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REDSPRESS EYES|2020年期限付き移籍選手紹介:荻原拓也|レッズプレス!!

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2020年期限付き移籍選手紹介:荻原拓也

今季、他クラブに期限付き移籍していた選手を特集。今回は、サッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』でアルビレックス新潟の番記者を務めた野本桂子記者に、荻原拓也選手を紹介してもらった。


初日からチームに溶け込み、最後まで戦い続けた。
鄭大世は「武器になる」と攻撃センスを称賛

8月13日に期限付き移籍で新潟へ加入。背番号は7を選んだ。

「J1昇格。自分が求めていることはそれだけです。自覚と責任を持つためにもこの背番号を希望して、理解していただいたクラブには感謝しかありません。毎試合すべての力を出し切り、チームの勝利に必ず貢献します」

プレスリリースにのって届いた言葉に、かなり強気で尖った選手が来るのかな、とイメージがふくらんだ。

が、現れたのは、とっても人なつっこい好青年。練習初日からチームに溶け込み、ムードメーカー的な存在としてかわいがられた。

スピードにのったドリブル突破と、左足から放たれる鋭いクロスを武器に、新潟では24試合に出場。アルベルト監督からは「彼の攻撃センスを最大限に生かしたい」と期待され、主に左サイドバックとして起用された。

荻原のプレーが得点につながったのは、5試合連続先発となったJ2第22節・甲府戦(1△1)。63分、左サイドで高木善朗からのパスを受けると、左足ダイレクトで送った高速クロスがオウンゴールを誘発し、先制に成功。チームに3試合ぶりの得点をもたらし、翌節から3連勝する流れをつくる呼び水となった。

その攻撃センスは、鄭大世にも絶賛された。シュート練習で荻原のクロスを受けた鄭大世は「あのスピード、精度。俺が欲しかったクロス。速いし、落ちるし、曲がるし、合わせるのは難しいけれど、あれじゃないとDFの間を通らない。武器になると思うので楽しみ」。期待するからこそ助言もした。「センターバックを見てからクロスを上げると一度顔が下がる。それだと遅いからキーパーを見て上げろと。そこに蹴ったらカーブして、キーパーとDFの間を通るボールになるから。甲府戦のクロスも2秒前なら、FWが触れた」。期待され、引き上げてくれる先輩にも恵まれた。

一方、守備面では課題も見えた。チームがリーグ後半戦からハイプレスの強度を上げていた中、一発で入れ替わられて背後をとられてしまう場面が散見された。周囲からもより球際での厳しさが求められ、強く当たりにいく意識もできた第28節・岡山戦(1△1)以降、左内転筋を負傷して4試合離脱したのは、攻守共につかみかけていた中で、残念なものとなった。

復帰した第33節・磐田戦(1△1)以降は途中出場で流れを変える役割が求められたが、第37節・長崎戦(0●2)以降はJ1昇格の可能性が消滅。目標はかなえられず、悔しいシーズンとなっただろう。

終盤はチームにもケガ人が続出し、ぎりぎりの人数で戦わざるを得ない状況となった。「今、戦えるメンバーは全力で戦うしかない。出ていない選手も、1人も欠けたらダメなので、全員で戦いたい」とチーム全員で戦っていることを強調。新潟を思い、最後まで戦ってくれたことに感謝したい。

(エル・ゴラッソ新潟担当 野本桂子)

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