前半はプラン通りも、追加点が奪えず
3月27日（日）、浦和レッズレディースは味の素フィールド西が丘（東京都）で2016プレナスなでしこリーグ1部の開幕戦を迎えた。対戦相手は、昨季優勝クラブの日テレ・ベレーザ。
吉田靖監督は昨季からの「4−4−2」のシステムは変更せず、若干配置を動かした。ボランチを、昨季までの攻撃と守備の縦関係から並列させ、中盤に厚みを持たせた。新たにMF猶本光と組んだのは、複数のポジションをこなす中でボランチが本職となるMF栗島朱里となった。そして、今季、ジェフユナイテッド市原・千葉レディースから移籍加入したMF筏井りさは中盤の左で先発出場。同サイドには、昨季まで特別指定選手として出場していたDF北川ひかるが位置した。
全体をコンパクトにし、高い位置でボールを奪って日テレの特長を消しに掛かった浦和。日テレDF岩清水梓が「（前半は）浦和の方がハードワークだった」と認めるほど。豊富な運動量で立ち上がりから飛ばし、その中で迎えた7分、試合を動かした。
中盤でマイボールとすると、すかさず右へ展開。スペースに走り込んでいた右サイドバックのDF乗松瑠華にボールが渡り、乗松はゴール中央へクロスを入れた。ニアサイドに1人味方選手がいたが、中へ流れたところにキャプテンFW後藤三知が合わせ、最後は後藤が相手GKの反応を見ながら落ち着いてゴール左へとシュートを放った。1−0、浦和先制。
練習通り、狙い通りの展開で先制したが、ここから日テレの強さが発揮される。少しずつ、浦和からボールを奪い切ると日テレの攻撃の機会が増え、浦和は自陣へ押し込まれる時間帯が多くなった。猶本は「（うまく展開できたのは）前半の最初だけで、相手にうまくプレッシャーを外されることが多かった印象」と振り返る。あわやPKか！？という場面もある中で、何とかセンターバックの長船加奈と高畑志帆らが体を張って守っていた。
だが74分、ペナルティエリア内の混戦から浦和は大きくクリアし切れず、こぼれ球を後半から出場の日テレMF隅田凜に押し込まれ、1−1とされる。浦和は押し込まれる一方で、追加点を狙うことができない。試合後、現時点の課題は苦しい中でもボールをつなぎ、動かし、追加点を狙えるチャンスを重ねることと監督、選手が口々に話した。特にボランチの2人からは「チャレンジしなければ」という言葉が挙がった。
試合が振り出しに戻った後も、日テレの時間が続き、88分にはフリーでシュートを打たせたが、これはGK池田咲紀子のファインセーブで救われた。ただ、後半アディショナルタイムには、途中出場の今季新加入MF塩越柚歩がスピードを持って縦に仕掛け、好機を演出した。ゴール前に絶妙のクロスボールが送られたが、味方が合わせられず、ゴールならず。結果は1−1の引き分けに終わった。
浦和の吉田靖監督は「本当は勝ちたかったが、（きょうは）引き分けでもOKと思っていた。大切なのは次のホームゲームだ」と早くも次節のアルビレックス新潟レディース戦を見据えていた。2016プレナスなでしこリーグ1部リーグ第2節 第2日は4月3日（日）にホーム・さいたま市浦和駒場スタジアムで行われる。キックオフは13時。（有賀久子）
2016プレナスなでしこリーグ1部 第1節 日テレ・ベレーザ戦
日時／3月27日（日）13:04キックオフ
会場／味の素フィールド西が丘（東京都）
試合終了／1ー1（前半1ー0）
主審／今泉奈美
副審／桐原純子・松枝里実
第4の審判員／田代志津子
浦和レッズレディース
監督／吉田靖
《先発メンバー》
GK：池田咲紀子
DF：乗松瑠華・長船加奈・高畑志帆・北川ひかる
MF：柴田華絵・栗島朱里（76分→長野風花）・猶本光・筏井りさ（68分→白木星）
FW：吉良知夏・後藤三知（84分→塩越柚歩）
《SUB》
GK：平尾知佳
DF：遠藤優・長嶋洸
MF：加藤千佳
□得点□
7分 後藤三知（浦和）
74分 隅田凜（日テレ）
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