堅陣復活、先行逃げ切りがお家芸
前節、川崎に勝ってようやく今季初の連勝を飾った。2つ続けて勝つことが、これだけ至難の業とは思ってもみなかった。しかし2連勝くらいで浮かれている場合ではない。19試合で5勝では情けない。首位の横浜FMと2位柏はともに12勝しており、勝ち点差で大きく水を空けられている。上位陣に少しでも接近するには、今の勢いをさらに加速させ、勝ち星を重ねるしかない。8月攻勢に期待したいところだ。
5勝した試合はすべて無失点だから、浦和の勝利の方程式は先制することが大前提となってくる。得点力は決して高くないが、ほとんどの試合で多くのチャンスをつくれているだけに、決定力が上がれば得点力も自然と増す。
そこに復活しつつある堅陣が加われば頼もしい。失点は仙台、横浜FMに続き名古屋と並んでリーグ3番目に少ない。最近5試合はPKによる1失点だけ。守備ラインをリードする永田は「前半をゼロでやれる自信があるので、これをずっと続けていきたい。後ろが我慢して勝ちパターンに持っていくことですね。8月は全部取りにいきたい」と5試合全勝を目標にする。
永田とスピラノビッチで組む中央門番は、高さと1対1の強さがあり、これに両サイドバックとボランチが連動して組織的な守備ができるようになった。
前線からの守備も見逃せない。新外国人のデスポトビッチは、まじめな性格がピッチでもそのまま表れ、フォアチェックに労力を惜しまない。原口もマルシオ・リシャルデスも自陣に戻り、敵を追い掛ける場面をよく目にする。
平川は「前から頑張って守備をしてくれるから本当に助かる。チームとしていい形になってきた」と永田と同じように、守備を基盤にしたグループ戦術の完成に手応えを示す。
デスポトビッチがどれだけ得点するかは未知数。今季の浦和にそうたくさんのゴールを望めない一方、先行できれば逃げ切れる守備力はある。勝負強さというより粘り強さだ。
0−1で競り負けた神戸との開幕戦は、勝負強さも粘り強さも発揮できなかったが、今回はあのころとは違うチームであることを見せつけたい。埼玉スタジアムでの昨季最終戦では、0−4という屈辱的な大敗も喫した。神戸にはリーグ戦で4連敗中。次戦はもう負けられない。
「神戸はうちのミスにつけ込んでくると思うので、慌ててミスをしないことが大切。簡単ではないが、勝たねばならぬ相手だ」。やられっ放しの神戸への意趣返しを誓う平川だった。
(河野正)