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無料練習レポート

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F東京戦=有賀久子の試合分析

0対3で惨敗した大宮戦を受け、昨日のFC東京戦までの2週間はゲーム練習を中心にメニューを組み、ポゼッションサッカーの基本となる動き【選手同士の距離、オフ・ザ・ボールの動き】を徹底的に確認してきた。

だが、その動きを、多少ではあるが表現できたのは後半に入ってからだ。

前半は東京が最終ラインの背後を狙って攻撃を組立て、守備では、ボール保持者に対してサポートの動きが少ない浦和の攻撃陣を数名で囲み、サイドに追いこんで展開を止めていた。ここは今季の課題であり、浦和は『らしさ』を出せぬまま、前半45分間を終えた。

それでも、その他の試合と違って、前半を0対0で終える事ができたのが勝ち点3につながる。東京戦の前・後半で共通して言える事だが、この試合はしっかりとオフサイドがとれた。フォルカー・フィンケ監督が試合終了後の会見で選手名を挙げて褒めていたが、90分間通じてラインが統率されていた。

これは山田暢久がインフルエンザ濃厚接触者となり、練習に参加できない日が続いたため、この試合で先発した経験の浅い高橋峻希が長い時間、最終ラインの一員として(闘莉王はリハビリで離れていたが)練習を積む事ができたのが功を奏したと言えるだろう。

高橋は「自信を持ってプレーする事ができた。東京はパスまわしが上手い。1人で飛び込むとかわされるので、じっとしてチャンスをうかがっていた」と冷静な頭で話した。集中して、最初から試合に入れた事が伝わってくる。後半にはようやくチーム全体にコンビネーションプレーがうまれ、先制点のシーンでは高橋が原口元気とのコンビプレーから抜け出し、エジミウソンのゴールをアシストした。

直後に原口が1試合で2枚目の警告を受けて退場処分となり、10人での戦いを強いられたが、前半から続く守備のバランス、意識が数的不利になった事でさらに高まった。攻撃の予感はぐっと減って終始東京ペースとなったが、完封勝利にもちこむ事はできたのは山岸範宏をはじめとする守備陣の頑張りのひと言だ。

欲を言えば、81分に登場した高原直泰の投入がもう少し早ければ追加点を狙えたかもしれない。高原には攻撃の起点となるだけの体の強さ、タメを作れるテクニックがある。彼が投入された時には田中達也もおらず、梅崎司にも疲れの色が見え始め、選手との距離が開いてしまった。高原の使い方は今季通じて明確にならず、非常に残念でならない。

東京戦の勝因は2週間の練習を表現できた後半にきっちりと点を奪う事ができた事だ。しかし、数的不利となってからのチームとしての対応がうまくいったという表現が正しく、浦和レッズが今目指しているサッカーの形からは遠いという事を感じていなければいけない。

浦和は、東京のような速攻に定評のあるチームに対して守備の意識を高めつつも、攻撃ではショートカウンターもボールをしっかりとつないでからの形もできる厚みのある攻撃を見せなければならない。

試合後に梅崎が言った「毎試合、違うチームになってしまう」という言葉を、彼だけではなく、その他の選手も、そして我々も記憶に刻んで今後を観ていかなければならない。
(レッズプレス!!有賀久子)


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