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REDSニュース|[代表]リオからの便り(8月6日)|レッズプレス!!
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[代表]リオからの便り(8月6日)
サッカージャーナリスト・六川亨によるブラジルからの現地レポートを掲載。
興梠慎三コロンビア代表戦を前日に控えた8月6日(現地時間)の練習で、ナイジェリア代表戦[4●5]に出場した選手たちは、ランニングやストレッチなどのクールダウン後に、あらためて攻撃パターンの確認を行った。興梠は浅野拓磨、鈴木武蔵、オナイウ阿道と交互に2トップでプレー。中島翔哉や南野拓実らサイドハーフからのパスをクサビになって受け、リターンパスからサイドバックに展開したクロスに対してフィニッシュに飛び込んでいた。
コロンビア戦は相手DFが「厳しく来るだろう」と予想しながらも、「それをかいくぐってプレーしないといけない」と2試合続けてのスタメンに意欲を見せる。負ければグループステージ敗退という正念場だけに、「コロンビアはそんなに点を取らしてくれないと思う」と分析しつつ、「決定機はきちんと決めたい。前で身体を張るのが仕事なので、身体が壊れてもやりたい」とオーバーエイジ枠での招集に決意を見せていた。
ちなみにコロンビアのレストレポ監督は警戒する選手に興梠の名を挙げ、「オフザボールのうまいグッドプレーヤー」と評価していた。このためハードマークが予想されるが、興梠自身は裏への抜け出るプレーでゴールを陥れるプランを明かしていた。
遠藤航今大会の遠藤には、ボランチの主軸としてプレーするだけではなく、キャプテンとしての重責もある。ナイジェリア戦の大量失点には「マイボールにするところとクリアする判断を、後ろの選手はハッキリしないといけない」と、チームとしての反省材料を語りながら、「それは修正できる」と断言していた。手倉森誠監督を始め、選手の誰もが「切り替え」の重要性を指摘したが、遠藤は「負けてしまった結果を受け止める」ことを前提に、「次の試合はすぐに来るのでポジティブな雰囲気を出さないといけない。ネガティブな考えを捨ててポジティブに」捉えると、具体的に「切り替え」を説明した。
選手は誰もが勝った試合では饒舌(じょうぜつ)になりがちだ。そして負ければ寡黙になり、記者の取材に応じたくない気持ちは万国共通だ。そこで問われるのが、キャプテンとしての「人間力」になる。勝敗に関わらず、いつもと変わらないメディア対応、自分の言葉で試合の分析をできるのかどうか。その点、遠藤にはいつもと変わらない「人間力」を感じた。記者の質問にていねいに答えながら、コロンビア戦は「負けたら終わりですが、諦めない自分たちを信じてやるだけです」と淡々と語る。その落ち着きと居直りは、ベテランの風格さえ感じられた。あとはコロンビア戦で結果を出すだけだ。遠藤のサッカー人生にとってもターニングポイントとなるかもしれないコロンビア戦。どんな試合になるか楽しみでならない。
(サッカージャーナリスト・六川亨)