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REDSニュース|【無料記事】「10.09 国立開催」は1-0で鈴鹿に軍配 三浦知良も出場。岩舘直は何を思ったか|レッズプレス!!

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【無料記事】「10.09 国立開催」は1-0で鈴鹿に軍配 三浦知良も出場。岩舘直は何を思ったか

JFL24節、クリアソン新宿(以下・新宿)は国立競技場で鈴鹿ポイントゲッターズ(以下・鈴鹿)と対戦した。

後半17分、後方からの浮き球のパスをゴール前で鈴鹿の松木駿之介が落としたボールを、三宅海斗が左足でシュート。これを新宿のGK阿部雄太が弾く。こぼれ球を松木が左足で押し込んで鈴鹿が先制した。

追いつきたい新宿は後半の飲水タイム後、次々と交代選手を投入。背後に目がけロングボールを多用した。相手に押し込んだが、鈴鹿の守備と、自らの連係ミスがあって及ばず、新宿が0-1で敗れた。

なお三浦知良は後半30分に登場。多くの拍手を受け、ピッチに立った。

試合後のインタビューでは「お待たせしました。お待たせしすぎたかもしれません」と全裸監督ばりのコメントで場内をわかせた。



「10.09 新宿の日」と銘打たれたこの試合には、JFL史上最多の16,218人が集まった。

士気あがる新宿イレブンは開始とともに攻勢をかける。

新宿の背骨というべき「戦う。走る。声を出す」が表現され、執拗な守備をベースに速い攻撃を仕掛けた。

きょうの試合では磐田、大宮などに在籍した上田康太がボランチの位置から長短のパスで味方を動かし、セットプレーではキッカーを務めた。また左サイドの堀田稜が再三、サイドを突破し、ゴール前にクロスを供給し続けた。

一方、守備では強度の高いプレスで相手の自由を奪い、たとえ攻められていてもペナルティエリア付近では身体を張った守備で遠ざけた。

試合後、新宿・成山一郎監督は「堂々と力を出せたものの、こちらが点を取りたいときに取らせてくれず、逆に危ないシーンを作られた。お互いに全力を出せ、引き出しあえた、次につながる試合」と総括した。

一方、鈴鹿の三浦泰年監督は「前半、攻撃の形を作りながらも、決めることができず、相手陣地で攻撃する時間がもてなかった。後半は前線でキープしながら、なんとか決めることができた」とした。

互いにがっぷり四つといった感想だが、なぜ、この結果となったのか?

そのヒントを三浦監督はこう話した。

「データ的に、新宿はボールキープ、止めて蹴る、ボールを動かすなど(がいい)。なぜこの順位にいるのかという感想を抱く。ただ、良いサッカーをしても順位には上と下がある。その違いをどう表すのかが大事。ちょっとしたモノを結果で示せたのは喜ばしいこと」とした。

三浦監督が示す ちょっとしたモノとは……、そのひとつに決定力・得点力がある。

前後半のシュート数を比べると新宿11本に対し鈴鹿13本とほぼ同数。

しかし、思わず、背が離れるようなゴールの予感が漂う決定機の回数は鈴鹿が上。

14分、スルーパスで簡単に左サイドを破られ、1対1を作られるも新宿GK阿部雄太がシュートをブロック。そのこぼれ球をDF8須藤岳晟がゴールライン上で蹴りだして、回避。前半終了直前には鈴鹿FWヴィニシウスの強烈なシュートをふたたびGK阿部が防いだ。後半にもいくつかカウンターからのピンチがあった。

たしかに新宿は攻撃を仕掛けた。しかし絶妙なクロスをあげてもしかるべきところに選手がいない、あるいは選手がいたとしても距離があわず、ボールをロストしてしまうシーンが散見された。チャンスは作れど、そのチャンスを生かしきれなかった。

同様に良い試合はできる。しかし思うように勝点を積み上げられないのは、まさにその細かいようで大事なところの足らなさにある。
最後まであきらめない、その姿は見せたものの、やはり惜しいだけでは何も生まれない。
もったいなさを感じざるを得ない。



そのなか、新宿41GK岩舘直はベンチスタートとなった。

成山監督はその理由を先週、体調不良でベンチ外となった岩舘に代わって起用されたGK阿部が良いパフォーマンスをしたうえ、チームが勝ったこと。さらに練習試合でも良いパフォーマンスができたからと説明した。

国立競技場のピッチに立てなかった岩舘はどんな思いで試合を見ていたのか。

「試合に出たかった気持ちは強かった・・・モヤモヤした気持ちはあった。でも、スタジアムに来たかたや、会場の周りとか、この場に集まってきたかたたちには自分が試合に出る、出ないに限らず、楽しんでほしいと思った。この場で勝って、喜びを共有できれば最高だった。チームを素直に応援できたし阿部ちゃんも良いプレーだった」と心境を語った。

国立開催の一大イベントが終わり、チームを待ち受けるのはJFL残留への戦い。
現在、新宿は16チーム中、15位。残留争いという厳しい状況にある。

「JFLの入場者数の記録更新とか・・・きょうのイベントでいえば、成功といえる1日だったかもしれない。しかし、ひとりの選手に立ち返れば、残留争いとしている状況。きょうは勝点1でも拾わなければならなかったし負けてはいけない相手だった。その結果には目をむけなければいけない。みんなきょうに懸けてやってきた分、やりきった感じはある。でもリーグの結果に目をむけていきたい。きょう、試合に出られなかったのは、チームにとって勝つ可能性が高いという判断。その土俵に戻れるようにしたい」と気を引き締めた。

JFL残留。そして守護神の座の奪還。残り6試合、岩舘直は勝負の時をむかえる。







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