確実に点を重ね、勝利
昨夜のことだ。リーグ第15節の対戦相手である京都サンガF.C.が、公式ホームページ上で第14節まで指揮を執った加藤久監督から現コーチの秋田豊氏へ監督を交代することを発表した。Jリーグの承認後に正式交代となるが、秋田氏にとって、この一戦は指揮官としての初陣となった。
きょうは心配された京都独特の気温の上昇はなく、湿度もそれほど高くない。紫のユニフォームの京都の選手にとっても、アウェーの白のユニフォームに袖を通した浦和の選手にとっても「暑さ」は言い訳にならない。どちらが勝利への執念をもって走りきることができるか。ポイントはここだ。
センターバックを務める山田暢久が第13節ガンバ大阪戦での退場処分を受けて出場停止中。スピラノビッチが今節も起用された。前節のサンフレッチェ広島戦ではスタミナ切れで途中交代となっただけに本来の力を発揮したいところ。また、ボランチの細貝萌が累積警告により出場停止。鈴木啓太が先発起用された。
前半、広島戦同様に自陣に人数をかけて守る京都に対し、浦和がボールを保持し、攻撃を展開し続けた。前節と違うのは相手陣内へ入った時のボールと人へのプレッシャーの差。比較的、容易にサイド攻撃を展開した。この主導権を握っている時間帯での得点が欲しいところ。
14分、右サイドバックの平川忠亮から低めのセンタリングが入り、エジミウソンがシュート。枠に飛ぶも、GKに阻まれてCKへ。16分、コースが空いたとみるや柏木陽介がシュートを放った。直後には右に流れた田中達也からのセンタリングにエジミウソンが合わせたが、シュートコースに味方選手がいて打ちきれなかった。
京都はカウンターでの一発狙い。前線はドゥトラ、ディエゴ、柳沢敦が構えた。浦和の相手陣内でのミスをつかれ、一気にボールを運ばれ、最後はディエゴのシュートを許した。GK山岸範宏が弾き、こぼれ球に詰め寄られたが、必死の守備で大きくクリアした。一瞬のスキが相手にビッグチャンスを与えることになる。
前半は0対0で折り返した。
後半、浦和は前半同様にパスをつないでいく。50分のFKのチャンスは惜しくも枠をとらえなかった。ベンチ脇では堀之内聖、宇賀神友弥がアップを開始する。選手交代も流れを変えるキッカケとなるが……。迎えた53分、中盤でパスを回していた浦和、左サイドバックのサヌが中央へと寄り、25メートルから30メートルの間から強烈なミドルシュートをゴールネットに突き刺した。そして、待望のゴールパフォーマンス“バック宙”を披露した。
先制点をあげた浦和。だが、勝利のためには相手の戦意がなくなるまで追加点を重ねたい。京都の秋田監督は58分、62分と立て続けに交代を行う。62分には柳沢敦を下げた。その直後だ。浦和は64分、エジミウソンからポンテとつなぎ、最後は冷静にゴール左へシュートを押し込んだ。ポンテの得点が決まり、2対0とリードを広げた。
72分、両チームが同時に選手交代を行った。浦和のフォルカー・フィンケ監督はサヌを下げ、宇賀神友弥を投入。一方の京都はドゥトラを下げ、FW金成勇を投入した。連戦中のJ1リーグというのも大きいだろう。
ダメ押し弾が欲しい時間帯。ここまでリーグ戦では10戦勝ち星なしの京都にミスが生まれた。自陣のペナルティエリア内でGK平井直人にミスが生じ、こぼれたところをエジミウソンがマイボールにしてゴールに押し込んだ。近くには水本裕貴もいた。意志疎通がうまくいかなかったか。浦和は確実に3点差とした。フィンケ監督は77分に柏木陽介を下げ、山田直輝を投入。82分には鈴木啓太を下げ、堀之内聖を投入し、交代枠をすべて使った。
ここで攻撃の手を休めてはいけない。勝負は得失点差へもつれることもある。88分、ぽっかりと空いた左サイド。ペナルティエリアの外から途中出場の宇賀神がシュートを放ち、ゴール右に決めて4対0とした。
西京極上空から落ちる雨が選手を冷静に戦わせたか。チームの現状を考えると、きょうの勝利は特別ではなく妥当な結果であると言える。だが、ひとまず勝ちきるイメージは思い出しただろう。浦和は勝ち点3を手にし、ホーム埼玉スタジアム2002へ戻り、31日(土)さいたまダービー、大宮アルディージャ戦を迎える。