザと対戦することが決まった。吉田監督は「日テレは今、間違いなく一番強いチーム。胸を借りるつもりで戦う」と語った。（有賀久子）
2016プレナスなでしこリーグカップ1部 Bグループ 第10節（最終節） AC長野パルセイロ・レディース戦
日時：8月7日（日） 17:00キックオフ
会場：鴻巣市立陸上競技場（埼玉県）
試合終了：2対2（前半2対1）
主審：宮崎真理
副審：小関広幸・坂本正志
第4の審判員：原道代
《浦和レッズレディース》
GK：平尾知佳
DF：栗島朱里（65分→塩越柚歩）・乗松瑠華・長船加奈・北川ひかる（73分→遠藤優）
MF：柴田華絵・筏井りさ・長野風花・加藤千佳（90＋5分→木崎あおい）
FW：後藤三知（76分→高畑志帆）・白木星（81分→山守杏奈）
《SUB》
GK：池田咲紀子
FW：高橋はな
監督：吉田靖
□得点□
12分／泊志穂（長野）
28分／後藤三知
34分／白木星
62分／横山久美（長野）
◆お知らせ
『レッズプレス！』メルマガ登録受付中
・・・・・・