2012シーズンを振り返る『ポポとサムライ・マリッチの共通点』(2012/12/13放送分より)
サポーターを引きつける選手には、いくつかタイプがあります。例えば、次々とゴールをたたき出す選手。
華麗なパスを出す選手。出場機会が少なくとも、必ず決めてくれる選手など、さまざまです。加えて、外国籍選手で言えば、マジメで、頑張り屋で、どこか「はかなさ」を感じる選手が好まれます。
これらに当てはまる選手が、かつて浦和にいました。2005年の夏、ポンテと共にドイツからやってきて、5カ月だけ在籍していたマリッチです。
マリッチはリーグ13試合に出場し8ゴール。天皇杯では5試合に出場して6ゴールを決めました。決して大きいわけでもなく、テクニシャンでもありません。しかし、見ているわれわれに気持ちが伝わってきました。その気持ちは、ゴールにつながりました。
また去り際も、印象的でした。天皇杯優勝を決めた翌日の1月2日、マリッチは日本を離れるのですが、空港に向かう早朝6時半。「ひと言、マリッチに『ありがとう』を言いたい」と大原サッカー場には多くのサポーターが集まり、見送りました。長い黒髪を後ろに束ね、ボールに向かう姿から「サムライ・マリッチ」と呼ばれ、短い期間ながら「伝説の選手」となって、日本を去ったのです。あれだけの選手はなかなかいないでしょう。
今回、天皇杯を最後に退団するポポにもマリッチと同じような「マジメさ」や「必死なプレー」が感じられます。そのポポの横顔を知るのが、通訳のロドリゴ・シモエスさん。ロドリゴさんは「ポポは自分の身体や気持ちを管理するプロ。だから心身ともにバランスがとれている。楽をしようと、手を抜くことは一切なかった。学ぶべきものが、たくさんあった」と話しています。
そのポポとマリッチは同じような言葉を言い続けています。
「自分のゴールより、チームの勝利が大事。チームのために戦いたい」
さて、12月15日(土)は天皇杯4回戦。相手は横浜F・マリノスです。「フォア・ザ・チーム」でベスト8に挑みます。
2012/12/13放送(佐藤)
FM NACK5で毎週月曜日〜木曜日6:00〜9:00放送中の『WARMING-UP MUSIC』のコーナーで、浦和レッズのちょっといい話をお届けしている「ハートビートレッズ」(8:26頃放送、提供「埼玉県三菱自動車販売店連合会」)今週放送した中から、厳選した1本をREDS PRESSにて掲載します。