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コラム

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『浦和らしさ』と物足りなさのプレシーズンマッチ 〜課せられた宿命との戦い〜

多角的な視点で浦和レッズレディースに迫る「LADIESコラム」。今回は、プレシーズンマッチを終えて見えてきたものについて。課題や、相手の戦い方はどうなっているのか。


(佐藤亮太)

今秋開幕する.WEリーグにむけ、プレシーズンマッチが開催された。
昨季なでしこリーグ優勝の三菱重工浦和レッズレディース(以下・浦和)は4試合戦い、1勝2分1敗の戦績となった。

《試合結果》
マイナビ仙台レディース
1−1△

ノジマステラ神奈川相模原
5−0〇

INAC神戸レオネッサ
0−2●

サンフレッチェ広島レジーナ
2−2△

ベースとなる相互補完攻撃サッカーは健在。1試合平均シュート数は約16本と攻めに攻めており、浦和らしさはあった。

一方で、あくまでプレシーズンマッチとはいえ、物足りなさはあった。

立ち上がりのまずさ。カウンターからの失点。昨季では見られなかった連係ミス、パスミスが散見された。

ケガのための起用変更や布陣変更はあるもののメンバーを大きく変えたわけではない。

この物足りなさの理由はなにか?

そのひとつはじゅうぶんな浦和対策がなされたこと。

例えば、INAC神戸戦や広島戦前半では攻撃の起点となる両サイドを抑えられ、さらにゴール前で人数をかけ、固められた。

攻めてはいるが、攻めきれない、あるいは攻めさせられていた印象が残った。

広島戦後の会見で浦和・楠瀬直木監督は「各チーム、よく鍛えられていると感じる。負けずにこちらも鍛え直したい。いい意味で危機感を持つことができた」と語った。気を引き締め、より精緻なサッカーが必要だ。

そのなかで求められるのは楠瀬監督が掲げたチーム全体の底上げだ。

プレシーズンマッチ4試合を見るとユーティリティプレイヤーMF遠藤優をはじめ、復帰したDF上野紗稀、右SB長嶋玲奈、DFW高橋はな は役割を果たした一方、出場経験の少ない若手が多く使われたかと言えば、圧勝したノジマステラ戦以外、必ずしもそうではなかった。

試合に出したくても出せないという監督の判断かのかもしれない。

ただ新リーグ開幕までの3カ月での底上げは一層、急務だ。

また、予定される東京五輪にむけ、浦和からは複数の選手の招集が見込まれている。

クラブ・チームには喜ばしいが、合流後のコンディションやメンタルの調整、再度の戦術のすり合わせに時間がかかるだろう。

急遽、海外挑戦でチームを離れる選手が出る可能性があるからだ。

現状、実戦に近い試合は来月19日 クラブオリジナルカップ ジェフユナイテッド市原・千葉レディース戦が予定されている。しかしその後の練習試合の実施は不透明。実戦不足の不安はやはり否めない。

追われる立場となった三菱重工浦和レッズレディース。その課せられた宿命と向き合い、戦う。






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