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REDSPRESS EYES

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浦和レッズレディースを応援に行こう

多角的な視点で浦和レッズに迫るコラムコーナー「REDSPRESS EYES」。今回は佐藤亮太記者が浦和レッズレディースの試合を取材しました。


6月8日(日)、関東は朝から強い雨が降り続くあいにくの天候だった。

この日、浦和駒場スタジアムでは なでしこリーグ第8節、浦和レッズレディース対ジェフユナイテッド千葉・市原レディースの試合が行われた。

開門1時間半前の朝10時。入場門にはすでに70人程度のファン・サポーターが列に並んでいた。年齢層は40代から50代の男性が中心。長くレッズレディースを応援するサポーターのようだ。


時間の経過とともに列は長くなり、開門直前の11時半になるとその数は230人に。やはり、中心は1人で観戦する中年男性だが、そろいのユニフォームを着た老夫婦や若いカップル、小さい子供を連れた家族の姿もあった。

また、浦和駒場スタジアムから比較的近くに住む人が多く、レッズランドを訪れた際、レディースの練習を間近にしたのをキッカケに見始めた人もいた。

会場となる浦和駒場スタジアムは、長年、浦和レッズトップチームのホームとし、さまざまな歴史を紡いだ場所。以前は荒々しいムードに満ち、選手に送られる声は遠く武蔵浦和まで聞こえた迫力があった。しかし浦和レッズレディースの主戦場となった今、戦いの場だけでなく、和やかな雰囲気のなか、サッカーを楽しめる空間となった。

こうした空気を作り出すのがスタジアムを運営するスタッフたち。朝8時頃集合し試合にむけ準備するクラブスタッフをはじめ、試合運営を手伝うスチュアードや浦和レッズレディース下部組織の選手たち。またケガなどで今日の試合には出られない浦和レッズレディースの選手がチケットのもぎりや、チケット、・グッズ販売に、また試合後、メディアに配られる公式記録に立ち会っている。浦和レッズレディースにかかわる人たち全員で、試合を作っていく気持ちが感じられた。

「純粋に、ストイックにサッカーをやっている選手が多い。少しでもサッカーに集中できる環境を作りたい」そう話すのが浦和レッズレディースの試合を取り仕切る競技運営部の大平進さん。

その大平さんは「幼稚園、小学校、中学校など多くの女のお子さんにレディースの試合を見てほしい」と話す。その理由は浦和レッズレディースを含めて女子サッカーの普及にとっての貢献が期待されているからだ。

大平さんはハートフルサッカーのスタッフだった頃、当時の犬飼基昭代表から言われた言葉が今でも残っている。

「ハートフルをやりたい女の子、サッカーをやりたい女の子がいたら、必ず、当選させ、サッカーを続けさせてほしい。女の子に継続的にサッカーをしてもらうことで、レッズのサポーターをつなぎ、またサッカー文化全体にもつながっていくから」と。

まさにこの言葉通りのことが、今年、加入したDF乗松瑠華、DF大戸遥可、この2人のルーキーに言える。実は彼女たちはハートフルの生徒だった。埼玉県出身のDF乗松はその後、JFAアカデミーに進んだが、今季リーグ戦 8試合中、7試合で先発フル出場。いまや浦和の「守備の要」の1人となった。同じく埼玉出身のDF大戸はレッズレディースJrユース、レディースユースと進んだ生え抜きの選手。その2人を大平さんが教えていたと言う。

「昨季限りで引退した安田(有希)選手のように、たとえ選手をやめて、お母さんになっても、サッカーは続いていく。普及の部分が大きいんです」そう話す大平さん。その一方で「普及も大事ですが、やはり勝つことが大事。当時の犬飼代表もおっしゃいましたが勝つことが最大の普及活動ですから」と大平さん。

この日、浦和レッズレディースはジェフユナイテッド千葉・市原レディースに苦しみながらも後半27分、セットプレーであげた1点を守り切って1対0で勝利。戦った選手にとっても、雨のなか、訪れた1774人のファン・サポーターにとっても、苦しい試合だった。

「今日は1700人がいらっしゃって勝ちましたが、前のホームゲーム、湯郷ベル戦では4300人の方が来ていただきましたが、負けてしまって・・・(5月4日に行われた第6節、1−3で敗戦)。でも、選手としては4000人来てくれた方があと一歩のところが出るんです」と大平さんはより多くの後押しを呼びかけた。

2005年に誕生した浦和レッズレディースは今年で10シーズン。普段は地元企業で働きながらトレーニングを積み、試合ではピッチで必死のプレーを見せる選手たち。その姿を見たさにファン・サポーターはスタジアムに足を運ぶ。

彼女たちの「ひたむきさ」を感じに、浦和レッズレディースの試合を、浦和駒場スタジアムに、ぜひ、いらしてください。
(レッズプレス!!佐藤亮太)


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