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REDSインタビュー

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インタビュー番外編・町田也真人(大分トリニータ、『YAMATO SOCCER SCHOOL』代表)「地元・さいたま市からプロ選手を輩出したい!」

「REDSインタビュー」は、浦和レッズの選手や監督、スタッフ、関係者などへのインタビューを掲載するコーナーだが、今回は番外編として、地元・さいたま市で生まれ育ったJリーガー町田也真人選手(大分トリニータ)に、西浦和に開校したサッカースクール『YAMATO SOCCER SCHOOL』の話や対戦相手とした見た浦和、影響を受けた選手、そして大分のコロナ対策についてなどをビデオ通話アプリZoomを使いインタビューを行った。




■プロフィール

町田也真人1989年12月19日生 166?・59?

1996年  浦和別所サッカー少年団
2001年 FC浦和
2002年  さいたま市立白幡中学校
2005年  埼玉栄高等学校
2008年  専修大学
2012年  ジェフユナイテッド市原・千葉
2019年 松本山雅FC
2020年〜大分トリニータ
(2019年4月に西浦和にYAMATO SOCCER SCHOOLオープン)

「地元に対して何かできないか」

RP:2019年4月に西浦和にサッカースクール『YAMATO SOCCER SCHOOL』をオープンさせましたが、その経緯などについて教えてください。
町田:元々、サッカースクールを開きたいという漠然とした思いはありました。それに、自分の経験として、人間形成という部分でサッカースクールは良い、とも感じていました。自分がプロ選手として試合に絡めるようになり、「地元に何かできないか?」と考えたときに、サッカースクールを作ろうと。『地元に恩返しをしたい』という気持ちが一番でした。浦和はサッカーの街と言われていますが、自分のように、エリートでなくてもプロで活躍できる選手を育てたいと思っています。

RP:子どもたちにサッカーを教える上で大事にしている点は?
町田:3つのコンセプトがあります。それは?サッカーを大好きに。?人間性の育成。?プロサッカー選手の輩出。です。特に大事にしているのが挨拶なのですが、自分は小学生の頃から徹底して挨拶などの礼儀を教わってきました。それが高校時代の進路にも大きく影響したと感じていますし、大学時代の就職活動では大きな声で挨拶をしていましたね(笑)。面接官に「最初から気になっていた存在だ」と言われたりもしました。人間の第一印象は挨拶で決まると言います。うちのスクールでは、コーチに挨拶と握手をすること、コ―チの目を見ることを徹底しています。自分の経験から挨拶で広がっていくつながりもあると思うで。それに気持ち良く挨拶ができれば、お互いが気持ち良いですしね。

RP:ほかの点についてはいかがですか?
町田:サッカーが好きにならないと中学や高校で辞めてしまう子が多いと思うんです。自分はサッカーが大好きだからこそ、勝負にこだわるようになったし、辞めようとは思わなかった。大枠な言い方になってしまいますがサッカーが大好きで人間味のあるプロサッカー選手をこのサッカースクールから輩出したいです。

RP:サッカースクールを開校し、丁度1年が経ちました。しかし現在は新型コロナウイルスの影響もあって指導に難しい部分もあるのではないでしょうか?
町田:ただ、この時期だからこそできることを考えて、Zoomを使ったオンラインイベントを企画実施しました。大学の後輩の和輝(長澤)に声をかけると「協力します」と直ぐに返事をくれました。他にも秀仁(小島)や阿道(オナイウ)も協力してくれました。本当にありがたいことです。

RP:そのオンラインイベントはかなり盛り上がったのではないですか?
町田:スクール生だけではなく近隣の少年団にも声をかけました。現役のレッズの選手が出てくれるというのは貴重なことだと思いますし、本当に多くの人が集まってくれました。和輝の丁寧な教え方や話し方は、とても評判が良かったです。

RP:町田選手のことを知らずに入校する子どももいるとか?
町田:サッカースクールに入校してくれた子は、僕のことを知らない子が多いですね(笑)。ある意味、それは嬉しいことです。スクール運営のパートナーは指導者としての経験も豊富でサッカーのノウハウを知っていますし、親御様からもありがたいお話をたくさん頂戴しています。

RP:ちなみに2018年の12月に、地元・戸田市にサッカースクールオープンさせた宇賀神友弥選手は「地元を盛り上げたい、戸田市からプロ選手を輩出したい」と言っていましたが、どう感じられますか?
町田:例えば、コロナ禍で大変な中、酒蔵力さんが地元を盛り上げようと率先して浦和街Tシャツを作っています。そこに自分たちも入れてもらって、そのTシャツを着てメッセージを送りました。僕はレッズの選手ではありませんが、宇賀神選手のように地元・浦和という街を少しでも盛り上げたい思いがあります。

RP:お父様が埼玉県サッカー協会第4種少年連盟理事などの役職に就き、地域のサッカーや子どもたちへのサッカー普及のため長期に渡りご尽力されていますが、スクールを始めたことで改めて感じたことなどはありますか?
町田:様々な方から「息子さんがスクールを始めたんだね」と父に話があるようです。少しずつ認知されはじめていると感じます。個人としては父の名前を使うことだけはしたくなかったので、サッカースクールは自分たちの手でいちから立ち上げました。だからこそ僕のことを知らずに入校してくれたことは嬉しい。逆に知られていないのも悲しいですのですが(笑)。

RP:『YAMATO SOCCER SCHOOL』の、今後の展開についての考えを教えてください。
町田:浦和と言えば『YAMATO SOCCER SCHOOL』と言われるぐらいになりたいです。それがいずれ埼玉県と言えばになれば嬉しいですし、目指しているところでもあります。また宇賀神選手のスクールのスタッフと僕のコーチが連絡を取り合っているので、何か一緒に出来ることがあればやりたいと思っています。

駒場に通った少年時代、影響を受けたのは小野伸二

RP:気になることが1つあります。町田選手はさいたま市で生まれ育ちましたが、子どもの頃は浦和の試合をよく見ていましたか、そして憧れた選手がいたのであれば教えてください?
町田:母とよく駒場競技場に足を運んでいました。小野伸二選手に圧倒的な影響を受けましたし、ああいうパスを出したいと常に考えていました。小学校の時は自分に8番をくれみたいな感じでしたね(笑)。それと試合が終わると●●選手は5.0、●●選手は5.5などと勝手に採点を付けていました(笑)。そうそうウーベ・バインも好きでした。

RP:去年、松本山雅FCの一員として、プロになって埼玉スタジアム2〇〇2のピッチでプレーをしましたが率直な感想は?
町田:ようやくこのピッチにこれたという思いでした。自分は別所サッカー少年団出身で、その時にお世話になった人たちの前でプレーできたこと、選手権以来となったピッチで戦えたことは嬉しかったですね。

FP:またFC浦和時代の思い出があれば教えてください?
町田:浦和の子であればFC浦和に選ばれることが目標です。それが全国へとつながる道なので。小5の時から選抜されていくのですが、一緒だった仲間が落選していくのは辛かったですし、次は自分の番かなと思ったりと、中々、大変なメンタル面でした。自分の代は全国に行くことができませんでしたが、1つ下の直輝(山田)の代は全国大会に出場して優勝するんだから凄いですよね。

RP:さて、先日J1リーグの再開が7月4日(土)と発表されました。大分トリニータのメンバーとして、浦和との対戦、長澤選手との対戦は楽しみですか?
町田:レッズとやるのは1つの楽しみでもありますし、やはり埼スタの雰囲気が素晴らしいことを再確認できました。青いユニフォームを着てレッズを倒すこと、浦和で生まれ育った選手がレッズを倒すというのも1つのモチベーションになっています。それと和輝には負けたくないですね(笑)。

RP:このコロナ禍のなか、大分はどのような活動をしているのですか、トレーニングや地域活動について教えてください。
町田:グループトレーニングから徐々にという形で、5月29日から全体トレーニングへと移りました。チームメイトと一緒にサッカーができるのは楽しいですし、大分の良さを体現できるように、リスタートから波に乗っていきたいと考えます。(コロナ対策は)徹底しています。当初はヘディングしたボールも拭いていましたし、筋トレ器具もしっかりと消毒し3密にならないように最大限の注意をしています。何よりも社長をはじめ、GM、スタッフが家族のことにまで気を使ってくれているので助けられています。

RP:クラブハウスの使用制限や練習見学の状況については?
町田:クラブハウスは一部制限はあります。ファン・サポーターと触れ合うことができないことが一番辛いことですね。

RP:クラブからはどんなことを感じますか?
町田:大分は去年、J1で成果を出しています。過去の失敗を生かし、日々、前進する経営をしていることが選手にも伝わってきます。

RP:最後に公式戦再開に向けて一言、メッセージをください。
町田:いち選手としてサッカーが出来ることにワクワクしています。チェアマンをはじめ大変な日々を過ごしてきたと思いますし、多くの方が自粛をしたことでスポーツができる環境が整ってきたと思うので、感謝が伝わるプレーを前面に出したいと思っています。また当面は無観客試合ですがサッカーが勇気を与えられる場になればとも考えます。

RP:ありがとうございました。


(聞き手・石田達也)

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