後半好機を活かし完封勝利
川崎戦 2対0 勝利
ガンバ大阪戦で善戦しながらも、前節のモンテディオ山形戦ではチームの特徴を出しきれず、スコアレスドローに終わった。好調をキープできない点が今季の浦和の弱さと言える。それでも試合は待ってはくれない。3月の東日本大震災の影響で中断期間のないJ1リーグ。試合前には、後半戦から背番号31を背負って戦う新加入FWデスポトビッチがファンやサポーターへ紹介されたが、15位から一歩ずつ上を目指していくしかない。
リーグ第4節は3位の川崎フロンターレとの対戦となった。ホーム埼玉スタジアム2002は平日のナイターゲームということもあり、24293人の入場者数となった。柏木陽介を先発復帰させたペトロヴィッチ監督は、ボランチで起用。前線には高崎寛之が入り、一列後ろには田中達也、マルシオ・リシャルデス、原口元気が並んだ。キャプテンの鈴木啓太、最終ラインの4人、GKの顔ぶれは前節と変わらない。
前半は川崎に主導権を握られた。何度か浦和もボールを保持する機会はあったが、川崎ゴールに襲いかかることができたのはハーフタイム速報でも触れた17分のプレーのみ。その他はシュートを浴びる場面が全体を占め、GK加藤順大の好セーブや相手のシュートミスに助けられ、前半を0対0で終えた。ハーフタイムには今節ベンチスタートの山田直輝の登場を望むゴール裏のファンやサポーターから彼のチャントが繰り返された。
両チームともにメンバーの交代はなく、後半がスタートした。先に円陣を作ったのは浦和。チーム一丸となって先制点を狙った。序盤は前半同様に川崎ペースで試合が進む。浦和陣内の上空をボールが激しく行き交った。55分、浦和ベンチが動いた。マルシオ・リシャルデスを下げ、山田直輝を投入した。
そして、試合も動いた。57分、相手陣内でのプレーに複数の選手が絡んだ。最後はゴール中央で左の山田直からパスを受けた原口が迷うことなく、シュートを選択。ペナルティエリア外からの地を這う力強いシュートは川崎GK相澤貴志の手も届かず、ゴールネットにつきささった。ゼロに抑え、先制点を狙う。時間帯は後半を迎えているが、プラン通りと言えよう。今節も原口がチームを勝利に導く。
1点ビハインドとなった川崎は、相馬直樹監督も動き始め、62分、64分と立て続けに交代に出た。MF登里享平、DF伊藤宏樹が投入された。一方の浦和は71分に2人目の交代へ。田中達也を下げ、エスクデロ・セルヒオを投入した。前半と変わらずに高崎がターゲットとなり、エスクデロが右に、中央に山田直、左で原口が絡んだ。ボランチは柏木。柏木が前に出ると、すかさず山田直が下がってスペースを埋めた。
ベンチのペトロヴィッチ監督はプレーが止まると、近くの選手を呼び、指示を送っていた。左サイドバックの平川忠亮、途中出場の山田直がその声に耳を傾ける。後半も75分が近づいたところで、川崎も猛攻を仕掛けてきた。浦和は体を張って耐え、追加点を狙った。75分には山田直とエスクデロの途中出場コンビが展開し、エスクデロがシュート。残念ながらGKの正面に入った。
このタイミングで浦和が先に最後のカードをきった。78分、高崎に代えて、FWマゾーラを投入した。高崎は交代間際のプレーで、フリーのエスクデロからパスを受けたが、打ちきることができなかった。悔しい終わり方だけに、次回の出場に期待だ。川崎の相馬監督も動く。79分にMF山瀬功治を下げ、FW小林悠を投入した。
だが、勝利の女神は浦和にほほ笑んだ。エスクデロやマゾーラの投入でさらにスピードが増した浦和は右CKを獲得。79分、キッカー柏木からのクロスを中央でスピラノビッチがヘディングシュート。こぼれたところを遠いサイドにつめていた永田充が押し込み、2点差とする貴重な追加点を奪った。永田にとってはうれしい浦和移籍後初ゴール。チームを今季3勝目へと導く決定打となった。
ロスタイム3分も全員が動き、最後まで足を止めなかった。主審の井上知大氏が時計を見る。川崎が浦和陣内でシュートを打ち、弾いたところで試合終了。上位相手に2対0の完封勝利。原口がガッツポーズ。柏木は疲労からか、ピッチに座りこんだ。永田の周りにも選手が集まった。永田自身、最終ラインでのミスがあっただけに気持ちの晴れるゴールとなっただろう。ゴール裏には「浦和の男なら勝利あるのみ」と横断幕が上がった。