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[REDSインタビュー番外編]オルカ鴨川FC BU永井良明監督「指導の原点はハートフルクラブ」

「REDSインタビュー」は、トップチームやレディース選手、監督、スタッフ、関係者などを掲載するコーナーだ。今回は、浦和レッズレディースのコーチなどを歴任し、2022年3月1日からオルカ鴨川FC BUの監督に就任した永井良明氏に話を聞いた。


(石田達也)

永井氏は2005年から浦和レッズにハートフルクラブ(2005年〜2008年:アシスタントコーチ、2008年〜2012年/2015年〜2019年:メインコーチ)に携わり、2012年には浦和レッズレディーストップチームコーチ、2013年は浦和ジュニアユース監督、そして2019年から南房総の鴨川に指導の場を移し、なでしこリーグ・オルカ鴨川FCのU-15、U-18の監督を歴任してきた。

永井監督の指導の原点は、浦和でのハートフルクラブだという。「一生懸命にやること、話しを聞くこと、思いやりの気持ちを持つこと」をコーチとしての礎にした。また個のキャラクターや強みを磨き上げ、選手の成長を図り、鴨川の地からサッカー界に恩返しをしたいと意気込んでいる。


■池田太監督の背中を追って

RP:オルカ鴨川FC U-18/U-15の監督からBUの監督へと就任をされましたが、このBUについて少し教えてください。
永井:トップチームと育成の間にあるチームで、中々、他クラブではない立ち位置のチームです。オルカに来て3年経ちますが、クラブの中で目立ったものになればいいと思っています。高校を卒業した子、大学を卒業した子も含めて、社会人という大きな枠の中でプレーしています。新卒でも即戦力でなければ、中々、試合に絡めませんが、そこをカバーできる。公式戦(千葉県女子サッカーリーグ、皇后杯予選)で経験を積み、直ぐにトップチームに練習参加させることができるのは、BUの良さであります。現在は、24名が所属(国際武道大学、亀田医療大学、社会人)し、練習に励んでいます。

RP:BUの存在は、よりトップチームを目指すための目標になっていますね。
永井:はい。いつでもトップチームに呼ばれたら練習参加、試合に出場できるように臨んでいます。BUの選手がトップチームに昇格することで、周りには大きな刺激となり、「ここで頑張ればトップチームに呼ばれる」と大きな目標になっていると感じます。

RP:永井監督の目から見て、どんな選手が大きな成長を遂げるのでしょうか?
永井:第一にサッカーが好きなことです。練習が終わっても、「まだサッカーをしたいと口にする選手」。そして自分の良さを伸ばせることです。「弱点があってもストロングポイントを伸ばして欲しい」と伝えていますし、そういう選手が成長していくと考えます。

RP:ちなみに選手に対し、前向きなスイッチを入れるための秘訣はありますか?
永井:上からモノを言わないこと、こうしろと決めつけることもしませんし、同じ目線でコミュニケーションを取ります。答えは一つではなく、選択肢を増やし、自分の判断を大事にさせています。私の好きな言葉なのですが「自分のプレーに自信を持ち、自分らしく頑張ろう」と選手には伝えています。

RP:この南房総の鴨川の地でサッカーを普及させることについては。
永井:人口約3万人の土地で、少子化の影響もあり普及をさせることは大変な一面もあります。自分がサッカー教室や普及活動に参加する中で、地元の子どもたちは、サッカーに触れる機会が少なかったという印象があります。活動後に話を聞くと「楽しかった」と言ってくれます。学校の先生にも「継続して欲しい」と言葉をもらっていますし、サッカーを好きに、オルカを好きになってもらえる手応えを感じています。やりがいを感じていますね。

RP:浦和でのコーチ業やハートフルクラブでの活動を振り返ると思い出に残っているエピソードはありますか?
永井:指導者としての原点はハートフルです。落合(弘)さんの「サッカーだけ上手い選手は続かない。心が大事なんだ」と言う言葉が胸に残っています。その中でハートフルの「一生懸命にやること、話しを聞くこと、思いやりの気持ちを持つこと」を大事にしています。私はハートフルが大好きです。

RP:浦和時代、永井監督の下で成長した選手も多いのではないですか?
永井:日本女子代表組では池田(咲紀子)、猶本(光)、高橋(はな)には関わっていました。今でもサッカーの話をすることもあり嬉しいです。また池田太(日本女子代表監督)さんともハートフルで一緒にコーチをしていた時期があり、多くのことを教えていただきました。浦和時代を共に過ごした人たちの活躍を見ると「もっと頑張ろう」という気持になりますね。

RP:選手の成長というのは、指導する上で本当に楽しみですね。
永井:特に高橋は中学2年生の時に見ていて、この子の成長は楽しみだと思っていました。技術的にはそれほど高くはありませんが、当時から前にいく強さを持っていました。年代別の代表に選出されない時に「今のまま続ければ絶対に良くなる。腐らず、頑張れ」と言ったことも思い出の1つです。

RP:ハートフルでのサブテーマ「守破離」(*物事を習得していく3段階の言葉)が役に立っていることはありますか?
永井:「守破離」で言えば、指導者として、人としてのベースを浦和で作らせてもらい、今は「離」の部分で、浦和で経験させてもらったことを鴨川の地でサッカーを通して恩返しさせてもらっています。先日、落合さんに会った時に「お前は、そのまま頑張れよ」と言ってもらえたことは励みになりました。

RP:オルカの北本綾子GMは、永井監督のことを「情熱家で、くすぶっている選手を伸ばすこと、選手のスイッチの入れ方が上手い」と評価していましたが。
永井:本当ですか。なおさら頑張らないといけませんね(笑)。情熱は選手に伝わりますし、それを感じて選手は付いてくると思ってくれるので意識している訳ではありませんが、心掛けていますね。

RP:BUを指揮する中で、どんな選手を育てたいと思っていますか?
永井:その選手の良さを出させてあげたいですし、見ている人がワクワクする選手を育てたい。「止めて・蹴る」という部分で上手い子は多いのですが、個の良さが見えづらくなっています。一人ひとりの良さを出しながら生かすこと、自分の良さを出すことがチームの良さにつながり結果に表れると思っています。

RP:最後に永井監督が理想とする指導者像を教えてください。
永井:代表の指揮を執る池田監督ですね。色々なことを相談させてもらい、的確にその答えを返していただいています。困った時には頼っています。それは「なぜか?」と言えば、池田監督は本当に情熱のある方で、サッカーの知識、選手に対しての向き合い方、チームをまとめること、サッカー以外の部分でも尊敬することばかりです。多分、自分は一生、池田監督の背中を追っていくんだろうなと思っています。


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