「38の、ただの1じゃなくて、自分たちが目標に向かっていくために」。そう話したのは、GK西川周作だ。開幕戦の戦いぶりから伝わってきたもの。それは、守護神の言葉に集約されている。
Jリーグ優勝という掲げた目標に対する覚悟と責任が、90分間から伝わってきた。そして、マチェイ スコルシ?ャ監督が選手に求めた、ヴィッセル神戸対策も綿密であったことも、ピッチ上から、さらに試合後の選手の言葉から感じ取れた。
この開幕戦でポイントを取る事に、いかに集中していたか。
結果論ではあるが、【開幕戦】【アウェイ】【3連覇を狙うチャンピオンが対戦相手】という背景が、より“やるべき事”を明確にさせ、時間をかけて徹底し、体現出来たと言える。結果は、スコアレスドロー。連戦真っ只中の神戸にシュート16本という数字と内容で言えば、十分に勝てたゲームであったが、最低限の勝ち点1を持ち帰った。
キャプテンとしての初陣を迎えた関根貴大は「シチュエーションが、言わなくても誰もがモチベーションを高く持ってやれる状況でしたけど、それを同じ方向に向けるというのが僕の仕事だった」と振り返った。
キャプテンとして、ピッチ上での会話であったり、“チームを同じ方向に向ける”という舵取り役で、とても効いていた。自身も試合後に振り返っているが、松本泰志のゴールが決まったかと思われた81分、ハンドの可能性でVARに時間を要し、結果はノーゴール判定となった場面でも、浦和は決して崩れなかった。
関根は「変にモチベーションを下がらずにやれたのも、フィールド内で1回集まって話せたのがあった。そういったところで、みんなが意識を高く持ってやれたのが、90分間通してまとまれた要因」と挙げた。時系列が前後するが、前半終了間際のCKの守備の場面も、全員で守りきった。ゲームをコントロールした前半で、1回のピンチで形勢逆転となるケースがこれまで多かったが、耐えきった点は評価したい。
関根は、キャプテンとしてだけではなく、選手としても勝ち点に貢献する働きがあった。そして、ここにマチェイ監督のヴィッセル神戸対策が詰まっている。
関根は、チームの守備の狙いをこう説明した。
「まず、セカンドボールを拾うどうこうの前に(神戸の)ロングボールの質を落とさせる事を意識しました。ダイアゴナルに蹴るボールを、どれだけ減らせるか。山川(哲史)選手から、縦、縦のロングボールになっていたと思うんですけど、ああいうボールになったら拾いやすい。逆に対角に蹴られると、僕が、FWと競って、左サイド、ウイング、2対1を作られてしまったりする。なので、まず、そこを減らせたのが一番大きいところ。もし、そうなった場合には、ボランチ、ウイングが、プレスバックするというのは約束事であったので、そこがしっかりと出来ました」。
そして、セカンドボールを含めたところでの球ぎわの強度。関根が行き、仲間が1、2人とカバーに入る。42分や46分のシーンなど、神戸の攻撃を封じる、囲いこみの守備が徹底されていた。
この点について、関根は真っ先に自分以外の功労者を挙げた。
「前からのプレッシャーがあるからこそ、みんなが、その次のボールを読みやすいというのがありました。前の2人、特に(松本)泰志とチアゴ(サンタナ)はすごく良い仕事をしてくれました。右のウイングも、左のサイドバックがちょっと低い位置を取っていたので、そこにプレッシャーをかけて(金子)拓郎も良い仕事をしてくれたなと思います」と振り返った。
こうした守備面だけでも昨シーズンとの大きな違いを感じ、攻撃面ではマテウス サヴィオの持ち運ぶ力強さなどの個性であったり、金子の鋭いクロスボールであったり、見ている者を前のめりにさせるような場面を作った。
連覇の神戸相手に、総じてナイスゲームだった。欲を言えば、今後はナイスゲームで終わらせないための決定力が欲しい。
関根は、開幕戦であることなど難しさを示した上で、「勝ちに行かないといけないゲームは、絶対にまた出てくる。そこで、監督の采配だったり、途中から出てくる選手の個性だったりを、チームとして、分かりながら、生かしながら、やれれば、勝利に繋がるゲームが出来るんじゃないか」と話した。
きょうは、1人の選手のプレーに対して多くの選手が関与し、点と点ではなく、点と点が線になるような、そんな連動性のある攻撃と守備を展開した。プレシーズンであるトレーニングキャンプで見せた以上の姿を、【開幕戦】【アウェイ】【3連覇を狙うチャンピオンが対戦相手】という難しい条件下で、サポーターに示した。
基準は、ぐっと高まった。次は、京都サンガF.C.戦だ。同じように5日作りで、対策をチームに落としこむ。勝ち点3のために。そして今後は、これが連戦の場合、あるいは結果が伴わない場合も継続できるかどうかなど、開幕戦を通して、チームに求めることが増えた。
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(有賀久子)
関根貴大が示す開幕戦の裏側
「38の、ただの1じゃなくて、自分たちが目標に向かっていくために」。そう話したのは、GK西川周作だ。開幕戦の戦いぶりから伝わってきたもの。それは、守護神の言葉に集約されている。
Jリーグ優勝という掲げた目標に対する覚悟と責任が、90分間から伝わってきた。そして、マチェイ スコルシ?ャ監督が選手に求めた、ヴィッセル神戸対策も綿密であったことも、ピッチ上から、さらに試合後の選手の言葉から感じ取れた。
この開幕戦でポイントを取る事に、いかに集中していたか。
結果論ではあるが、【開幕戦】【アウェイ】【3連覇を狙うチャンピオンが対戦相手】という背景が、より“やるべき事”を明確にさせ、時間をかけて徹底し、体現出来たと言える。結果は、スコアレスドロー。連戦真っ只中の神戸にシュート16本という数字と内容で言えば、十分に勝てたゲームであったが、最低限の勝ち点1を持ち帰った。
キャプテンとしての初陣を迎えた関根貴大は「シチュエーションが、言わなくても誰もがモチベーションを高く持ってやれる状況でしたけど、それを同じ方向に向けるというのが僕の仕事だった」と振り返った。
キャプテンとして、ピッチ上での会話であったり、“チームを同じ方向に向ける”という舵取り役で、とても効いていた。自身も試合後に振り返っているが、松本泰志のゴールが決まったかと思われた81分、ハンドの可能性でVARに時間を要し、結果はノーゴール判定となった場面でも、浦和は決して崩れなかった。
関根は「変にモチベーションを下がらずにやれたのも、フィールド内で1回集まって話せたのがあった。そういったところで、みんなが意識を高く持ってやれたのが、90分間通してまとまれた要因」と挙げた。時系列が前後するが、前半終了間際のCKの守備の場面も、全員で守りきった。ゲームをコントロールした前半で、1回のピンチで形勢逆転となるケースがこれまで多かったが、耐えきった点は評価したい。
関根は、キャプテンとしてだけではなく、選手としても勝ち点に貢献する働きがあった。そして、ここにマチェイ監督のヴィッセル神戸対策が詰まっている。
関根は、チームの守備の狙いをこう説明した。
「まず、セカンドボールを拾うどうこうの前に(神戸の)ロングボールの質を落とさせる事を意識しました。ダイアゴナルに蹴るボールを、どれだけ減らせるか。山川(哲史)選手から、縦、縦のロングボールになっていたと思うんですけど、ああいうボールになったら拾いやすい。逆に対角に蹴られると、僕が、FWと競って、左サイド、ウイング、2対1を作られてしまったりする。なので、まず、そこを減らせたのが一番大きいところ。もし、そうなった場合には、ボランチ、ウイングが、プレスバックするというのは約束事であったので、そこがしっかりと出来ました」。
そして、セカンドボールを含めたところでの球ぎわの強度。関根が行き、仲間が1、2人とカバーに入る。42分や46分のシーンなど、神戸の攻撃を封じる、囲いこみの守備が徹底されていた。
この点について、関根は真っ先に自分以外の功労者を挙げた。
「前からのプレッシャーがあるからこそ、みんなが、その次のボールを読みやすいというのがありました。前の2人、特に(松本)泰志とチアゴ(サンタナ)はすごく良い仕事をしてくれました。右のウイングも、左のサイドバックがちょっと低い位置を取っていたので、そこにプレッシャーをかけて(金子)拓郎も良い仕事をしてくれたなと思います」と振り返った。
こうした守備面だけでも昨シーズンとの大きな違いを感じ、攻撃面ではマテウス サヴィオの持ち運ぶ力強さなどの個性であったり、金子の鋭いクロスボールであったり、見ている者を前のめりにさせるような場面を作った。
連覇の神戸相手に、総じてナイスゲームだった。欲を言えば、今後はナイスゲームで終わらせないための決定力が欲しい。
関根は、開幕戦であることなど難しさを示した上で、「勝ちに行かないといけないゲームは、絶対にまた出てくる。そこで、監督の采配だったり、途中から出てくる選手の個性だったりを、チームとして、分かりながら、生かしながら、やれれば、勝利に繋がるゲームが出来るんじゃないか」と話した。
きょうは、1人の選手のプレーに対して多くの選手が関与し、点と点ではなく、点と点が線になるような、そんな連動性のある攻撃と守備を展開した。プレシーズンであるトレーニングキャンプで見せた以上の姿を、【開幕戦】【アウェイ】【3連覇を狙うチャンピオンが対戦相手】という難しい条件下で、サポーターに示した。
基準は、ぐっと高まった。次は、京都サンガF.C.戦だ。同じように5日作りで、対策をチームに落としこむ。勝ち点3のために。そして今後は、これが連戦の場合、あるいは結果が伴わない場合も継続できるかどうかなど、開幕戦を通して、チームに求めることが増えた。
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