若手、中堅、ベテランの融合
浦和が前節の新潟戦に続いて無失点勝利を飾り、2年ぶりの決勝トーナメント進出に前進した。
いきなりアクシデントに見舞われた。前半6分、三都主がピッチに倒れてもんどり打った。「ダッシュしたときに右太もも裏を痛めた」と三都主。代わって左サイドバックを任されたのが、今季浦和ユースから昇格し、4日前の新潟戦で初めてベンチ入りした18歳の永田拓也だ。
しかし、8分にプロデビューした新人は少しの違和感もなく試合の流れに乗り、前半23分には右の高原に絶品のチェンジサイドのパスを送った。こんな一体感、チームの融合がすぐさま高原の決勝点を呼び込む。
25分、左のエスクデロから中央の鈴木啓太を経由し、右のエジミウソンへとパスがよどみなく通った。エジミウソンから最終パスを預かった高原が左足で今季初ゴールをけり込んだ。リーグとナビスコカップを合わせ、17試合目でようやく得点した元日本代表は「新潟戦からポジショニングやゴール前への入り方が良くなっていた。20代最後の得点? これからも(このプレーを)続けていかなければ意味がない」と手放しでは喜んでいなかった。
6月4日に30歳になる高原とは対照的に、18歳の永田は満面に笑みを浮かべっ放しでプロ第1戦を振り返った。「多くのユース組が試合に出る中、焦りはあったが、1日1日を大事に過ごしてきました。外から試合を見たり、練習中でも自分が出たらどうやろうかと考えていた。うれしいです」と笑みが絶えなかった。
守りもそつがなかった。前半に守備ラインを崩された場面は1度もなく、13分に萬代に際どいロングシュートを打たれたくらいだ。ところが後半は28分、31分、42分にあわやの3失点というピンチを迎えた。
この危機を救ったのがGK山岸で、3本とも好守を見せて失点を防いだ。リーグ開幕から先発を続ける都築が日本代表で不在の中、確実に結果を出している。啓太は「ギシが助けてくれた」と言い、細貝も「キーパーが何度も止めてくれて助けられた」と感謝する。しかし当人は「あれは守備範囲だし、(特別に)当たっていたとは思わない。自分の仕事をしただけ」と落ち着いた口ぶりで淡々としたものだった。
終盤にピンチが訪れたのは若手が集中力を切らし、ミスをしたのが原因と説明したフィンケ監督だが、「キーパーが良く、山田暢と坪井が優れたプレーでカバーしてくれたから」と若手、中堅、ベテランが融合し、組織力で勝ち取った勝利であることを強調した。
次々と若い力が台頭し、経験豊かな選手が渋い味を出す。日本代表がいなくても、浦和の顔が出来上がってきた。
文/河野正