終始、耐えるサッカーに
リーグ第14節の対戦相手は柏木陽介の古巣、サンフレッチェ広島。勝ち点1差で6位(浦和)、7位(広島)と並ぶ。広島GK西川周作は「勝って順位を入れ替えたい」と意気込み十分。浦和も前節ガンバ大阪戦で敗戦しただけに、坪井慶介は「連敗してはいけない」と口にし、気合いを高めた。
ホーム埼玉スタジアム2002での公式戦。肌にまとわりつくような蒸し暑さが続く。キックオフ前には2010FIFAワールドカップ南アフリカに出場した阿部勇樹へ子供たちから花束が贈呈された。その阿部は細貝萌と組み、中盤の底を支えた。
その他のメンバーは、ポンテがベンチスタートとなり、攻撃陣はエジミウソン、柏木陽介、山田直輝、田中達也という顔ぶれとなった。山田暢久が前節の退場をうけて2試合の出場停止処分となり、スタンドから戦況を見守ることに。最終ラインにはスピラノビッチが入り、坪井と組んだ。右サイドバックは平川忠亮、左はサヌと前節と変わらない。
前半は互いに相手が前へ出てくるのを待っている、そんな印象だった。この試合のゲームプランとして、広島FW佐藤寿人、柏木陽介が揃って口にしたのは「先制点を相手に与えないこと」である。体力面も考慮したのか、前半は動きの少ない展開となった。その中でチャンスを作ったのは広島。守から攻への切り替えが早く、縦パスを入れてボールを動かした。シュート場面ではGK山岸範宏がセーブし、ピンチを逃れたが、危ない時間が続いた。
0対0で折り返した後半、56分に右ペナルティエリア内で柏木が頭で落としたボールにエジミウソンがボレーシュートを放つが、これは大きく枠を外し、チャンスをモノにすることができない。広島も大きなチャンスに恵まれず、ここで両チームの監督が動きだした。
62分、浦和はセットプレーのタイミングで選手を投入した。山田直を下げ、ポンテを起用。セットプレー後に選手を投入したのは広島。FW山崎雅人を下げ、MF高萩洋次郎を起用した。さらに68分にはスピラノビッチに代え堀之内聖を投入。一方の広島も1分後にMF青山敏弘を下げ、DF横竹翔を投入した。ほぼ同タイムにフレッシュな選手を投入し、両チームの監督手腕が問われる試合とも言える。
72分、ここで試合が動く。ペナルティエリア内の狭いところからワンツーを通され、フィニッシュはDF槙野智章が決めた。ゴール右へとシュートを突き刺すと、槙野は広島サポーターの前でゴールパフォーマンスを披露し、沸かせた。浦和は緩急のある攻撃についていくことができなかった。
0対1となり、広島ペトロヴィッチ監督は槙野を下げ、MF丸谷拓也を起用。フィンケ監督も77分に細貝を下げ、エスクデロを投入した。そして、ボランチだった阿部を最終ラインへ下げ、堀之内をボランチでプレーさせた。
それでも浦和が力強くゴール前へボールを運ぶことはできず、スタジアムに集まった37470人のファンやサポーターの中には試合終了の笛を待たずに帰路へつく者も多かった。フィンケ監督はベンチを離れ、ラインぎりぎりのところから戦況を見守った。
最後は広島にコーナー付近で時間を使われ、ロスタイム4分も経過し、試合終了の笛が寂しく埼スタに鳴り響いた。リーグ再開試合となったG大阪戦から連敗を喫した浦和。ここからリーグ戦は連戦となり、28日(水)には京都、31日(土)には大宮とのさいたまダービーが待っている。