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ハートビートレッズ×PRESS

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興梠慎三、1点決まれば量産体制

試合が終わった後、取材したメディアには「公式記録」が配られます。この公式記録は、出場した選手の名前や交代した時間、選手それぞれのシュートの本数、ゴールまでの経過などが詳しく載っています。これを見れば、だいたいの試合の流れが分かりますが、公式記録だけでは分からないものがあります。例えば、どれだけ走り、チームのために貢献したか、そういった数字は表せないのです。

数字には表せない貢献。これは、今季加入した興梠慎三に言えることです。

公式戦5試合で無得点。リーグ3試合で見ますと、シュート数は僅か3本。しかも3月16日(土)大分トリニータ戦での3本のみ。興梠は期待の新戦力ですし、早く決めてほしい。これは全てのサポーターに共通した気持ちです。また、それ以上に興梠は「レッズのサポーターに早く認められたい。もっと愛されるようになりたい」とゴールを求めており、本人も、すごく気にしています。

しかし、ここまで興梠に対するサポーターの批判は、ほとんどありません。それはなぜか? ゴール以上の働きを見せているからです。キープ力を生かして、前線で身体を張りながら味方にパスを送る。また、空中戦では自分より大きいDFに負けず、マイボールにして、味方につなげる。興梠はそういったチームを助けるプレーができます。

「FWの仕事は点を取るだけではない」


この言葉の意味が分かります。

その興梠がお手本としたのが、鹿島時代の先輩で、現在ベガルタ仙台にいる柳沢敦選手。今思えば、柳沢選手は「ゴールよりも味方を生かすFW」の第一人者でした。しかし、日本代表の主力であった10年以上前、当時のサッカーファンの多くは、柳沢選手のプレーに疑問を抱いていました。しかし、周りの批判に負けず、続けたことで、徐々に理解され、このプレースタイルは興梠に受け継がれたのです。

今季加入直後、興梠はレッズサポーターについて「よくサッカーを知っていると思う」、そう話しました。まだゴールはありませんが、献身的なプレーがサポーターに認められています。とは言うのもの、FWとして1試合でも早くゴールを決めてほしい。1点決まれば、興梠は量産体制に入るでしょう。
2013/03/21放送(佐藤)

FM NACK5で毎週月曜日〜木曜日6:00〜9:00放送中の『WARMING−UP MUSIC』のコーナーで、浦和レッズのちょっといい話をお届けしている「ハートビートレッズ」(8:26頃放送、提供「埼玉県三菱自動車販売店連合会」)今週放送した中から、厳選した1本をREDS PRESSにて掲載します。



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