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[REDSインタビュー]「広島の方から愛されるチームをみんなで作りたい」。サンフレッチェ広島レジーナDF木?あおいの「いま」

「REDSインタビュー」は、トップチームやレディースの選手、監督、スタッフ、関係者などのインタビューを掲載するコーナー。今回はWEリーグ サンフレッチェ広島レジーナDF木?あおい選手にビデオ通話アプリ「Zoom」を使いインタビューを行った。


(佐藤亮太)




RP:WEリーグの第6節は、三菱重工浦和レッズレディース(以下・浦和)とサンフレッチェ広島レジーナ(以下・S広島R)との一戦は、浦和に押し込まれながらも、試合終了間際、カウンターからゴールを決め、2対1でS広島Rが勝ちました。
プレシーズンを見た時から、S広島Rは、新チームながら良いチームだなという印象でした。浦和戦だけを見ると、タイプは堅守速攻なのかな、と思いましたが、S広島Rは、どのようなサッカーを目指していますか?
木?:自分たちでボールを握りながらゲームを進めていくことを目標としています。浦和戦では、どうしても主導権を握られてしまうので、まずは守備からという考えで、試合に入りました。

RP:試合を振り返りますと、シュート数は浦和の21本に対して、広島は7本。文字通り、粘り勝ちでしたね。
木?:試合前、相手は浦和なので、ボールを持たれてしまうと予測していました。そのなかで、全員で絶対にやらせないと意識して試合に入ることができましたが、我慢の時間が続きました。後半途中(68分)からピッチに入ったMF齋原みず稀選手が最後に決めてくれたので、チームとして助かりました。途中交代で入った選手が活躍してくれたのは、個人としてもチームとしても、すごく嬉しかったです。

RP:木?選手にとっては、古巣との対戦。そして、浦和駒場スタジアムでのゲームでした。いつも以上の気持ちでゲームに臨んだのではないでしょうか。
木?:中学の頃から浦和駒場スタジアムでプレーしました。対戦相手は全員、知っている選手なので、本当に「楽しみ」という気持ちが一番でした。

RP:木?選手は左サイドバックで出場しましたから、マッチアップは清家貴子選手ですよね。どうでしたか?
木?:中学からのチームメート。何度も対戦しているので、確実に縦に来るな、と分かっていました。清家選手の特長を把握しながら、個人としては、まずは負けないことを一番に、他の選手との連係もうまくできました。やはり、他の試合にはない楽しさがありましたね。

RP:ポジションの話ですが、もともとはボランチだったと記憶しています。もう、すっかりとサイドバックのプレーに板についた感じですかね。
木?:もちろん、真ん中(ボランチ)の楽しさもありますが、サイドバックでのプレーを始めてから、その楽しさを知りました。やりがいのあるポジションです。私は、スピードはありませんが、ゲームを組み立てながら、まわりの選手を生かせる、そこがサイドバックの面白さです。

RP:木?選手はレッズレディース から、ちふれASエルフィン埼玉に移籍し、そして今シーズン、S広島Rに加入しました。まっさらなチームに移籍することは、なかなか決断が必要だったと想像します。どのような経緯で、S広島Rに加入したのでしょうか?
木?:S広島Rからオファーがあった時、中村伸監督とお話しする機会がありました。その際、中村監督が話していた「全員でチームを作っていく」「全員が共感しながら進めていくプレースタイル」というところに、とても魅力を感じました。
自分が2年後、3年後、4年後と長い目で見た時に、成長できる環境に身を置いてプレーしたいと思い、S広島Rでの挑戦を決めました。

RP:新しいチームを作る。そうした楽しさがある反面、新チームならでは、の戸惑いはあったのではないでしょうか。
木?:最初はチームメートを誰も知らなかったので、緊張もしましたし、慣れるまで時間がかかるかな、と思いました。でも、みんなが本当にチームのことが大好きで、優しくて良い子がたくさんいるので、楽しいです。当然、厳しさはありますが、素敵なチームです。

RP:中村監督は、どんなタイプの監督でしょうか。
木?:タイプで言うと…厳しく指示を出す時はありますが、基本的に優しくて…、お父さんって感じです(笑)。チームメートみんな、そう感じていると思いますよ。

RP:木?選手にとって、広島という土地は初めての場所だと思いますが、関東、あるいは埼玉と違う部分で、何か気が付いたことはありますか?
木?:広島は、スポーツがさかんな街ですね。プロ野球の広島カープもそうですが、サンフレッチェ広島、そしてサンフレッチェ広島レジーナも含めて、いろいろなスポーツをテレビで放送して頂いています。地域性を感じます。
サンフレッチェ広島もそうですが、地元のテレビ局にサンフレッチェ広島レジーナもWEリーグ開幕前、土曜日の夕方に30分の特番で取り上げて頂きました。また、開幕戦の翌日の夕方のニュースではハイライトが流されたり、埼玉ではなかなかない経験だったので、ビックリしました。
あと、広島にはお好み焼き屋さんが多く、歩いているとすぐお好み焼き屋さんがあるぐらいで。また、街で声をかけてもらえることも多く…、番組のおかげです。
温かい方が多く、ご飯を食べている時に気づいて頂けることがあったりします。「写真、撮って良いですか」とか、サインを飾らせてもらうこともあります。あったかい街ですね。

RP:S広島Rの中心選手のひとりに、MF近賀ゆかり選手がいます。浦和戦ではかなり効いていましたが、近賀選手はどんな方ですか。
木?:近賀選手は、私が小さい頃に見た、なでしこジャパンで活躍していた憧れの選手というか…遠い存在の選手でした。でも今は、同じチームでサッカーしている。そのことに、はじめのうちは「あ!近賀選手だ!」という感じで慣れませんでした。サッカーへの姿勢、普段の生活もそうですが、これだけ長く続けられているのは、本当にすごいことだな、と感じます。そしてキャプテンとして、ひとりの選手として、チームのことを考えて、行動してくれます。プレーも、身体を張るところがすごい。球ぎわの強さは、わたしもそうですが、若い選手は刺激を受けています。本当に負けていられないな、と感じます。みんなのお手本になっていただいていると感じます。ピッチ外も優しくて…みんなと真面目な話をしますが、フクさん(GK福元美穂選手)がふざけたり(笑)。チームの雰囲気は明るくなります。本当にお手本になります。

RP:なるほど。記者席からもS広島Rのチームの明るさ、雰囲気の良さが伝わったので、今までのお話を聞いて、合点がいきました。
そうしたムードとともに、新しいチームは、自分たちの色に染められることができます。その点は楽しみであり、責任が伴います。そこで、木?選手は、S広島Rをどういった色のチームにしたいですか?
木?:サッカーの部分で言いますと、全員がチームのためにというところですね。個人それぞれが違う方向を向くのではなく、チームとして同じ方向、同じ目標を見ながら、進みたいですし、そこの結果がついてくれば、最高です。また見ている方がもう一回、見に行きたいとか、元気をもらったと言ってもらえるサッカーを見せたいです。「広島のかたから愛されるチームを、みんなで作りたい」。そうチームメートと話しています。

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