「浦和でなんとか結果を残したかったが、シーズン残り半年を考えた際、自分はどっちでチャレンジするかを思ったとき、マリノスでチャレンジしたい思いが強かった」
横浜FMに期限付き移籍した杉本健勇のオンライン会見が行われた。
マリノスカラーの練習着に袖を通した杉本の胸に去来したのはストライカーらしい思いだった。「試合を90分通してやったのはかなり前なので飢えている。そこで点を取ることにも飢えている。試合に出たいし、点を決めたいし、チームを勝たせたい」。
浦和での2年半、杉本はリーグ戦70試合出場で6得点。
大槻毅監督時代は本来のフィニッシャーより中盤まで下がってのポストプレーが多く、持ち味と戦術がいまひとつかみ合わなかった。そして今季、リカルド・ロドリゲス監督になり、合宿中に規律違反をしたものの、シーズン序盤は先発起用。ルヴァンカップグループステージ第3節・横浜FC戦では2得点を決め、ブレイクが期待された。しかし5月以降、途中出場やベンチ外が多くなった。新加入FWユンカーの台頭。ゲームメークもできる江坂任の加入。その中での横浜FMからのオファー。
「自分の力のなさを痛感した。自分のせいと思いつつ、さまざまな思いがあった」
34試合で22得点を挙げた2017年の再現を願うストライカーとしては取るべくして取った選択と言える。
横浜FMの特長は縦への速さ。前線からのハイプレス。サイドからのクロスで杉本が決めるシーンがイメージできる。
「1人で打開するタイプではない。生かし生かされるタイプ。求め合うというか、ここにボールが欲しいと分かり合うのが大事」と杉本。C大阪時代だけでなく各年代の代表で一緒にプレーした選手が多いことは杉本にとって追い風となりそうだ。
横浜FMでの背番号は41番に決まった。一見、浦和での14番をひっくり返したものだが、理由はそう安易ではなかった。
杉本によれば2012年、東京Vに加入した際もこの「41」。当時、東京Vには現在は横浜FMの昼田宗昭アシスタントスポーティングダイレクターがいた。
「これも縁なのかなと。僕も41はすごく好きな番号というか、原点に返った感じ」と再スタートを誓った。
杉本は浦和での日々を振り返り、こう語った。
「レッズに移籍して試合に出たり、出なかったりという時期もあった。本当に期待してくれるファン・サポーターもいた。その方たちには本当に申し訳ないと思う。この仕事をしていると心ない批判はありますが、(そうした人たちのことは)見返したい。レッズに本当に感謝している。レッズに行きたくて僕は行ったし、この結果を望んだわけではないが……チームのために一生懸命やったということは自分の中にある。復活というか……もう一度、点を取りまくってマリノスの優勝に貢献したい。それがいまの気持ち」
会見中、記者の質問にときおり間を置き、言葉を選びながら、自分の気持ちを語る杉本健勇。
浦和で思うように活躍できなかった、そのうっぷんを晴らし、もう一度、自分の存在意義を示す半年となる。
![]() |
2025/07/12
2025/07/12
2025/07/12
2025/07/11
2025/07/11
2025/07/11
2025/07/10
2025/07/08
2025/07/07
2025/07/07