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WEリーグ、DAZNとのオフィシャルブロードキャスティングパートナー締結の意義

多角的な視点で浦和レッズレディースに迫る「LADIESコラム」。今回は、WEリーグと「DAZN」とのオフィシャルブロードキャスティングパートナー締結について。


(佐藤亮太)
 

送られたリリースに目を落としたとき、「おっ」と小さく驚きの声が出てしまった。今年9月開幕として準備している女子サッカープロリーグであるWEリーグは「Yogibo WEリーグ」という名称でスタートする。そしてオフィシャルブロードキャスティングパートナーとして、スポーツファンにはおなじみの「DAZN」と締結した。

現状、配信は国内のみとなるそうだが、世界配信を視野にいれつつ、独占ではなく地元テレビ局のローカル配信も許容するということ。
 
「(DAZNは)女子スポーツの地位向上に理解がある」と岡島チェア。利益より理念の一致が締結の道筋となった。

DAZNはWEリーグに、日本の女子サッカーに何をもたらすか。

そう考えるとき、浮かぶのは浦和駒場スタジアムの風景。スタンドに目をやると客層は中年男性が占めている。

長い間、熱心に応援する大切な層ではある。しかし女子サッカーのさらなる拡大を考えれば、女性、特に小中高生が家族連れは必須。

ただそう簡単ではないようだ。以前、スタジアムに通うサポーターに聞いたが、サッカーをやっている女の子の多くは週末、練習や試合で生観戦ができないという。つまり見たくても見られない。

そうしたこともあってか、昨季、浦和レッズレディースでは、なでしこリーグ、ホーム最終節の際、地元の女子サッカーチームを招待。「直接、試合を見てほしい」といわゆる出島で観戦してもらった経緯がある。

DAZN配信の効能はたとえ生観戦はできなくても、意識的にゲームをいつでも何度でも良い映像で見られるという利点がある。

以前から女性サポーターの拡大を訴えていた岡島チェアの狙いにも合致する。さらにDAZNという不特定多数のスポーツファンが見るなか、新規開拓も期待できる。

もうひとつの効能は選手側にもある。

画面を通じ、選手のプレーはもちろん振る舞い、そしてその立ち姿も見られることは選手にも良い刺激となりそうだ。

DAZNとの契約期間は破格ともいえる2021-22シーズンからの8シーズン。

理念で一致した両者。二人三脚でどこまで日本の女子サッカーを、そしてスタンドの風景を変えられるか。



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