まずは苦手の敵地で苦手の鹿島を倒せ
予期しなかった3連敗と5試合勝ち星なしで15位に後退。J2に自動降格するのは16位以下で、その16位甲府が勝ち点4差に迫ってきた。残り8試合。いよいよ、のっぴきならぬ状況に追い込まれたと言っていい。表情にも言葉に出しはしないが、選手は重圧を感じているに違いない。
しかも8試合の相手が難敵ぞろいとあっては、余裕はどこにもない。鹿島、G大阪との当面の2試合に相当な覚悟で臨まないことには光明は見いだせない。
鹿島には2008年4月の第1戦に勝ったのを最後に3分け3敗で、G大阪にも07年8月の第2戦に勝って以来、2分け5敗という相性の悪さが付いて回る。
とはいえ過去は過去。今の危機的な現状を真剣に受け止めたら、そんなデータは滅却し、挑戦者のつもりで向かっていくしかない。いつまでも勝てなかったら、自分が情けないだろう。ボールに意地をぶつけるだけだ。
平川の故障で先発が予想される宇賀神は、2−2で引き分けた5月21日の鹿島戦を引き合いに出し「あの試合で2失点に絡み、この前の清水戦でも失点に絡んでしまった。今度はチームに恩返しして貢献したい気持ちが強い」と悔しさを忘れていない。さらに言葉をつなぎ、「あと8試合あるではなく、もう8試合しかないという思いで戦う」と意を決した。
鹿島は中盤戦まで不調続きだったが、ここ8試合は黒星がなく5勝3分けで6位まで浮上。加えて浦和にとってカシマスタジアムは鬼門中の鬼門で、93年のJリーグ開幕からまだ3勝しかしていないのだ。エスクデロは「カシマのホームだとなかなか勝てないと言われているが、キックオフからロスタイムまで全力を注ぐ」と悲壮な覚悟で乗り込む覚悟だ。
目の前の1勝に徹頭徹尾こだわるのは、優勝をもくろむチームも低迷からの脱却を狙うチームも一緒。プロなら当然の生業である。今季の浦和は、いつまでたっても思った通りの結果を出せず、同じ注文ばかり投げつけてきたが、待ったなしの瀬戸際まで追い込まれたのだから、やれないのならJ2陥落もやむなし。それが嫌なら結果を出してくれ。
ピッチで踊るのは選手だ。監督の指示も大切だが、それ以上に大事なのは戦っている本人たち。建設的なけんかをし合い、助け合いながら残り8試合に挑み、まずは鹿島を倒してほしい。
永田は「いい準備ができているのでいい結果を得られると思う。鹿島には長身選手が多いし、セットプレーでリズムを崩さないよう注意したい」と話す。
他人に頼らず、一人一人が最高級のプレーとボールへの愛情、執着心を抱き通してほしい。
(河野正)