試合が終わった後、取材したメディアには「公式記録」が配られます。この公式記録は、出場した選手の名前や交代した時間、選手それぞれのシュートの本数、ゴールまでの経過などが詳しく載っています。これを見れば、だいたいの試合の流れが分かりますが、公式記録だけでは分からないものがあります。例えば、どれだけ走り、チームのために貢献したか、そういった数字は表せないのです。
数字には表せない貢献。これは、今季加入した興梠慎三に言えることです。
公式戦5試合で無得点。リーグ3試合で見ますと、シュート数は僅か3本。しかも3月16日(土)大分トリニータ戦での3本のみ。興梠は期待の新戦力ですし、早く決めてほしい。これは全てのサポーターに共通した気持ちです。また、それ以上に興梠は「レッズのサポーターに早く認められたい。もっと愛されるようになりたい」とゴールを求めており、本人も、すごく気にしています。
しかし、ここまで興梠に対するサポーターの批判は、ほとんどありません。それはなぜか? ゴール以上の働きを見せているからです。キープ力を生かして、前線で身体を張りながら味方にパスを送る。また、空中戦では自分より大きいDFに負けず、マイボールにして、味方につなげる。興梠はそういったチームを助けるプレーができます。
「FWの仕事は点を取るだけではない」