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REDSインタビュー

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REDSインタビュー。オルカ鴨川FC・吉良知夏「求めるものはゴール。チームとともに成長する」

「REDSインタビュー」は、トップチームやレディースの選手、監督、スタッフ、関係者などのインタビューを掲載するコーナー。今回は浦和レッズレディース退団後、オーストラリアのメルボルン・シティFCでプレーし、今季の途中加入でプレナスなでしこリーグ1部のオルカ鴨川FCでプレーする吉良知夏選手にインタビューを行った。メルボルン・シティFC在籍時のインタビューと合わせてお読み下さい。




(石田達也)

■必要とされるチームで活躍をしたい

RP:前回は3月、メルボルン・シティFCに所属していたときにお話を聞かせてもらいました。あのとき、今後については「ノープラン」「海外でチャレンジをしたい」と話していましたが、日本に帰国し、オルカ鴨川FCでプレーすることを決断した理由について教えてください。
吉良:メルボルンでの生活は4月で終わり、4月の中旬に帰国しました。帰国にあたり、所属チームはなく、まだまだ海外でプレーをしたいという気持ちがあり、チームを探していたときに、浦和レッズレディースOGである、オルカの北本綾子GMから連絡をもらいました。そこで、オルカに誘っていただきました。自分は、正直に「また海外でプレーしたい気持ち」を伝えさせてもらい、その後、直接会う機会を作ってもらったときに、「オルカにはこういう選手が必要だ」と言われ、1人の選手として必要とされるチームで活躍したいという気持ち、オルカで成長したいと思えたことがきっかけで、決断は早かったです。

RP:ある意味では、トントン拍子ですね。
吉良:夏のタイミングで海外に行きたかったのですが、コロナ禍もあって、行けるのかも分からずで、体を動かすこと、試合勘を維持したいこと、私の気持ちのすべてを聞いた上で、オルカには誘ってもらいました。

RP:このインタビューをする前に北本GMに話をさせていただき、「得点の部分でチームの力となってほしいこと。そして、本人にも得点を取っていくことで、ゴール感覚をさらにつけてもらいたい」と言っていましたが、吉良選手はどう感じていますか?
吉良:得点に絡む部分は、自分に求められていることです。自分自身もあまり得点を取れていない中でオルカに呼んでいただいたので、得点を取りたい気持ちが大きく、自分が追及したい部分と北本GMとチームが求めていることが同じだったので、そこは決断に至った理由の1つです。

RP:吉良選手にとって、北本GMはどのような存在なのですか?
吉良:憧れです。人柄も良く、話を聞くと引き込まれますし、そして面倒見も良い。浦和L時代には私がケガをしていたため、3カ月ほどしか一緒にプレーをしていないのですが、サッカーに関してはスーパースターで、唯一無二のストライカーだと思っています。こうした形でお世話になり、うれしさを感じます。

RP:鴨川の生活には慣れましたか?
吉良:はい。慣れました!まだ移動するときはナビを使っていますが(笑)。最初、海を見たときはテンションが上がりましたね。地元の大分に似ていて、住みやすいです。実は、おばあちゃんが海女さんをしていたこともあり、小学生のころは一緒に潜っていましたし、将来の夢は海女さんか、サッカー選手でした(笑)。

RP:6月16日にリリースがありました。もうすでにチームには馴染んでいますか?
吉良:前向きに決断をしたときに、オルカのホームページを見ました。そして、試合も見ました。自分は途中加入なので、オルカの選手の名前と顔、ポジションを知っておきたかったので、すぐにパンフレットなどを見て覚えましたし、チームにはスムーズに入れて、コミュニケーションもとれています。ただ、国内移籍が初めてなので、めっちゃ緊張しました(笑)。基本、人見知りなので。

RP:人見知り?!想像がつきませんね。
吉良:チームのメンバーも緊張していた、と言っていましたし、もっと怖い人だと思った、とも言われました(笑)。1日でも早く馴染めるように声をかけて話をしましたし、最初に合流したときの紅白戦後に「ここはこうだよね」などの話をしてからは、とても早く馴染むことができたと思いますし、溶け込みやすかったです。

RP:オルカのイメージについて教えてください。
吉良:地域に密着し、応援されるチームです。個々のプレーはうまいと思いました。まだまだチームとしてうまくなれると思いますし、上の順位にいるべきだ、と思います。この順位にいるべきチームではないです。北本さんがドンでいるので、上に行きたいです(笑)。

RP:プロ契約だと聞きました。1日の流れについて教えてください。
吉良:午前の空いている時間はビジネスの勉強をしたり、ジムでトレーニングをしたり、ランチを食べた後はケアをして、午後4時からのトレーニングに向かいます。これが定着しつつありますね。



■得点を取りチームを活性化させる

RP:チームから10番を託されて期待の高さもうかがえますが。
吉良:いま、チームはあまり勝てていません。「やれるのに自信がない」と感じています。大袈裟ではないのですが、1人、2人、近くのポジションの選手、そしてチーム全体を巻き込みながら、良い雰囲気を作っていきたいと思っています。

RP:5勝4分6敗(11得点:14失点)で、チームは7位(7月13日現在)です。結果だけ見ると得点力が不足している印象ですが。
(*14節スフィーダ世田谷FC戦で今季初先発初得点を記録)。
吉良:小川貴史監督としっかりとコミュニケーションをとれています。話し合いで解決できることも多いと感じているので、チーム全体が前向きに自信を持ってプレーすれば、もっと得点も取れるだろうし、もっと楽しく取り組めると思っています。

RP:もともとコミュニケーション能力に長けている人なのですね。
吉良:いえいえ(笑)。全然、そんなタイプではなく、途中加入なので、怖いものなし的な感じです。鈴木陽選手も、私の数日前に加入し、彼女のような明るいキャラはチームに良い影響を与えてくれますね。

RP:ちなみに鈴木陽選手は浦和レッズレディースユースの出身ですが、接点はありましたか?
吉良:接点はなかったのですが、レッズからAC長野パルセイロ・レディースに移籍をした選手を通して知り合いました。そこで「海外に行きたい」という話を聞いていました。自分より先にオルカからリリース発表があったので、めっちゃうれしいと思いました。同じポジションですが、彼女も得点を取りたいという気持ちだと思いますし、1人ではないというか、心強いですね。練習試合では鈴木選手と組み、それぞれの良さを分かった上でプレーをしているので良い部分を引き出すようにプレーしています。

RP:鈴木陽選手と仲が良いですね。
吉良:仲は良いですね。オフは一緒にいるわけではありませんが、信頼をしています。21歳に見えません。発言は大人ですが(笑)。



RP:では、現在のコンディションについて教えてください。
吉良:今までは天然芝で練習をしていたのですが、人工芝での練習に慣れず足に負担がかかっています。また、久しぶりのチーム練習で身体もビックリしているところもあります。ただ、時間がある中ではジムを使わせてもらっていますし、ケアもできる時間があるので、少しずつコンディションは上がってきています。コミュニケーションのところでは、スタメン組とサブ組でゲームをしますが、自分が感じたことを伝えていますし、コミュニケーションや連係はもっと良くなっていくと思います。

RP:よりゲームメークの部分も求められていますね。
吉良:多くのチャンスを作らないといけませんし、自分も得点を取りたいので、ブレずにやっていきたいです。

RP:今季のオルカの特長を教えてください。
吉良:パスをつなげられている試合もありますが、まだ蹴ってしまう場面もあるので、蹴るならば、こぼれ球の準備をしなければいけません。蹴らなくてもつなげられるところもあるので、自分たちの時間を長くすれば疲れませんし、メンタル的にも「回せている」という気持ちになります。よりつなげるサッカーの起点になりたいと思っています。

RP:前回のインタビューでは外国籍選手のシュート意識がすごい、と言っていましたが、影響を受けましたか?
吉良:海外に行って感じました。そこが自分に足りていないので学べましたし、それをオルカで出したいと思いつつ、周りを生かして生かされるというのが自分のプレースタイルなのでうまくやっていければと思っています。

RP:今季、自分に課しているルールや目標はありますか?
吉良:試合に出るからには得点を取りたいです。得点を取れば、後ろには守ってくれるメンバーもいて、そこは信頼をしているので、前が得点を取れば勝てると思っています。90分を通してチームが勝つことが大事だと考えます。

RP:なでしこリーグも後半戦がスタートしていますが、ここから上位に食い込んでいくためには何が必要だと感じていますか?
吉良:自分たちは“やれる”と思わせるようなプレーを前から見せていきたいですし、体を張ること、得点を決めることでチームは活気づくので、個人的には得点を取ることで活性化させたいと思っています。一つひとつのプレーで勝ちたいという気持ちを伝えたいです。良い影響を与えられる存在が理想で、それをピッチで体現することで多くのサポーターもついてきてくれると思います。多くの方々に応援されるチームになれたらうれしいですね。

RP:最後に今季の意気込みを教えてください。
吉良:個人として得点にこだわりたいですし、リーグ戦が終了したときにはチーム内の得点王になっていたいです。鈴木選手が2ケタ得点と言っていたので、それを超えなければ一番になれないので、しっかりと目標に向かって頑張ります。そしてチームを上位に引き上げたいです。チームとともに成長し上に行きたいですね。



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