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ツヅキック(都築龍太の試合分析)

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上げられても中で何とかできるだろう、では失点してしまう。後半はよかった(J1第19節・鹿島戦)

浦和レッズで活躍された元日本代表GK都築龍太さんが試合を解説。聞き手は、サッカー専門新聞『エルゴラッソ』の沖永雄一郎記者です。


RP:6月22日(土)に埼玉スタジアム2002で行われた明治安田生命J1リーグ第19節、鹿島アントラーズ戦は1−1の引き分けに終わりました。

都築:最後にああいう形で追いついて、いい雰囲気だったとは思いますが、結果は引き分けですから。難しい評価になりますね。いい試合だったとは思います。前半と後半でまったく流れが変わって、鹿島が落ちたところを突けたと思います。

前半のディフェンスが良くなかったので、最終的に引き分けられたことはポジティブなのかなとも思いますけど勝っては無いので。あの最高の雰囲気の中で、勝ちという結果を出せるチームになりたいですね。

もったいない試合でもありましたが、チャンスの数を考えると妥当な結果なのかな。言い方が難しいですが、鹿島のような相手とは戦術よりもどれだけ戦えるかが大事になってきます。その点では、前半は守備でまったく戦えていなかったのが目につきました。

試合の入りで失点してしまったのも、メンタルで鹿島に負けていたのかなと感じてしまいますね。ミスというか、そこで負けたらダメだろというシーンが2回続いたことから失点してしまいました。

まず、チアゴ・サンタナ選手に当てましたが、プレッシャーがあったとはいえ味方に落とせなかった。そのあとも、アレクサンダー・ショルツ選手が鈴木優磨選手の落としを防げませんでした。このシーンは戦わないといけないですよね。

カウンター気味になってしまって、後ろのバランスは崩れていましたが、追いかける選手も含めれば人数的には足りていました。ショルツ選手がシュートの瞬間にボールウォッチャーになってしまって、鈴木選手を見れていなかった。

西川周作選手も、鈴木選手が見えていたらあそこに弾かなかったんじゃないかなというのと、難しいですがキャッチできればとも思います。西川選手だったら取れたんじゃないかなというのと、違う方向にはじいていればというシーンでした。

試合開始直後で、あの緊張感で、戦わないといけない中でこの失点はもったいなかったですね。そのあと、レッズに何本かいいシーンがありました。渡邊凌磨選手のシュートは、オラ・ソルバッケン選手から逆サイドへ展開してピッチを大きく使えた攻撃でした。

ああして揺さぶれるといい形が見えるなと思いましたが、前半はこのシーンだけだったかな。あとは大久保智明選手がオフサイドになったシーンのような、細かい崩しを増やしていきたかったですね。

そのためには中盤でいかに支配できるかが大事ですが、前半は機能してなかったと思います。中盤を飛ばしての長いボールや、DFラインからサイドにつけることが多かったので、
前半はレッズのゲームではなかったですね。

RP:前半終了間際には2失点目を喫しました。

都築:0−1のまま折り返せればと思っていましたが、・・・・・・
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都築龍太 -profile-
1978年4月18日生まれ。
2003年にガンバ大阪から浦和レッズへ加入。2010年に湘南ベルマーレへ期限付き移籍後、現役を引退。日本代表としても6試合に出場した。

(c)REDS PRESS