これまで浦和レッズに所属した選手を振り返って見ますと、高い技術を持ったテクニシャンや、相手の守備を切り裂くドリブラーが多くいましたが、気持ちをむき出しにして戦うファイター系、いわゆる闘将系の選手は意外に多くありません。挙げるとすれば、現役時代のギド・ブッフバルト、そして、田中マルクス闘莉王。また、トルコ代表のアルパイ・オザランが当てはまるでしょうか。
そして、今は那須大亮です。ケガを恐れず、戦うプレースタイルは、観客の胸を打ちます。6月23日(日)、ナビスコカップ・準々決勝の第1戦アウェイ・セレッソ大阪戦でも、そんな那須のプレーが見られました。
2−0で迎えた終盤。まずは1点を返そうと猛攻をしかけるセレッソ大阪。ペナルティーエリア内に進入した次期エース候補・FW南野拓実のシュートを、那須が身体を張ってブロック。いきおい余って、わき腹をゴールポストにうちつける激しいプレーを見せ、失点を防ぎました。
これだけではありません。今年は、試合中に相手選手と接触し、サッカー人生、3度目の鼻骨骨折。それでも「たいしたことないっす」と意に介しません。
なぜ、そこまで身体を張って、那須はプレーするのか?
「ゴール裏のサポーターが気持ちを後押ししてくれる。ある意味、命がけで応援してくれるのだから、その気持ちにプレーで応えないとダメでしょ」
そう笑いながら答えます。勇ましい、薩摩隼人らしい、那須の心意気です。