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[REDSインタビュー]塩田仁史選手に聞く、GKに大事な声にまつわる話

「REDSインタビュー」は、トップチームやレディースの選手、監督、スタッフ、関係者などのインタビューを掲載するコーナー。今回はトップチームから、GK塩田仁史選手にビデオ通話アプリ「Zoom」を使い、インタビューを行った。


(佐藤亮太)



RP:GKの声、声の出し方について興味があります。たとえば、キャッチングは教わっても、声の出し方を教えてくれることは少ないと思うのです。大きな指示の声は、あらゆる場面でとても重要なのに。そこで聞ける範囲で、他のチームですが、声をテーマに話を聞いたところ、その選手の見解を話してくれた後、「このテーマならば、シオさんに聞くのが一番良いですよ」ということでお聞きしたいと思います。
塩田:たしかに、シーズンのはじめに試合に出ると、声がガラガラになりますね。オフシーズン、声を張り上げることはないので。その後、徐々にノドがその強度に慣れていきます。シーズンのはじめはトーンを合わせるために、ぼくの場合は意識してガッと大きく声を出します。血管が切れるのではないかというぐらいに大きな声を出します。たとえば、対人にメニューで3対3のスモールゲームをやる時は、声を出し続けるように意識しています。徐々にというよりは一気に上げていきます。

RP:試合中に飲水タイムがありますが、あるGKの選手は、飲水タイムの意味が他の選手と少し違う、と話していました。特に後半の飲水タイムは、ノドを潤す「命の水」だと言っていました。
塩田:そうなのですね。そう考えると、僕のノドは強いのかもしれませんね。後半の最後の方で気にしたことがないというか…。ベンチで声を出していても響くと言われますし…。ノドを潤す、という感覚がないですね。でも、(首の後ろにさしながら)本当に血管は切れそうになりますよ。特にシーズン始めは。だから(首まわりが)筋肉痛になります。身体全体で出しているイメージかもしれません。「声出せ!」という人がよくいますが、1人1人で、ノドは違いますよね。そういえば、艶彩は、いつも裏返るのですよ、声が。「キーパー!!」と声を出した時に、裏返って、ちゃんと聞き取れないことがあります。

RP:そもそも、この声にまつわる話をお聞きしたのは、その鈴木選手が初めて公式戦に出た翌日だったと記憶していますが、声がかすれて出ていなかったのです。そのことを浜野GKコーチから指摘されていて「うちで、声合宿するか?」と言われたのをピッチのそばで聞きました。サッカーにおいて声は重要なはずなのに、今ひとつ、ケアだったり、鍛え方のようなものがないな、と思ったのがキッカケでした。
塩田:たしかに。学生の時に「声出し」があったのでやりました。下級生の時、高体連で上級生が出ている試合を応援するとか、大きなメガホンで応援したり、とか。もしかしたら、若い時に自然と鍛えられたのかもしれません。今のユース選手は、そうした機会はないと思うのです。試合の時に応援を経験することなど。ユースの選手はこのコロナの状況が良くなったら、トップチームの試合でスタンドへ行って、サポーターの皆さんと一緒に声を出して応援すれば良いと思いますよ。そういえば、FC東京のGK波多野(豪選手)は、(下部組織の時に)スタンドで応援していました。だから、強いのだと思いますよ。コロナが終わったら、ユースの選手はやった方が良いと思いますよ。スタンドに入って。「声、出せ!」とか言われて。

RP:隣で声を出していた選手が数年後、埼スタのピッチでプレーしていたら、サポーターにとっても、選手にとっても良い思い出になりますね、きっと。

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