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川崎戦=試合ダイジェスト

得点の裏にある前線の貢献
フォルカー・フィンケ監督も監督記者会見の席で「入場料を取り戻せたのでは?」と語っていたが、埼玉スタジアムに集まった4万6千人のファン・サポーターは久しぶりに心の底から喜びを感じたのではないか。きょうの川崎戦に臨んだ選手は一人一人が自身の役割を認識して行動し、仲間のために走りきった。これまで、耳にタコができるほど、選手の口から「試合の入りを注意しなければ」という言葉を聞いてきたが、きょうの試合は選手がその言葉をきちんと体現してくれた。

立ち上がりの10分間で2ゴール。7分の先制点は川崎MF谷口のクリアボールがゴール中央に顔を出していた細貝萌に渡り、迷わず細貝が左足で強烈なミドルシュートを放って決めたもの。1分後、8分の追加点は田中達也とエジミウソンのワン・ツーから達也が得意のドリブルで右から中央へとボールを運び、こちらも左足でシュートを放った。きょうの達也は両足がつって71分に途中交代となったが、前線からの守備だけではなく、ゴールに向かう姿勢を含めて本来の達也らしさが戻っていた。スタンドから日本サッカー協会の原博実技術委員長が見守っていたが、夢の大舞台にむけて大きなアピールとなったのではないか。

センターバックで安定したプレーを見せた山田暢久は「きょうみたいに相手の攻撃のプレッシャーがあってなかなか後ろからビルドアップできない状態でも、前線のみんなが連動して得点してくれた」と、完封勝利には前線の貢献があったことを忘れてはいけないと言葉で示した。

ボランチの阿部は細貝のゴールや自身のゴールを振り返って「(ボランチが前に上がっていけるのは)エジや達也、ロビー、陽介がいるからこそ前に上がれる。彼らがキープできるから追い越せる」と前線の、得点を決めるという仕事以外のチームへの貢献に感謝した。

会見の席でも、ここ3試合の阿部の連続ゴールを含めて、ボランチの上がりについての質問があがったが、フィンケ監督は「チームが目指すボールオリエンテッドなプレーを実践すれば、そう珍しくはない」とごく自然な形で生まれたゴールだと絶賛まではしなかった。そして、ボランチを褒めるのではなく、FWエジミウソンの名前を挙げて「エジが優れた仕事をした。一部の人はゴールを決めなかったからと“きょうの彼は良くなかった”と言うかもしれない。しかし、違う。彼はとても優れたプレーをしていた」と評価した。

サッカーにおいて、シュートの精度以外は自分以外の選手のサポートを受けなくてはなかなか前には進めない。きょうは細貝のゴールから始まった。細貝のゴールの裏には前線の選手の献身的なプレーがあった。

戦術、戦略の前に必要な互いをサポートし合う姿勢、その動きをフィンケ監督は昨年から求め続けてきた。これまでは同じイメージを描けずに、どこかにズレが生じていた。きょうの試合は強力な攻撃陣をそろえる川崎が相手だった。その川崎に、川崎らしい試合をほぼさせなかったことは、少しずつチームとして目指すものが形になっているという証拠や自信になるだろう。

また、きょうも途中出場の役割を完璧にこなした堀之内聖にゴールが生まれたこと、PKという失点覚悟の場面で山岸範宏が集中力高く右手で止め、完封勝利につながったこともチームに活気を与える材料になる。シュートを打たなければゴールは生まれないし、誰かが抜けた穴を埋める選手がいなければ相手にチャンスを与えてしまう。また、得点機やピンチをプラスに働かせること、それら一つ一つの要素が重なり合って勝利が生まれる。改めてきょうは勝敗を左右する肝が何なのかを感じたように思う。
(レッズプレス!!有賀久子)

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