低迷浦和の救世主なるか
うまくいっていないときほど、ちょっとした成功体験にすがるものかもしれない。
最下位に沈む浦和レッズレディースは奇策に出た。本来の4−4−2から3−5−2に変更し、試合に臨んだ。理由は長野FW横山久美対策と前節・新潟戦である程度、機能したことのふたつ。長野戦に向け、1週間かけ、トレーニングしたが、急増布陣に手ごたえと同時に戸惑いを感じる選手が多く、チグハグした印象がピッチから見てとれた。
付け焼刃は否めず、前半19分の失点を機に弱気の虫が出始め、攻守ともに機能不全となった。後半、4−4−2に戻し、主導権を握ったが、そのキッカケとなったのが55分に投入されたFW山守杏奈。今年3月、筑波大学から強化指定選手として加入。練習中のケガで離脱したが、第5節 岡山戦以来の7試合ぶり出場となった。「流れを変えるのは大前提。点を決めるのが自分の仕事」という突貫FWは裏に裏にどんどん入り込み、攻撃にみずみずしさと、得点の予感を与えた。
山守の登場に長野・本田美登里監督は「吉良や白木は裏にキュンキュン抜ける選手ではないが、山守みたいな選手が入って、少々、慌てた」と長野にとって山守は脅威となった。さらに、猶本光は長野戦の収穫は?の問いに「(山守)杏奈くらいじゃないですか。チームの良いアクセントになり、チームとして良い武器になる」と期待を寄せた。同タイプのFW清家貴子が長期離脱のなか、低迷する浦和に山守が救世主になる可能性を大きく秘めている。
またDF北川ひかるは右サイドから右イドバック、FWと3つのポジションをこなし、山守同様、果敢なプレーを披露した。
運動量豊富に攻め上がりながら、執拗な守備で相手の攻撃の芽を摘み、見ている人に伝わるプレーを見せたのが印象的だった。ただ、後半アディショナルタイムで負傷交代。ケガの箇所と程度は不明だが、軽傷であることを願うばかりだ。
来週からなでしこリーグはカップ戦が始まるため、一時中断。次節は9月11日アウェー 大阪高槻戦となる。カップ戦では「さまざまなことにトライしたい」と話した吉田監督。
リーグ戦残り7試合。1部残留のため、基本戦術の確認・徹底並びに選手の選択を改めて行う良いキッカケにしてほしい。(佐藤亮太)
2016プレナスなでしこリーグ1部 第11節 AC長野パルセイロ・レディース戦
日時:5月28日(土)13:00キックオフ
会場:浦和駒場スタジアム(埼玉県)
試合終了:0ー1(前半0ー1)敗戦
主審:松尾久美子
副審:吉澤久恵・渡邉昌子
第4の審判員:堀川うらら
《浦和レッズレディース》
GK:平尾知佳
DF:乗松瑠華・高畑志帆・長船加奈・北川ひかる(90+2分→後藤三知)
MF:塩越柚歩・筏井りさ・猶本光・柴田華絵・
FW:吉良知夏(77分→臼井理恵)・白木星(56分→山守杏奈)
控え
GK:池田咲紀子
MF:栗島朱里・加藤千佳・長野風花
監督:吉田靖
□得点□
19分 横山久美(長野)
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