「練習レポート」は、大原サッカー場の模様を、ほぼ毎日更新するコーナーです
宇賀神友弥が先頭に立ち、「2つは地域の子どもたちがサッカーをする上で大切な場所で、今回の台風でも河川の氾濫から市民を守ってくれた場である。将来、Jリーガーを目指す若者やなでしこリーグで優勝を目指す女子選手たちのためにも、応援よろしくお願いします」とクラウドファンディングを利用し、復興支援『きみのて』プロジェクトを立ち上げた。
また、地元の居酒屋「酒蔵力」など、同プロジェクトに賛同した店舗などが募金箱を設置し、選手の想いをサポートした。
12月3日(火)の公開から、1月31日(金)に締め切り日を迎えた。目標金額300万円から段階を経て、最終的に目標に掲げた1000万円に到達。宇賀神に話を聞いた。クラウドファンディングの最終金額は「1052万6千円」の支援を受けたという。
宇賀神にとって、心強かったのは支援の金額とともに、サイトで閲覧ができるコメントだったそうだ。「レッズサポーターの皆さんだけではなく、“サッカーには詳しくないが、埼玉に住んでいるから支援したい”と言って下さった方、大宮アルディージャのサポーターですという方や、ガンバ大阪のサポーターですとか、たくさんのコメントがあった。それが嬉しかった。サッカーの素晴らしさを改めて感じた。」。
『きみのて』プロジェクトという名称。浦和レッズの輪も含めて、こうやって何かあった時に助け合えるというのが人間の良さである、という意味を含めて名付けたという。「その通りのプロジェクトになった」と触れた。
宇賀神は、自身が育った下部組織、アカデミーの環境に、以前より強い想いを持っている。それは「レッズユースの環境をもう少しよくしてあげたいという考えがある」ということ。「それがどんな方法になるかは分からないが、自分が浦和レッズで関わっている限り、そういう部分もしっかりと動いていかなくちゃ、と思っている。行動を起こさなければ。まずは、魅力的な設備など。そういう練習環境があるというのは、チーム選びの1つの基準であると思う。才能ある選手に声をかけた時に、他のチームと比べて、良ければ来てくれることもあると思うから。ハード面をよくしてあげられるように活動したいという、今はまだザックリとしたイメージだが、そう思っている」と挙げた。
今回はアカデミー出身選手だけではなく、槙野智章や西川周作、柏木陽介、さらにファブリシオら浦和在籍の選手たちも賛同し、スパイクなどを返礼品の1つとして快く提供した。選手たちはどれだけ練習環境が重要であるか、足の裏から感じる芝の感触を知ることがどれだけ嬉しいことかを知っている。それは日頃から、丁寧に手入れをされた大原サッカー場の芝に触れているからだ。
このプロジェクトは、台風19号の被害によってスタートをきった。「まず、被害がなければ良かった。でも、起こってしまった。その時、何かをしたいと思っていても行動に起こすことは確かに難しい。良いことだとしても、多くの方の力が必要で、今回も多くの方を巻き込んで、やっと行動に起こすことが出来た。言葉に発することの大切さがより分かった今、この成功を糧に、いろいろなことをしていきたい。今回、いろいろな声をもらい、サッカー選手として、まずはもっと頑張らなければと思った。今は、自分自身がリハビリ中。1日でも早く怪我を治し、復帰したい」と話した。
なお今後、人工芝や天然芝の修復費用などに動く。報告は続いていく。
(有賀久子)・・・・・・