6月23日(水)に三協フロンテア柏スタジアムで行われた柏レイソル戦で、GK鈴木彩艶の姿はピッチではなくスタンド席にあった。
当初は、前節・湘南ベルマーレ戦でのミスの影響とも推測したが、試合終了後に「Jリーグへエントリーに必要な申請が行われていなかった」とクラブが発表。その日の深夜に戸苅淳フットボール本部長がオンライン会見を開き謝罪した。
まず戸苅本部長はことの経緯について「U-24日本代表に選出され、6月5日(土)と6月12日(土)に国内で行われた国際親善試合のためにチームを離れておりました。その期間、チームは定期的に実施しているJリーグ公式検査を行っており、代表活動のため公式検査が実施できなかった鈴木彩艶選手についてはJFAによるPCR検査の結果をもって、Jリーグエントリー資格認定委員会に申請し、エントリー資格の認定を受けなければなりませんでした。今回、当該選手はJFAのPCR検査で、陰性判定であったものの、クラブの認識不足が原因でJリーグへの申請を怠ったことが判明し、その結果、本日の試合で本人は欠場せざるを得ない状況となりました」と話すと「選手本人には瑕疵はなく、すべてクラブの不手際によるものです」と頭を下げ謝罪した。
20日(日)の湘南ベルマーレ戦で鈴木(彩)は試合に出場している。これはエントリー資格がないことをクラブ側が確認できていなかったからで、その事実をクラブからJリーグに報告したという。今後は詳細の調査と確認を行い、Jリーグの判断を待つ状況となっている。
あまりにも、お粗末と言ってしまえばお粗末だ。鈴木(彩)の気持ちを考えると、切なさ、やりきれなさもあるだろう。
湘南戦で、鈴木彩はクロスへの対応、ビルドアップのミスなど自身が失点に絡み、チームは逆転負け。だからこそ、この柏戦に賭ける思いは相当に強かったはずだ。それを不手際で奪ってしまったことは、クラブとして反省をしなければいけない。
戸苅本部長は「これからしっかりとクラブ内で検証し、同じことが二度と起こらないような仕組み作りをしていかなければならないと思います。責任と役割を明確にし、今後起きないようにしっかりと準備していきたいと思います」と語った。
また、戦術的な部分で、この日の柏戦で鈴木(彩)がスタメン出場予定だったのかは「控えさせていただきます」と戸苅本部長は言うと、「私が三協フロンテア柏スタジアムに行って直接、彼に謝罪しました。そのときは『わかりました』と強い気持ちをもって答えてくれたと感じました」と、伝えた時の反応について答えた。
一方、リーグ戦7試合ぶりに出場した西川周作についても触れておきたい。この試合でJ1通算503試合目を刻み、シュートストップやフィードで好パフォーマンスを披露し見事にクリーンシートを達成した。
ベテランの塩田仁史を含め、西川、鈴木(彩)の3選手が、日々のトレーニングから切磋琢磨し、“いつ誰が出場してもOK”という戦力、厚みを増していることはチームにとってプラス材料だ。
なお、クラブはJリーグエントリー資格認定委員会に対して、鈴木彩が27日(日)のアビスパ福岡戦に出場できるように手続きを行う予定としている。