ペトロヴィッチ監督、子供たちに元気と勇気を
ベガルタ仙台戦の翌日、10月21日(日)。
チームは、さいたま市には戻らず、震災で被災した宮城にとどまり、子供たちを対象にしたサッカー交流会を行いました。『ハートフル・クラブ』と協力しながら、石巻市・名取市の2カ所で実施されました。
子供たちは非常に楽しみにしていたようで、始まる2時間30分前の朝7時30分から、グラウンドに来ていた子供も多かったそうです。サッカー交流会では、選手と子供たちが一緒になって走って、ボールを追いかけ、笑い合う姿がありました。
この光景をうれしそうに見ていたのが、ペトロヴィッチ監督でした。子供たちからサインや記念撮影を求められたミシャは、快く応じました。
ミシャ自身も震災には心を痛めていました。
「震災は私にとって非常にショックなこと。子供たちに少しでも元気と勇気になれば、うれしい。支え合うことで、もう一度、立ち上がってほしい」。そう話しました。
『支え合う』ということ。ミシャが生まれた頃は、まだ第2次世界大戦が終わって10年くらい。そこには、人々が支え合って生きる社会がありました。
時代と共に豊かにはなりましたが、その分、自分のことしか考えられなくなり、人々の関心が『お金』だけに集まってしまうことを、ミシャは憂いています。
「たとえ、私が良い生活をしていても、隣の人が毎日、食べることにも困っていたら、 それは私にとってハッピーではない。 私の幸せは、私に関わる人たち、みんなが幸せであること。この考えは変わらない」そう話しています。
今回のサッカー交流会に参加した子供たちのなかには津波で家を流され、家族を失った人もいました。そんな子供たちや保護者が、たとえ、ほんのひと時でも、笑顔であったこと。ミシャの話す『幸せの風景』が石巻、そして名取の町にありました。
2012/10/23放送(佐藤)