原口が開幕を間近に控え、危機感を募らせている。プロ契約した昨季はリーグ戦34試合中、32試合に出場し29試合で先発。左の攻撃的MFでレギュラーを獲得した。しかし今季は定位置の座を確保できるか微妙な情勢なのだ。
「中盤に新しい選手が入ってきたし、セル(エスクデロ)も調子がいい。(開幕戦には)誰が出てもおかしくないので、出場するには金曜日まで頑張ってアピールするしかない」と真剣な表情で話した。この日も雨の中、GK加藤とともに居残りでシュート練習をこなすなど、安穏としていられない心境が伝わってきた。
8キロの減量に成功し、昨年とは比較にならないほどの抜群の切れ味を見せているエスクデロ。堀之内は「摂生して動きが抜群にいいことは、誰の目にも明らか」と絶賛する。
加えてパスとドリブルとシュートに非凡な才能を示す柏木が加入してきた。ポンテもいるし、ともにリハビリ中の梅崎と山田直が復活してきたら、原口も昨季のような左サイドの王様ではいられなくなる。
根気よくシュート練習を続けるのは、ゴールがほしいからだ。昨季はあれだけの出場数ながら、リーグ戦とナビスコカップでそれぞれ1点ずつしか奪えなかった。「もっと得点しないといけない。ロビー(ポンテ)や柏木さんという優れたパサーがいるので、いい動きをすれば点も取れる。足元でパスを受けるだけでは駄目ですね」と、左サイドに張り付いて球を預かるだけのスタイルから脱皮しようと模索中だ。
昨季からポンテに口すっぱく指摘されていたのが、守備の背後を狙うことだったが、あまり実践できなかった。「柏木さんにも同じことを言われました」。司令官は2人とも原口のプレーの幅を広げるため、全く同じ助言をしていたのだ。
柏木の弁。「俺がパスをもらったら危険な所へ走れ、と原口には話しているんですよ」
確かに原口のドリブルは、独特のリズムでマークする相手にはやっかいだ。しかし常に守備網の裏をかすめ取ろうとする達也のような動きが増えれば、さらに危険な選手に成長できる。足元で受けて多勢を抜く作業より、スペースを突いて無勢のゴール前で勝負するほうが、得点とアシストの可能性ははるかに大きい。
プロ2年目の今季、原口がマイナーチェンジできるか楽しみでもある。
(河野正)
「守備の裏を突きたい」と原口