今のチームには失敗を教訓とする力がある
試合は誰も予測できない。一寸先は闇であることを、4月3日の全北現代(チョンブク・ヒョンデ)戦で、あらためて感じました。前半、圧倒的に押しながらも、決定的なチャンスを外した代償は、高くつきました。
浦和同様、全北も、ACLに出場できる実力を持っているチーム。押されていても、浦和のやり方が徐々に分かってきます。時間の経過とともに、形勢は逆転。後半、浦和はミドルシュートとセットプレーから3失点。1−3という、思わぬ敗戦を喫しました。
試合が終わったゴール裏からは、最後まで戦った選手への労い(ねぎらい)の拍手とともに、ブーイングが聞こえました。それもそのはず。グループリーグ突破へ近づくには勝点3が必要でした。あのブーイングは大事な試合にもかかわらず、「勝てる試合をみすみす落としてしまった」。そう考えるファン・サポーターの気持ちなのです。
また、ブーイングには叱咤(しった)激励と同じく、サポーターの期待の高さが感じられました。
ここ数年のチーム状況を振り返ると、新しい方向性を打ち出すために、クラブはさまざまな監督を連れてきましたが、「成長」と「結果」とのバランスが取れず、「チームを作っては壊す」という繰り返しでした。
しかし、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督の下、短い期間で「成長」と「結果」の両方を手にすることができたのです。だからこそ、今のチームに「タイトル獲得」という大きな期待感が持てるのです。
試合終了後、鈴木啓太は「今、僕らは勝利を求められている。それは高望みでもなく、非現実的でもなく、狙える位置にいるからだ」と話します。選手たちもサポーターからの期待に応えるべく、自信を持ってプレーしています。
ただ、タイトルと言っても、ひと筋縄ではいきません。長いシーズン、全北戦のような敗戦はこれからもあるでしょう。しかし、今のチームには、「失敗を教訓とする力」があります。そして、しっかりとした戦術があります。だから、ブレることはないのです。
4月6日(土)はホームのジュビロ磐田戦。そして、4月9日(火)はアウェイの全北戦となります。連敗か、それとも持ち直すことができるのか? チームの力が試されます。
2013/04/04放送(佐藤)
FM NACK5で毎週月曜日〜木曜日6:00〜9:00放送中の『WARMING−UP MUSIC』のコーナーで、浦和レッズのちょっといい話をお届けしている「ハートビートレッズ」(8:26頃放送、提供「埼玉県三菱自動車販売店連合会」)今週放送した中から、厳選した1本をREDS PRESSにて掲載します。