浦和には山田暢久の力が必要だ
サッカーに限らず、あらゆるスポーツの「名監督の条件」に勝負師であることが挙げられます。ゲームの流れを読みながら、先手を打つ。サッカーに当てはめるなら、効果的な交代でチームに勝利に導くこと。つまり、監督の勝負強さが試されます。ペトロヴィッチ監督の場合、こうした準備を去年から少しずつ進めていました。
例えば、原口元気の1トップ起用、梅崎司の両サイドでの起用などがあります。複数のポジションをこなせる選手を育てれば、自然とチーム力は上がってくるものです。さらに重要なのは、経験豊富・百戦錬磨の選手の存在です。これに当てはまるのが山田暢久です。
暢久のすごさを語るエピソードがあります。その1つが2007年、クラブワールドカップでACミランと対戦した時です。後半23分に失点した浦和は、巻き返しのために、闘莉王に代わり、山田暢久が投入されました。すると状況は一変。ミランを押し込む展開になりました。そこですぐに手を打った、ミランのアンチェロッティ監督。暢久を抑えるために、あのパルロ・マルディーニを投入。これで、ミランは逃げ切りました。つまり、ミランは暢久を脅威に感じたのです。
こうした暢久のプレーは6年たった今も変わりません。今回の指宿で行われた、トレーニングマッチでもそうでした。出番を終えた平川忠亮は暢久のプレーを見ながら、「ヤマさんは何があっても、絶対に動じない。だてに500試合以上、出ていない」。そう、つぶやきました。
監督にとっては、暢久のようなどんなケースでも、どのポジションでもプレーできる、いわば『ジョーカー』のような選手がいることは心強いはずです。
暢久は今年プロ20年目を迎えます。チームに欠かすことのできない存在であり続けることは、鉄人、いや天才というしかないでしょう。今年も山田暢久の力が必要です。
2013/02/21放送(佐藤)
FM NACK5で毎週月曜日〜木曜日6:00〜9:00放送中の『WARMING−UP MUSIC』のコーナーで、浦和レッズのちょっといい話をお届けしている「ハートビートレッズ」(8:26頃放送、提供「埼玉県三菱自動車販売店連合会」)今週放送した中から、厳選した1本をREDS PRESSにて掲載します。