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REDSPRESS EYES|汰木康也が見出した攻撃面での一つの“解”|レッズプレス!!

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汰木康也が見出した攻撃面での一つの“解”



(石田達也)

浦和は13日(土)、埼玉スタジアム2002と埼玉スタジアム第2グラウンドで、SC相模原と45分×3本、30分×1本の練習試合(正式名称:POLUS presents トレーニングマッチ vs SC相模原)を行い、5−0で浦和がJ1の意地を見せた。

27日(土)のリーグ開幕戦を前にベールを脱いだ浦和の基本布陣は[4−2−3−1]。守備時には[4−4−2]のブロックを敷き、攻撃時には1枚のボランチがCBの間に降り、もう一枚のボランチがバランスを取る可変型だった。

今シーズンからチームを率いるリカルド・ロドリゲス監督は主導権を握るサッカーにこだわる。そのためのビルドアップとポジショニングがこのサッカーのキーとなっている。

1本目、左サイドハーフで先発した汰木康也は持ち味の鋭いドリブルで単騎突破をするのではなく、左SB山中亮輔と連動性を見せ多くの好機を作っていた。山中が中央に入れば、相手の立ち位置を確認しながらサイドライン際にスペースを見つけてボールを運ぶ。「ボールの動かし方については、中と外をグルグル回るポジションを取ることをキャンプから取り組んでいる」(汰木)。

そして40分、伊藤敦樹の得点で先制すると、45分には汰木が新機軸となるポジショナルプレーの一片を見せつけた。敵陣でボール奪取すると明本考浩が右サイドに侵入。グラウンダーのボールを入れると、ペナルティーエリアにポジションを移していた汰木が右足を強振し、ゴールネットを射抜いた。

この汰木の立ち位置こそ、昨シーズンとの大きな相違点である。これまでも5レーンの意識付けはあったが、大外のレーンからセンターのレーンへ立ち位置を移した。フィニッシュワークに出た局面は理想形だったのか、それとも偶発的だったのか。汰木は「自分が右サイドの深くまで入って、マイナスのクロスに合わせた形でのゴール」と話した。ペナルティーエリアに人数をかけることで数的優位、質的優位を生み、得点の確率を上げる。崩しのフェーズは上向きだ。

「ボールを動かす時に自分が外を取って山中選手が中を取るのか、山中選手を外に張らせ自分が中央のスペースを使うのかを意識しているので、その延長で自由にできるようになった。ポジションを含めプレーの幅が広がったと思う」(汰木)

リカルド・ロドリゲス監督の思想的にも、単にクロスを上げればいいチームではない。サイドから局面を崩し、より確実にゴールを狙うアイディアを持ち併せなければいけない。

相模原の布陣は[5−3−2]。ブロックを敷き、前からハメてくるチームではなかった。劣勢を強いられた沖縄キャンプでのトレーニングマッチ2試合(鳥栖戦、札幌戦)のような、強プレスでハメてくるシチュエーションとはならなかったが、「相手が前からハメてこなかったのでスムーズにいったが、キャンプ中は上手くいかずカウンターを食らうシーンがたくさん出ていた。前から来るチームに今日のようなポゼッションができればいい」と汰木は振り返る。

ただ、この日は2つの課題が浮き彫りになった。

1つ目はバイタルエリアでの精度だ。1本目の前半は押し込んでいたにもかかわらず最後の精度が低く「危機感を感じた」と汰木は口にする。

2つ目は運動量の低下だ。2本目途中から足が止まり圧力をかけられず、カウンターで脅かされるシーンがあった。現在、フィジカル強化に努めている中であり、体力面で厳しさがあったことは否めないが、90分間走り切る力を付けたい。

各々が課題と収穫をあらためて確認できたトレーニングマッチでもあったが、汰木は次のように意気込みを語る。

「ポゼッションサッカーをチームとして取り組んでいて、攻撃的なサッカーという根本的なところは見失わないよう、自分が前に前にいくサッカーを先頭に立ちピッチで体現したい。試合を組み立てる部分はまだ迷うシーンもあるがコミュニケーションを取りながら開幕までチャレンジしたい。前に出て行く攻撃的強みを継続して出していければ相手も嫌だろうし、見ている人も楽しく盛り上がるサッカーになると思う。コミュニケーションを取りながらもっと攻撃的サッカーができるようにチャレンジしたい」

昨シーズンの成長に甘んじることなく、ドリブラー兼フィニッシャーとして、さらなる高みを目指していく。



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