名古屋の勝負強さに負ける
FIFAワールドカップ・南アフリカ大会以降の公式戦の結果が対照的な浦和レッズと名古屋グランパス。リーグ第18節はアウェイ豊田スタジアムで開催された。浦和の栄光の歴史を支えた名古屋DF田中マルクス闘莉王にとっては、古巣との初対決であり、この一戦は試合前日から大きな注目を集めていた。
19時キックオフ。豊田スタジアムは真っ赤に染まった。立ち上がりから浦和は積極的に縦へ攻めていく。ダイレクトプレーに個々に得意のドリブルを入れながら、2位の名古屋を相手に良い距離感を保ってゴールを目指した。
先発には田中達也が入り、リーグ通算200試合出場を達成した。その達也は前半から全力で飛ばし、攻撃だけではなく、守備でも前線からのチェックを怠らず、チームプレーに徹した。その運動量が効き、前を向いてボールを受ける場面を多く演出した。
サヌ(右)と宇賀神友弥(左)の両サイドバックも互いに高い位置を保ち、攻撃に絡んだ。38分、宇賀神からのパスはわずかのタイミングで中央のエジミウソンに合わなかったが、宇賀神の積極的な縦への突破が生んだチャンスだった。一方、守備では名古屋の長身FWケネディをスピラノビッチと坪井慶介ががっちりと抑え、名古屋の攻撃陣に大きな仕事をさせなかった。
激しい攻防が展開された前半45分間。スコアは動かず、0対0のまま後半へ。ハーフタイムで動いたのは浦和、フォルカー・フィンケ監督だった。ポンテを下げ、平川忠亮を投入。平川が右サイドバックを務め、サヌを前へ出した。
後半に入ると、名古屋も動き始めた。まずは中盤の運動量を上げ、達也を自由にさせない。スペースを消された浦和の攻撃に前半ほどの勢いはなくなった。ハーフタイムにフィンケ監督は選手へ「後半は攻守の切り替えのスピードを落とさないように集中してプレーしていこう」と伝えていたが、受け身にまわることが多くなる。
浦和は53分、名古屋MFマギヌンをフリーにし、シュートを許してしまう。これは坪井が足を出してコーナーキックに逃れたが、ピンチは続き、54分に試合が動いた。マギヌンの右からの鋭いセンタリングにゴール中央で待ち構えていたのは闘莉王。得意のヘディングシュートで2試合連続ゴールを決めてみせた。
先制点を奪われた後、浦和はリズムを崩しかけたが、すかさずベンチも動き、61分、サヌを下げて原口元気を投入。達也に代わって前線で運動量を見せた。原口は守備でも味方の近くでプレーし、エジミウソン、柏木をサポートした。センターバックの2人もズルズルとラインが下がりがちになったところを踏ん張り、GK山岸範宏もファインセーブで応えた。
65分、宇賀神の一発が再び試合を動かした。ペナルティエリア左斜めから、京都サンガF.C.戦以来の得点をゴール右すみに決め、1対1の同点とした。67分には負傷(確認中)した様子の達也を下げ、ガンバ大阪戦以来の出場となる山田暢久を投入。山田暢は中盤(右前め中心)でプレーし、リズムを作った。
次の1点をどちらが決めるのか。79分、決めたのは名古屋FW玉田圭司だった。ケネディのシュートは山岸が防ぐも、こぼれ球に玉田が反応し、逆転。83分には4バックの中央に空いたスペースへ縦パスを通され、鋭く前を向いた玉田に2点目を決められた。
浦和は前半から集中力高く、豊富な運動量で戦った。しかし、少ない得点チャンスを奪って勝利を積み重ねてきた名古屋の自信と決定力とその勝負強さに1対3、力負けした。大宮アルディージャ戦、ヴィッセル神戸戦と下位チーム相手に連敗している浦和にとって、この名古屋戦は浮上のキッカケとしたかったが、上位との間にある大きな差を痛感する一戦に終わった。