9月29日(土)、国立競技場で行われた柏レイソル戦は盛り上がりました。1−1で迎えた後半ロスタイム。スタジアムにいる誰もが引き分けかと思いましたが、ポポの執念のゴールで逆転勝利となりました。
試合終了後、場内を一周するイレブンの中に原口元気の姿はありませんでした。
ご存じの通り、原口は前半途中で交代。ピッチをあとにした際、悔しさがこみあげた原口は、スタッフの手を払い、通訳の杉浦大輔コーチになにか言って下がりました。
すっかり肩を落とし、ベンチで戦況を見つめている原口に、田中達也、小島秀仁、野田紘史が駆け寄り、声を掛けていました。一時の感情が抑えきれず、つい気持ちを爆発させてしまう。こうしたことは、原口にとって二度や三度ではありません。中には、原口の行為に「失望した」と感想を持ったサポーターもいるはずです。
そこで大事なのは、監督が、どんなタイミングで、どのような言葉を原口に伝えるのかです。
実は柏戦の直後、ロッカールームでは、原口、橋本光夫代表、そしてペトロヴィッチ監督の3人で話し合いが行われました。その中でミシャは原口にこう言いました。
「年に一度や二度、きょうのような試合はある。だから、次も頑張れ。毎回、うまくいくことはないのだから」と、話したそうです。
今回のことに関して、クラブから具体的な処分はありませんでした。しかし、そこには原口自身で考えさせ、自立を促すことが含まれます。これもミシャ流の指導の1つなのかもしれません。